ほりうち(ccbu8181) 2016-04-02 21:04:54 |
旅のヒント 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。 マルセイユとリヨンを拠点に周辺の町を巡る鉄道の旅 (カルカッソンヌ、ペルピニャン、ブール・カン・ブレス、ペルージュ) 今月号の旅のヒントは、6〜7月にかけで開かれるサッカーの大会UEFA欧州選手権の開催都市(パリ、サン・ドニ、ボルドー、ランス、リール、リヨン、マルセイユ、ニース、サン・テティエンヌ、トゥールーズ)の中から、マルセイユとリヨンを起点に巡る旅を紹介します。サッカーファンでも、サッカーファンでなくても、この2都市は多くの人が一度は訪れたいと思うフランスの町の1つではないでしょうか。 マルセイユからは、ヨーロッパ最大規模の城塞都市カルカッソンヌ(世界遺産)とスペインの香りが今も残されたペルピニャンを訪れます。また、リヨンからは最高級ブレス鶏で知られたブール・カン・ブレス、そしてフランスで最も美しい村にも登録されるペルージュを訪ねます。<画像=TER((C)Enzojz)>。 旅程(1): 1日目 マルセイユを散策、ランチ後、マルセイユ・サン・シャルル駅からアンテルシテに乗ってカルカッソンヌへ(所要約3時間11分)。夜、ライトアップされるカルカッソンヌの城塞へ。 【カルカッソンヌ泊】 2日目 終日、カルカッソンヌの城塞都市を散策。 【カルカッソンヌ泊】 3日目 朝、カルカッソンヌ駅からTERに乗ってペルピニャンへ(所要約1時間33分)。ペルピニャン市内を散策。 旅のポイント: アンテルシテに乗って マルセイユから城塞都市カルカッソンヌへ マルセイユは、パリ・シャルル・ド・ゴール空港に直結する鉄道駅から高速列車TGVに乗って約3時間45分。乗り換えなしに移動できます。6〜7月にかけて開かれるサッカーの大会「UEFA欧州選手権2016」はフランス10都市で開催されます。マルセイユはその都市の1つですが、例えば、パリからニースやトゥールーズ、リヨンなどへもTGVに乗ると直通でアクセスできます。 マルセイユの主要駅は、町の中心部ナルビク広場に位置するマルセイユ・サン・シャルル駅です。パリ〜マルセイユ線のTGVの終着駅であり、プロヴァンス地方へと出かける際のほとんどの在来線は、このマルセイユ・サン・シャルル駅から発車します。 マルセイユ・サン・シャルル駅から徒歩で旧市街のパニエ地区へ。細く入り組んだ路地を歩き、旧港にある魚市場にも立ち寄り、下町の雰囲気をお楽しみ下さい。サン・ニコラ要塞、丘の上に建つノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂も訪れたい観光ポイント。聖堂のある丘から眺める紺碧の地中海と旧港の風景は誰でも心を奪われるはず。かつて監獄だったイフ城へは遊覧船でアクセスできます。ここは、アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』の中でも主人公ダンテスが無実の罪で捕らわれた監獄として登場します。 マルセイユで潮風を感じながら、ブイヤベースのランチを堪能したら、マルセイユ・サン・シャルル駅からアンテルシテに乗ってカルカッソンヌ駅へ(所要約3時間11分)。カルカッソンヌは、ヨーロッパ最大規模の城塞が完璧な状態で残されています。駅からは路線バスもありますが、歩いてまずは城外の下町バスティード・サン・ルイへ。オード川の右岸には、カルカッソンヌの城塞シテの城壁が見えるはず。川を渡り、シテへ。シテの中は、まさに中世の世界を切り取ったような空間。路地を巡り、11〜13世紀頃に建造されたというコンタル城を訪れ、周りをぐるりと囲む城壁は歩くことができます。地域の特産品や雑貨を売るショップ、カフェやレストランに立ち寄り、一休み。じっくりと歴史的城塞都市(世界遺産)を散策しましょう。 カルカッソンヌからTERに乗って スペインの雰囲気たっぷりのペルピニャンへ カルカッソンヌ駅からTERに乗って、途中ナルボンヌで乗り換えてペルピニャンへ。所要時間は約1時間33分(乗り換え時間含む)でアクセスできます。ペルピニャンはかつてスペイン領だった町。このため、スペイン・カタロニア地方の雰囲気が残された町です。ペルピニャン駅からは徒歩20分あまりで旧市街の中心にあるラ・ロージュ広場に行くことができるはず。市庁舎やサン・ジャン大聖堂、少し離れたバスウンガ沿いに赤レンガのカスティエ門があります。旧市街の南側の高台にあるのがマジョルク王宮。