ほりうち(ccbu8181) 2019-03-02 22:31:29 |
Trip Planning 高速列車、夜行列車、シーニックトレインなど、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が都市や町を結び、地元の人々にとって大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や現地の人々の日常生活を垣間見みたり、列車での国境越えという体験をしたり、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーではレイルエキスパートらによる列車を利用したヨーロッパ旅行のモデルプランをご紹介します。 4カ国の鉄道に乗り放題パス付き ウィーン8日間 きままにウィーンと中欧の世界遺産を満喫する旅 トラベルプラザインターナショナル 営業本部 中原ゆかりさん 今月号の旅のヒントは、レイルエキスパート養成講座20182018年夏コースを修め、レイルエキスパートに認定された、中原ゆかりさん(トラベルプラザインターナショナル)が作成したヨーロッパ鉄道旅行プランです。ウィーンに6連泊して、ヨーロピアンイーストパスを使った、オーストリア、ハンガリー、チェコ、スロヴァキアの中欧4カ国の世界遺産を巡る旅です。2〜6日目の5日間は、ウィーンからのおすすめ日帰り9プランの中から、行きたい町や世界遺産を選びます。<写真=高速列車レイルジェット(C)OBB> ※このプランは、2018年11月現在の情報に基づき記載されています。 ※旅程表およびコンセプト等にある文言は、編集部によって一部編集しています。ご了承ください。 旅程: [1日目] 東京発、空路ウィーンへ、ウィーン着。『鉄道パス使用開始』。ご自身でウィーン空港駅よりレイルジェットにてウィーン中央駅へ(30分おき所要15分/鉄道パス利用)、地下鉄U1に乗り換え、ホテル最寄りのシュテファンプラッツ駅へ(地下鉄はパス利用不可)。ホテルにチェックイン。 【ウィーン泊】 [2〜6日目] 朝食は宿泊ホテルにて。日中は下記お勧めなどを参考に、鉄道パス等を使ってお好きな所でお楽しみください。夜はオペラやコンサート、ミュージカルなど音楽の街をお楽しみください。またホテル周辺には美味しいレストランやカフェ、ワインセラーが集まっています。夜遅くまで営業している店も多いので、ゆっくりとお食事をお楽しみください。 【ウィーン泊】 [7日目] 宿泊ホテルにて朝食。ホテルをチェックアウト。地下鉄でウィーン中央駅へ。ウィーン中央駅からレイルジェットで空港へ(鉄道パス利用)。ウィーン発、空路日本へ。 【機中泊】 [8日目] 東京着 おすすめ日帰りプラン [A]世界遺産都市ウィーン フリータイム 朝、ホテルにて朝食後、ご自由にウィーンの街をお楽しみください。 お勧め)■王宮やシェーンブルン宮殿(世界遺産)など、ハプスブルグ帝国の栄華を巡る。■フィガロハウスやハイリゲンシュタットなど、モーツァルトやベートーベンなど音楽家ゆかりの地を巡る。■ベルヴェデーレ宮殿や美術史館でクリムトやブリューゲルなど世界的美術品を鑑賞。■有名なザッハトルテなど、カフェで美味しいスイーツを。 [B]世界遺産 ワッハウ渓谷観光(鉄道パス1日利用) 朝、地下鉄でウィーン中央駅へ。中央駅から列車にてザンクト・ペルテン乗り換えメルクへ(所要1時間)。バロック様式の華麗な建物で10万冊を誇る図書館で有名なメルクの修道院(世界遺産)を見学。メルクの船着き場よりワッハウ渓谷のクルーズ*へ(鉄道パスで割引あり)葡萄畑や古城を眺めながら、ドナウ下りの船の旅をお楽しみください。 クレムス着。ワイン博物館を見学。ワッハウ渓谷は白ワインとあんずが有名。ワインセラーでお気に入りの1本を選んだり、あんずジャムのお菓子を探してみませんか? 夕方、クレムスから列車でウィーンへ(到着駅はフランツヨーゼフ駅になります。所要1時間) * クルーズ船が運航されない冬季は鉄道やバスで移動になります。 [C]ダブル世界遺産 センメリンク鉄道とグラーツ(鉄道パス1日利用) 朝、地下鉄でウィーン中央駅へ。列車でグラーツへ。途中、世界最初の山岳鉄道として世界遺産に認定されたセンメリンク鉄道区間を通ります。もうひとつの世界遺産、グラーツに到着(所要2時間半)。グラーツの街を一望できる時計塔のあるシュロスベルク(城塞)や世界最大の武器庫、秀吉時代の大阪を描いた屏風が発見されたエッゲンベルク城などを見学。夕方、再びセンメリンク鉄道区間を通ってウィーンへ。 [D]世界遺産 ノイジィードラー湖朝、路線バス※にてノイジィードラー湖への入口アイゼンシュタットへ。