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No.6459 【古今書院】フォーラム新幹線学2020 櫛引素夫 著
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-02-16 00:00:05
フォーラム新幹線学2020
新幹線は地域をどう変えるのか


本書が目指すもの

◎ねらいと想定読者
 本書はタイトルに示した通り、「新幹線は地域をどう変えるのか」について、議論し、語り合うためのテキストを目指して執筆しました。
 本書でいう「新幹線」は、1970年代から構想が進んできた「整備新幹線」、着工を求める動きが活発化している「ポスト整備新幹線」(筆者の造語です)、さらには建設中の「リニア中央新幹線」を指しています。
 同じく「地域」としては、主に開業から間もない沿線地域、あるいは開業を控える地域を想定しています。また、読者としては主に、地域にお住まいで新幹線問題に関心のある方、行政機関や企業、経済団体、観光団体で新幹線問題に携わっている方、さらには教壇に立つ教職員や学生・生徒の皆さんをイメージしています。このような方々にとって、「等身大」の対話や議論、対策の検討、地域政策形成の参考になれば、と考え、執筆を思い立ちました。

◎本書の特徴
 本書には、3つの特徴がある、と考えています。
 @実体験に基づく、ジャーナリスティックな、もしくは実務者の視点での提起
 A取材や調査、講演の質疑から立ち上がったテーマの選択と、「論点」の整理および「仮説」の提示、さらに読者の皆さんへの「問いかけ」を通じた、「対話」形式の記述
 BSNSを活用した検討および議論の反映

※本書をお読みいただく際は、ぜひ、筆者が東洋経済オンラインに2015年から執筆している連載「新幹線は街をどう変えるのか」をご参照下さい。北海道・東北・北陸・九州(鹿児島ルート)の各整備新幹線沿線、そして山形新幹線、リニア中央新幹線沿線の飯田市付近を取り上げています( https://toyokeizai.net/category/ChangeCityOfftheShinkansen )。このほか、最小限の参考文献について、巻末にリストを記しましたので、併せてご覧下さい。


書 名 フォーラム新幹線学2020
    新幹線は地域をどう変えるのか
コード ISBN978-4-7722-4215-8 C1065
発行日 2020(令和2)年2月10日 初版第1刷発行
著 者 櫛引素夫
定 価 本体2200円(税別)
発行者 株式会社古今書院 橋本寿資
印刷所 太平印刷社
発行所 (株)古今書院
URL http://www.kokon.co.jp/


著者略歴
櫛引素夫(くしびき もとお)
 1962年、青森市生まれ。1987年、東北大学理学研究科地学(地理学)博士課程前期修了。2006年、弘前大学大学院地域社会研究科(博士後期課程)修了。1987〜2013年、株式会社東奥日報社に勤務。2013年、青森大学に移り、2016年から社会学部教授。著書に『地域振興と整備新幹線』(2007年)ほか。東洋経済オンライン連載「新幹線は地域をどう変えるのか」執筆中。博士(学術)。


目 次

本書が目指すもの i
 ねらいと想定読者 i
 本書の特徴 i
 「フォーラム」としての展開:「新幹線学」 iii

第1章「新幹線」のあゆみ  1
(1)概要 1
 高度成長と日本列島改造論 1
 「需要対応型」と「需要開拓型」 4
 宿命としての長い懐胎期間 5
(2)長野新幹線 7
 整備新幹線開業「第1号」 7
 長野オリンピックと新幹線 9
(3)東北新幹線(盛岡以北) 11
 盛岡、八戸での分断 11
 駅の立地、まちの空気とまちづくり 14
(4)九州新幹線・鹿児島ルート 16
 「南から造った」新幹線 16
 部分開業と全線開業の差異 19
(5)北陸新幹線 22
 整備新幹線「本来の姿」? 22
 「金沢独り勝ち」の意味 26
 金沢−敦賀間の延伸 27
(6)北海道新幹線 29
 「東北の拡大」と青函圏/津軽海峡交流圏 29
 北海道の行方と新幹線 31
(7)九州新幹線・西九州(長崎)ルート 34
 整備の最終形をめぐる混迷 34
(8)ポスト整備新幹線路線・リニア中央新幹線 36
 未着工区間のフラストレーション 36
 「リニア」はどこまで「新幹線」か? 38
 ポスト整備新幹線と時間軸 40

【コラム】善光寺の御開帳と長野 42

第2章 新幹線をめぐる議論と混迷 44
(1)新幹線に関する論点 44
 「巨大な条件変更」 44
 新幹線が変えるもの:「頭の中の地図」と「イメージ」 49
 「新幹線効果」と「開業効果」 53
 「新幹線」のイメージと世界観 59
 あらざるを憂えず、等しからざるを憂う 63
 乗り換えと速達性、駅舎の位置 68
(2)新幹線をめぐる議論の混乱と整理 72
 「終着駅効果」の虚実 72
 「新幹線駅前」の呪縛 76
 駅は誰のものか? 81
 新幹線を「利用する人」「利用しない人」 85
 「格差発生装置」としての新幹線 88
 「地域の“壁″発見器」としての新幹線 91
 弘前は「沿線」か? 95

【コラム】駅名と経由地 98

第3章 未来に向けて  101
 「触媒」としての新幹線:最良の新幹線対策は最善のまちづくり 101
 「何もない駅前」から生まれるもの 105
 「最大の新幹線効果」としての「人・仕組みづくり」 109
 「ミスター新幹線」の意味 112
 新幹線効果からMaasの向こうへ 116
 「起爆剤」とイノベーション、効果の検証 119
 必要条件と十分条件 123
 人口減少社会と「行ったり来たり社会」 125
 新幹線と言葉の作法 129
 「絶えざる最適化」と時間のスケール 133
 「新幹線時代」にどう向き合うか 135

あとがき 138
参考文献 142
撮影日:
撮影場所:
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