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No.4211 (Re:4207) 旅のヒント:シティナイトラインで楽しむドイツとイタリアの旅
ほりうち(ccbu8181) 2016-07-01 15:06:28

旅のヒント

 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。

 シティナイトラインで楽しむドイツとイタリアの旅
 〜運行サービス停止前に夜行列車で旅しよう

 今月号の旅のヒントは、2016年12月にそのサービスを停止することが決まっている夜行列車シティナイトライン(CNL)に2回乗車し、ドイツとイタリアの人気都市と小さな古都をめぐります。ドイツ・ハンブルクと周辺の古都をめぐり、CNLでミュンヘンへ。ロマンチック街道沿いの古都を観光したら、CNLでイタリア・フィレンツェへ。さらに高速列車フレッチャロッサでローマへと移動し、イタリア人気の2都市を巡ります。<画像=シティナイトライン普通寝台(ダブル)>>。

旅程(1):

1日目
 日本からヨーロッパの都市を経由するなどしてハンブルクへ。着後、ホテルへ。
 【ハンブルク泊】

2日目
 朝食後、ハンブルク中央駅からRE でメルン駅へ(所要約1時間1分)。メルン市街地散策後、RE でリューベックへ(約30分)。古都散策後、リューベック中央駅からRE またはEC でハンブルク中央駅へ(約43分)。
 【ハンブルク泊】

3日目
 朝食後、ハンブルク市内散策。夜、ハンブルク中央駅発のCNL でミュンヘンへ(約11時間28分)。
 【CNL 車中泊】

4日目
 翌朝、ミュンヘン中央駅に到着後、市内散策。
 【ミュンヘン泊】

5日目
 朝食後、列車でロマンチック街道沿いのアウグスブルクへ(約31分)。午後はIC でニュルンベルクへ(約1時間13分)。市内散策後、夕方、ICE でミュンヘンへ(約1時間2分)。21時頃ミュンヘン中央駅発のCNL でフィレンツェへ(約8時間59分)。
 【CNL 車中泊】

6日目
 朝、フィレンツェ着後、市内散策。
 【フィレンツェ泊】

7日目
 出発までフィレンツェ散策。フィレンツェSMN 駅からフレッチャロッサでローマ・テルミニ駅へ(約1時間31分)。
 【ローマ泊】

8日目
 終日、ローマ市内散策。
 【ローマ泊】

9日目
 出発までローマ市内散策。ローマから、ヨーロッパの都市を経由して日本へ。



旅のポイント:

  ハンブルクを起点にローカル列車で
  メルンとリューベックへ


 ハンブルク中央駅には、バスや地下鉄、タクシーなどの公共交通機関が乗り入れ、駅構内には荷物用のロッカーはもちろん、郵便局や観光案内所、キヨスク、ショップやブティック、カフェやレストラン、パン屋、ファーストフード店などが並びます。駅のチケット窓口は時間帯によってはとても混雑しますので、早めの行動を心がけることをおすすめします。
 ドイツ到着の翌日は、ハンブルク周辺の古都を訪れます。朝、ハンブルク中央駅からリージョナルエクスプレス(RE)に乗ってメルン(Molln)駅へ。途中、Buchen駅で乗り換えがあります。シュタット湖やシュール湖などの湖畔の町メルンは中世の街並みが残され、保養地としても知られています。なによりも、伝説の道化師ティル・オイレンシュピーゲルゆかりの地としてドイツでは大変有名です。ティルのおどけた姿の像やオイレンシュピーゲル博物館、ティルをモチーフにした様々なサインなどを目にすることでしょう。ティルは14世紀の道化師とされますが、実在したかは不明だそう。駅からはハウプト通りを北東の方へ歩いてマルクト広場へ。このあたりに見どころが集中しています。ザンクト・ニコライ教会にはティルの墓標があり、旧市庁舎にはメルン博物館があります。
 午後は、メルン駅からREに乗って約30分、世界遺産にも登録され、ハンザ同盟で栄えた古都リューベックへ。リューベック中央駅から東へと歩き2つの塔からなる15世紀建造のホルステン門を通って、トラヴェ川とトラヴェ運河に囲まれた旧市街へ。マルクト広場には、この町を特徴づける黒レンガ造りで、今も13〜14世紀のハンザ同盟時代の扉が残されている市庁舎があり、またマリエン教会、カタリーネン教会なども。リューベック名物でもあるマジパン(アーモンドの粉で作ったお菓子)はお土産に最適です。

 シティナイトライン、3人用寝台も
  1等デラックス寝台でちょっと贅沢に


 3日目は、ハンブルク市街地を散策です。ハンブルク中央駅の西側に広がる市街地では、市庁舎広場周辺や赤レンガ倉庫が並ぶ倉庫街を散策したり、ドイツ最大規模のハンブルク市立美術館やこの町出身の作曲家ブラームスの博物館を訪れたり。遊覧船でハンブルク港巡りもいいかもしれません。この日の夜はミュンヘンへと夜行列車で移動します。20時01分発のシティナイトラインに乗ると、翌朝、7時29分にミュンヘンに到着します。
 夜行列車シティナイトライン(CNL)は、ドイツ、イタリア、スイス、オーストリア、チェコ、オランダといった国々の主要都市を結んでいます。寝台/座席のタイプは、デラックス寝台と普通寝台、クシェット(簡易寝台)、リクライニングシートがあります。デラックス寝台はシャワーとトイレを完備し、普通寝台は洗面台を備えます。どちらの寝台にも3人対応のコンパートメントがあり、また朝食が含まれます。クシェットにはもともと6台の簡易ベッドが備えていますが、より快適なスペースを確保してもらうため、現在は最大5人までの利用となっています。車内乗務員からスナックや軽食、ドリンク類を購入することもできます。
 レイルヨーロッパ公式サイトには、シティナイトラインの車内設備とサービスのほか、お客様からのレビュー&評価、さらには夜行列車内を撮影した紹介ビデオも画像とともに掲載しています!