ハプスブルグの大貴族エスターハージィ家の宮殿や、音楽家ハイドンの博物館や霊廟のベルク教会を見学。再び路線バスに乗り、世界遺産ノイジィードラー湖畔の町ルストへ。ノイジィードラー湖はヨーロッパで2番目に大きいステップ湖(流れ出る先がない湖)。多数の鳥類、植物が生息している、重要な生態系の地です。湖周辺は良質なワインが生産され、秋にはできたてのワインを飲むことができます。またコウノトリの街としても知られ、パステルカラーの家々の煙突の上にコウノトリの巣があるというかわいらしい風景が広がります。夕方、路線バスにてウィーンへ。 ※アイゼンシュタットまでは鉄道路線もありますがバスの方が利便性がいいです。 [E]世界遺産 ザルツブルク(鉄道パス1日利用) 朝、地下鉄でウィーン中央駅へ。高速列車レイルジェットでザルツブルクへ(2時間半)。ザルツブルクはモーツァルトの生まれた町で、モーツァルトの生家やモーツァルトの父が仕えたザルツブルク大司教の居城のホーエンザルツブルク城があります。またミュージカル、サウンドオブミュージックの舞台であり、映画の撮影で使われたミラベル庭園やノンベルク修道院、祝祭劇場などがあります。ザルツブルクで有名なお菓子がザルツブルガー・ノッケルという大きなスフレ菓子。お昼に入ったレストランなどでメニューにあれば、試してみては? [F]世界遺産 ハルシュタット (鉄道パス1日利用) 朝、地下鉄でウィーン中央駅へ。ウィーン中央駅より列車でアットナング・プッフハイムで乗り継いでハルシュタット駅へ。駅前より渡し船で、オーストリア一美しい街、ハルシュタットへ(所要3時間半)。木造の美しい家並みのマルクト広場や、岩塩坑を見学。ハルシュタット見学後、帰路時間があればバート・イシュルで途中下車。バート・イシュルはハプスブルグ帝国時代の温泉保養地で、フランツ・ヨーゼフ皇帝ご用達だったカフェなどがあります。再びアットナング・プッフハイムで乗り換えウィーンへ。 [G]スロバキア首都ブラチスラヴァ(鉄道パス1日利用) 朝、地下鉄でウィーン中央駅へ。ウィーン中央駅から列車で隣国スロバキアの首都ブラチスラヴァへ。所要はたったの1時間です。ブラチスラヴァ城を見学したり、土産物屋を覗いたりなど旧市街を散策。列車に乗り、ウィーンへ。 [H]世界遺産 ハンガリーの首都ブダペスト(鉄道パス1日利用) 朝、地下鉄でウィーン中央駅へ。ウィーン中央駅より高速列車レイルジェットでブダペストへ(所要2時間半)。【ご注意】ハンガリー内のレイルジェットは座席予約が必要です。レイルジェットの座席予約は日本で事前購入も可能です。このプランでは、帰路のブダペスト発ウィーン行について座席予約してください(編集部注)。王宮やマーチャーシュ教会など歴史的建物の多いブダ地区や、カフェやお店の集まるペスト地区などをお楽しみください。もし2度目の訪問なら、ブダペストに点在する温泉に浸かりに行ってみては? お昼はハンガリー名物パプリカ料理をどうぞ。夕方、列車でウィーンへ。 [I]世界遺産 チェコの首都プラハ(鉄道パス1日利用) 朝、地下鉄でウィーン中央駅へ。ウィーン中央駅から列車でチェコの首都プラハへ(所要4時間)。カレル橋やプラハ城、旧市庁舎など、世界遺産の街プラハをお楽しみください。他のコースより移動時間がかかるためお昼をゆっくり楽しむ時間はありませんが、名物菓子のトゥルデルニークをテイクアウトで食べてみませんか? お帰りはウィーン着が少し遅くなるため、夕食は高速列車レイルジェットに連結されているビュッフェカーでいかがでしょうか? 旅行プランの概要とコンセプト: ウィーンを拠点に世界遺産と舞台鑑賞 個人旅行者、シニアにもおすすめ ウィーンに滞在し、鉄道パスを利用して日帰りで周辺の魅力のある街を観光。1都市滞在のため、個人旅行でネックの重い荷物を持っての移動がなく、個人旅行が初めての方や、ご年配の方にお勧めしやすいプランです。鉄道で片道3時間以内に世界遺産が数多くあり、治安が良い、夜楽しめるスポットが多いという点、また2019年が日本オーストリア国交樹立150年の記念イヤーにあたり、日本からの直行便も運航されることからウィーンを起点としました。当プランは、好みに応じて組み合わせができるため、どなたでもお楽しみいただけるはず。個人旅行が初めての方、年配の方、またオペラやミュージカルなどウィーン旅行の目的が夜の舞台鑑賞というリピーターにおすすめ。 ウィーンから片道3時間、中欧各地の世界遺産を巡る 滞在中自由に鉄道旅行ができるように、ウィーン周辺4カ国を巡ることができる「ヨーロピアンイーストパス」(通用日7日間)をご用意しました。