ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2019-10-14 23:48:05 |
基隆(きーるん) Keelung 1966
&瑞三炭鉱鉄道 Steam on 2ft.Lines T+ はじめに ● 2 1966年の台湾 ● 4 基隆炭鉱鉄道 劇的発見 ● 6 人車軌道から鉄道へ ● 8 ”田んぼ線”を行く ● 10 ”山線”を行く ● 30 HAPPENINGS ● 50 機関庫のこと ● 54 坑車総站にて ● 66 さらば基隆炭鉱鉄道よ ● 78 模型になった基隆炭鉱 ● 80 瑞三炭鉱鉄道 508mmゲージ ● 86 坑口ヤード ● 90 炭住街を行く ● 94 なぜか笊(ざる) ● 98 半世紀後の驚き ● 110 タイトル : 基隆&瑞三炭鉱鉄道 発 行 日: 2019年9月29日 増補改訂初版発行 定 価: 2600円(税別) 著 者 : KEMURI PRO. 発 行 : 南軽出版局 http://nankaru.info 印刷・製本: 加藤製版印刷株式会社 企画・編集: 下島啓亨 撮影・解説: 井上一郎 梅村正明 下島啓亨 杉 行夫 制 作 : 片岡俊夫 松本典久 近藤和磨 図面作成 : Classic Story 山川良一 石井伸明 模型作成 : 石井伸明 大竹尚之 新井一雄 下島啓亨 表紙デザイン:近藤和磨 資料提供 : 宮田寛之 中西進一郎 呉 小虹 野口信夫 角田幸弘 羅須地人鉄道協会 洪 致文 「あとがき」 我々の汽車の写真は、国鉄の機関車を単発的に良い雰囲気で捕らえるだけなく、その鉄道の「風景・人々・出来事」を羅列してでも、一つの鉄道を表現することにあった。この基隆炭鉱鉄道は、ただでさえ心楽しいナロー鉄道に、蒸気機関車が活躍するという鉄道で、その魅力は筆舌に尽し難かった。サイドタンクに開いた穴をぼろきれと小枝で止め、走行振動でサイドタンクからは水が跳び、空転し、バケツで給水し、時には細った線路が飛び散った。そこで見た事実を伝えるにはどうすれば良いか。シャッターをただひたすら押し続けるしかなかった。多くの好ましい情景があった“田んぼ線”は、我々の訪れた年には消えてしまったが、基隆炭鉱鉄道の全盛期ともいえる時期に訪れることが出来たのだ。この本の写真は1,500コマから選ばれている。45年以上前、あたかも[鉄道劇場・基隆]とでもいえる処で演じられていた情景を、目にすることが出来た。(杉 行夫) 学生時代の最後に台湾の鉄道めぐりを行い、蒸気鉄道の全盛期時代の名残を見ることができました。撮影制限はありましたが、十分に雰囲気は堪能できました。阿里山のシェー、台東線のポーターDタンク、鉄路局のアルコ96、8900型、台湾糖業のポーター、クック、コッペル、ヘンシェル、日車、雨宮などなど、自分が思い描いていた蒸気機関車の8割方を見ることができたでしょうか、特に思いがけなく見つけた基隆炭鉱は2ft.の小型蒸気機関車鉄道でもあり、魅力にとんだ鉄道でした。45年もたち、改めて台湾の写真を見直し感激を新たにしています。(井上一郎) いま模型の世界では軽便鉄道がちょっとした人気アイテムになっているようだ。小さくて可愛らしく、スペースを取らないので実物を知らない人たちをも惹きつけるのだろう。そんな若い人たちに軽便鉄道が生き生きと活躍していた時代の姿、本当の面白さを知ってもらいたくてこの本を作った。数年前に個人的なホームページでも紹介したが、自分の写真しか出せず内容も不十分だった。今回、グループ全員で本格的な写真集にまとめることができ、やっと基隆炭鉱鉄道の魅力を余すところなく表現できたと思っている。さてタイムマシーンの役割を果たすことができただろうか。(梅村正明) 軽便鉄道模型祭を機に南軽出版局が生まれ、世に小鉄道の魅力を残し伝えたいと願う様になった。ナローや軽便の2′6″鉄道の書は少なからずあれど、2ft.鉄道のものは少なく、さらにそれは一層模型的で面白いものだ。我々の写真集は組み写真で一つの鉄道全体を捉えようとするものである。模型製作で言えばブラスの機関車“単体の製作”にとどまらず、ヤードがあり森や渓谷を行く“レイアウト製作”の気持ちによく以ている。2ft.蒸機軽便鉄道シリーズの第一巻は基隆炭鉱鉄道である。本書を見て基隆が好きになり、模型を作りたいと思う方々が少しでも生まれたら喜びに堪えない。(下島啓亨) ● 2012年から始まった南軽出版局の写真集は、2年目に発行した「Darjeeling & Matheran鉄道」が売切れ、「基隆炭鉱鉄道1966」も再版を考えねばならない状態になった。増頁するか前作のまま出すかを考えた時、ダージリンでやったマテランとの抱き合わせ、貝島・阿里山でやった長尺の折込等の経験から、今回は両方の手法を使って新たな「基隆+瑞三」を作ろうということに決まった。 蒸気機関車が運行していた瑞三の線路は、出炭する坑口へ向けてゆるい上り勾配で、基隆河の対岸の畑の畔に登ると、ズリ捨て場あたりが目の高さに位置する。真横から引いて撮ることの出来る立地はそれほど無い。そこで撮った多数の写真を合成したのが今回の折込ページである。デジタル化で全ての画像を目にでき、繋いだり嵌め込むことさえ可能になり、50年以上前の撮影時の意図が伝わる印刷物をつくれるようになったのである。拡大してみると、慟く人々の姿勢や動作まで見えてきて、なにか「鳥獣戯画」を思わせるところがありはしないだろうか。(杉行夫) 2019年9月29日 KEMURI PRO. |
|
|