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No.4607 【鉄道博物館】ナデ6141が国の重要文化財に指定へ
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2017-03-10 18:45:40
鉄道博物館
THERAILWAYMUSEUM
                           2017年3月8日
                           鉄 道 博 物 館

     鉄道博物館収蔵のナデ 6110形式 6141号電車が
         国の重要文化財指定へ



○当館で収蔵するナデ6110形式6141号電車が、文化庁の文化審議会答申(2017(平成29)年3月10日)を受け、国の重要文化財(美術工芸品)に指定される運びとなりました。(正式な重要文化財の指定は、官報に掲載後となります。)

○当館で収蔵する国の重要文化財は、1号機関車(150形式)【1997(平成9)年指定】、鉄道古文書(明治時代の鉄道創業期の鉄道建設・運営に関わる公文書群)、1号御料車(初代)【いずれも2003(平成15)年指定】に次いで、4件目になります。

○また、本指定は、鉄道用電気車両(電車)としては、「日本初の地下鉄車両1001号電車」とともに、初の重要文化財指定となります。


〔ナデ 6141の概要〕
■製造年 1914(大正 3)年
■製造所 鉄道院新橋工場
■全 長 約16m
■定 員 92名
■特 徴
○鉄道院最初のボギー電車(車体の前後に 2軸の台車を装着した車両)として 1909(明治42)年に製造されたホデ 6100形式の改良タイプで、ボギー電車では現存する最古の車両です。
○都市近郊における鉄道郵送の.要増大に対応するため、鉄道院で初の3扉車であるとともに、統括制御装置を本格的に導入し、重連運転を可能とした点が最大の特徴です。
○本電車は、 1925(大正14)年に私鉄(目黒蒲田電鉄・現東急電鉄)に払い下げられたのち、 1972(昭和47)年に国鉄へ返還され、大井工場で復原工事が実施されました。同年、鉄道記念物に指定されました。その後、 JR東日本東京総合車両センターで展示のための復原工事が実施され、 2007(平成19)年の開館時から展示しております。


(参考資料)ナデ 6110形式電車について

○概要
 ナデ6110形式電車は、山手線、中央線で使用するために 1911(明治44)年から製造された電車で、当時、急速に増加しつつあった通勤・通学客を輸送するため、それまでの4輪単車に代わり、前後にそれぞれ2本の車軸を持つボギー台車を採用しています。全長は約16mと、当時としては大形の車両でした。木造の車体はロングシートや片側3扉の乗降口をそなえてスムーズな乗降を実現し、複数の電車を1ヶ所の運転台によって編成単位で制御できる総括制御方式を採用するなど、今日の国鉄・JR電車の通勤形の原型となった設備をそなえていました。
 ナデ6141号は、1914(大正3)年に鉄道院新橋工場で製造され、国有鉄道の電車としては最も初期に登場したグループのうちの1両です。中央本線や山手線の電車区間で使用されたのち、1925(同14)年以降は私鉄で用いられ、目黒蒲田電鉄、芝浦製作所、鶴見臨港鉄道と移籍を繰り返し、同鉄道が国有化されたことにともない再び国鉄へ復帰しました。その後1950(昭和 25)年には茨城県の日立電鉄に移り、長く使用されています。 
 1972(同47)年には、鉄道開業100年を記念して、電車としては初めて鉄道記念物に指定され、復原工事をへて翌年に国鉄大井工場にて公開されました。2007(平成19)年の鉄道博物館開館にともない、 JR東日本東京総合車両センターから当館へ移され、ヒストリーゾーンで保存・展示されております。

○ナデ 6110形式ナデ 6141号履歴
1914(大正 3)年 3月 31日 鉄道院新橋工場で製造
1914(大正 3)年 8月 29日 デハ 6293に改番 (デハ 6285形式)
1925(大正14)年 1月   目黒蒲田電鉄 (現・東京急行電鉄)に譲渡、
            モハ41となる (40形)
1930(昭和 5)年 3月   芝浦製作所に譲渡、
            工場の牽引車として事業用に使用(モハ41) 
1930(昭和 5)年末    鶴見臨港鉄道 (現・JR東日本鶴見線)に譲渡、
            モハ202となる (200形)
1940(昭和15)年     モハ142に改番(140形)
1943(昭和18)年 7月 1日 鶴見臨港鉄道国有化により国鉄に編入、
            モハ142となる(形式番号変わらず)
1950(昭和25)年 7月30日 日立電鉄(廃止)に譲渡、モハ101となる (モハ101形)
1964(昭和39)年12月23日 デワ101に改番(電動貨車化)
1972(昭和47)年 3月   国鉄へ返還決定
1972(昭和47)年 8月   国鉄大井工場で復元・整備工事開始
1972(昭和47)年10月14日 鉄道記念物に指定
1973(昭和48)年10月12日 復元工事完成し大井工場で静態保存
1987(昭和62)年 8月   パンタグラフを併設し動態化、大井工場構内で走行 
2007(平成19)年10月14日 鉄道博物館に保存、展示

○おもな諸元
軌  間 1067o
電気方式 電圧:直流600V 集電方式:架空線式/ポール集電装置 (2本)
主要寸法 最大長:15977o 最大幅:2553o 最大高さ:3651o
自  重 35.5t
定  員 92人(座席48人、吊手44人)
座席配置 縦(ロングシート)

※沢柳健一・高砂雍郎編『旧型国電車両台帳 院電編』2006年ジェー・アール・アール、鉄道友の会『院電ナデ6141号電車調査報告書』2017年などをもとに作成しました。
撮影日:
撮影場所:
キャプション:
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