また乗車時間も3時間未満のため、予算を抑えるために2等としました。実際のお申し込みの際はお客様の予定、予算によって1等パスやユーレイルパスなどへの変更も可能です。 滞在ホテルは、旧市街シュテファン広場周辺の4つ星(スーペリアクラス)のホテル(Hotel Kaiserin Elisabeth、Hotel Wandl、Hotel Grabenなど)があります。シュテファン広場は、街の中心にあり、シュテファン大聖堂、王宮、国立オペラ座など主な観光地に徒歩でアクセス可能。また周囲にはケルントナー通りやグラーベン通り、コールマルクト通りといった、ウィーンの主要ショッピングエリアもあり、高級ブランドからスーパーマーケットまで広い価格帯での買い物が楽しめます。夜もカフェやレストラン、ワインセラーなどが夜遅くまで開いているため食事に困らず、またそれ故に人通りがあるため、女性の一人旅にもお勧めできます。アクセスも地下鉄U1とU2の2本が乗り入れており、さらに1回の乗り換えで他の地下鉄路線にも接続できます。またウィーン中央駅まで地下鉄U1で5分(3駅)と、空港や周辺都市への鉄道旅行にも便利です。 編集部からヒトコト: ヨーロピアンイーストパスで自由きままな旅 今月号の旅のプランは、ヨーロピアンイーストパスを使って、ウィーンを拠点に中欧の世界遺産を訪れる旅です。 ヨーロピアンイーストパスはフレキシータイプ(1カ月の有効期間内に通用日5〜10日間)で、オーストリア、ハンガリー、チェコ、スロヴァキア4カ国の国鉄(またはそれに相当する鉄道)ネットワークに乗り放題となります。クーフシュタイン〜ザルツブルク間(ドイツ経由)の直行便は当パスの適用範囲内となりますが、チェコのレオエクスプレス(Leo Express)、レギオジェット(Regio Jet)は対象外です。ボーナス特典としては、例えば、おすすめ日帰りプラン(B)にあるワッハウ渓谷観光の際、ドナウ川を運航するDDSGブルードナウ社のクルーズが20%割引でご利用いただけます。 おすすめの日帰りプランでも利用されているレイルジェットは、オーストリア連邦鉄道(OBB)が誇る高速列車で、ウィーンを起点にブダペストへ(所要約2時間50分)、さらにリンツとザルツブルクを経由してドイツ・ミュンヘンへ、あるいはスイス・チューリヒへの路線を運行しています。ヨーロピアンイーストパス所持者は、1等ビジネスクラス以外は、座席指定は任意なのもうれしいところ。 このプランで滞在するウィーンをはじめ、ザルツブルク、ブダペスト、プラハの主要駅の構内サービス、地域の公共交通機関との接続、近郊都市を結ぶ列車の所要時間などについては、レイルヨーロッパ公式サイトの主要鉄道駅情報を参照ください。 ※ ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は必ず、実際に時刻表でご確認ください。 ※ また、列車情報、車内で提供される食事やサービスについても予告なく変更されることがあります。ご乗車の際には事前にご確認ください。 鉄道パス&チケット: 旅のプランの中から鉄道パス&チケットに関して編集部が抽出しました。 ・ヨーロピアンイーストパス(フレキシータイプ:通用日5〜7日間):滞在日数と選択したおすすめ日帰りプランによって通用日数は5〜10日の範囲で選択できます。 ・ヨーロピアンイーストパス所持者は、レイルジェットに乗車の際、1等ビジネスクラスは座席指定必須(現地にて指定券を購入しなければなりません)ですが、1等ファーストクラス、2等については、座席指定は任意となります。 Tips: ・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。 ・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。 ・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。また、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。 旅をもっと楽しくするためのヒント: ・オーストリア政府観光局 ⇒ http://www.austria.info/jp/ ・ハンガリー政府観光局 ⇒ http://www.hungarytabi.jp/ ・チェコ政府観光局 ⇒ http://www.czechtourism.com/jp/home/ |
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