街道沿いのアウグスブルク、ニュルンベルクへはICEとICで

 朝、ミュンヘン中央駅に到着したら、早速、市内観光へ。市内のおすすめ観光スポット情報やマップ、主要鉄道駅情報はこちらから。数々の美術館(ノイエ・ピナコテークとモダン・ピナコテーク、レーンバッハギャラリーなど)は見ごたえあります。オペラ好きはバイエルン州立歌劇場で、真夏以外は基本的にオペラ上演が行われていますので、スケジュールをチェックしてみてください。
 5日目はロマンチック街道沿い最大の町であり2000年の歴史を誇る古都アウグスブルクへ。ミュンヘン中央駅からICEに乗って約31分でアウグスブルク中央駅に到着です。駅前から15分ほど歩けば、町の中心部、市庁舎広場にたどり着きます。ルネッサンス様式の市庁舎と隣接するペルラッハの塔、フッガーハウスや救済院フッゲライ、ルターゆかりの聖アンナ教会、14世紀建造の大聖堂、そしてモーツァルトの生家(モーツァルトハウス)など、様々な見どころがあります。
 お昼頃、IC に乗ってさらに北上し、約1時間13分でニュルンベルク中央駅に到着です。同駅前に旧市街を取り巻く城壁があり、駅の近くにあるケーニヒ門を通って旧市街へと進みましょう。"職人"手作りの工芸品などを売る職人広場を通って、旧市街を東西に流れるペグニッツ川を越えると中央広場。周辺にはフラウエン教会、旧市庁舎、聖セバルドゥス教会があり、さらに北へ進むと中世の城カイザーブルク、画家デューラーの家(作品や生活の様子を展示)など、見どころが集中しています。また、ニュルンベルクは、クリスマスマーケットの町としてとても有名。国内外から多くの観光客が訪れます。ニュルンベルク中央駅からはICE に乗って約1時間2分でミュンヘン中央駅に到着です。

 CNLでフィレンツェへ
  ローマへはフレッチャロッサで1時間31分!


 ミュンヘン中央駅から夜行列車シティナイトライン(CNL)に乗って国境を超えイタリア・フィレンツェへ。フィレンツェ・サンタマリア・ノヴェーラ駅には、翌朝6時過ぎに到着します。レイルヨーロッパ公式ウェブサイトでは、フィレンツェのおすすめ観光スポット、マップ、フィレンツェ市内の主要駅の駅構内サービスや公共交通機関との接続などの情報を紹介しています。美術好きには時間がいくらあっても足りないくらいかもしれませんが、ピサの斜塔をぜひ見たい方は、フィレンツェ滞在中にピサへ行くのもいいかもしれません。フィレンツェ〜ピサ間は、フレッチャビアンカで約44分でアクセス可能です。
 翌日午後、フィレンツェ・サンタマリア・ノヴェーラ駅から高速列車フレッチャロッサに乗って約1時間31分でローマ・テルミニ駅に到着します。ローマ市内のおすすめ観光スポット情報、マップ、ローマ市内に点在する主要駅の詳細情報(駅でのサービス、公共交通機関との接続など)が都市情報ローマで紹介されています。シティナイトラインが発着するローマ・テルミニ駅の情報も。
 帰国は、ローマのレオナルド・ダ・ヴィンチ(フィウミチーノ)空港から。レイルヨーロッパ公式サイトには、ヨーロッパの主要空港へのアクセス、交通情報、直結する鉄道駅情報なども満載です。ぜひご覧ください。


 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。


鉄道パス&チケット

・鉄道パス:ジャーマンレイルパス(1カ月の有効期間内に通用日4日間)

・パスホルダー料金による寝台指定券:シティナイトライン(ハンブルク中央駅⇒ミュンヘン中央駅)、シティナイトライン(ミュンヘン中央駅⇒フィレンツェSMN駅)

・鉄道チケット(区間乗車券):フレッチャロッサ(フィレンツェSMN駅⇒ローマ・テルミニ駅)

・ハンブルク〜ミュンヘン間のシティナイトライン乗車に際しては、19時ルールが適用されますので、翌日の日付をパスに記入します。この際、夜行列車の到着日がパスの有効期間内であることが条件となります。ただし、ミュンヘン〜フィレンツェ間に乗車の際は、夜行列車利用日に、ほかの列車に乗りますので、日程の5日目と6日目の2日間、パスを使用することになります。


Tips & インフォメーション
・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。

・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますの
で、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。

・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。

・ドイツ観光局公式サイト⇒ http://www.visit-germany.jp/

・イタリア政府観光局公式サイト⇒ http://visitaly.jp/


撮影日:
撮影場所:
キャプション: シティナイトライン普通寝台(ダブル)
画像サイズ: 304×200(原寸表示)