13世紀に建造された星形の城塞で、ここから遠望するピレネー山脈や、あるいは地中海は最高で、オレンジ色の屋根の家並みとのコントラストが素敵です。 カルカッソンヌからは、アンテルシテやTERに乗れば、開催都市の1つであるトゥールーズまでは乗り換えなしに、40〜60分程でアクセスできます。 ペルピニャンからマルセイユへは、TERで約3時間53分、パリ・シャルル・ド・ゴール空港へはTERとTGVを乗り継いで約6時間43分〜7時間43分かかります。 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。 鉄道パス&チケット ・チケット(区間乗車券):アンテルシテ(マルセイユ・サン・シャルル駅⇒カルカッソンヌ駅)、TER(カルカッソンヌ⇒ペルピニャン駅) 旅程(2): 1日目 朝、リヨン・パールデュー駅からTERでブール・カン・ブレス駅へ(所要約1時間9分)。着後、市内散策。夜は名物フランス最高の鶏料理で。 【ブール・カン・ブレス泊】 2日目 朝、ブール・カン・ブレス駅からTERに乗ってメクシミー・ペルージュ駅へ(約31分)。着後、「フランスで最も美しい村」を散策。 旅のポイント: 美食の旅、リヨンからTERでブール・カン・ブレスへ TERに乗って「フランスの最も美しい村」ペルージュへ ローヌ・アルプ地方の中心都市リヨンは美食の町であり、世界遺産「リヨン歴史地区」である旧市街の散策が楽しめます。リヨンには、主要駅として、高速列車などが発着するリヨン・パール・デュー駅と、市街地により近いリヨン・ペラーシュ駅があります。パール・デュー駅から市街地へはメトロを使うと便利です。 町の中心は、ソーヌとローヌという2つの川に挟まれた新市街にあるベルクール広場。さらに北へと歩くと、リヨン美術館があります。17世紀には修道院だった建物がとても印象的。藤田嗣治をはじめ、モネやルノワール、ロダンらの作品が楽しめます。ソーヌ川を渡ると旧市街。サン・ポール教会やガダニュ博物館、サン・ジャン大司教教会、フルヴィエールの丘にある同じ名前の美術館やガロ・ロマン博物館、ローマ劇場など見所は尽きません。旧市街のサン・ジャン広場付近からケーブルカーに乗って丘の上へと行くこともできます。 リヨン・パール・デュー駅からTERに乗って1時間9分(時間帯によっては39分)でブール・カン・ブレス駅に到着です。ここは、フランスでも最高級の鶏、「ブレス鶏」で知られています。ぜひご賞味を。この町でもう1つ有名なのが、ブルー王立修道院です。市街地中心部から徒歩15分あまりでブルー修道院へとたどり着きます。16世紀初期に建造されたフランボワイヤン・ゴシック様式の傑作とされ、墓碑は圧倒されるほどの美しい装飾が施され、彫像や祭壇画など見所がたくさんあります。また、併設する美術館では15世紀のフランドル派の彫刻が多数展示されています。 翌日は、ブール・カン・ブレス駅からTERに乗ってわずか30〜50分で、「フランスの最も美しい村」にも登録されているペルージュへ。下車駅はメクシミー・ペルージュ駅です。かつて城壁に囲まれていた町には15〜16世紀の古い町並みが残され、石畳と石造りの建物に中世らしい雰囲気を感じることでしょう。村へは下の門と上の門から入ることができます。駅に近いのは下の門。上の門の側にあるサント・マリー・マドレーヌ教会、市の広場の角にある古ペルージュ博物館などは、ぜひとも訪れたい場所です。べルージュには現在、芸術家が多く暮らし、味に定評のあるレストランも少なくありません。ペルージュ名物のガレットもお忘れなく。 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。 鉄道パス&チケット ・チケット(区間乗車券):TER(リヨン・パーデュー駅⇒ブール・カン・ブレス駅)、TER(ブール・カン・ブレス駅⇒メクシミー・ペルージュ駅) Tips & インフォメーション ・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。 ・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。 ・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。 ・フランス観光開発機構公式サイト ⇒ http://jp.franceguide.com/ |
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