ほりうち(ccbu8181) 2015-11-01 17:20:39 |
旅のヒント 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。 ロンドンを起点に文学を旅しよう アガサ・クリスティとシェークスピアを訪ねて 英国を旅するのに便利な「ブリットレイル」の3種類の鉄道パスが11月からキャンペーンで20%割引きとなります。今回の旅のヒントは、ロンドンを起点に1泊2日で巡る小旅行をご紹介します。ロンドン滞在中に郊外や地方をお楽しみください。1つ目の旅は、シェークスピアの故郷ストラトフォード・アポン・エイボンを訪れ、その後ダーウィンの故郷シュルーズベリーを巡ってロンドンに戻るルートです。2つ目のプランは、ロンドンから南西部のトーキーを訪れます。ここはアガサ・クリスティがよく過ごした場所で、アガサ作品の多くの舞台にも成っています。海岸沿いを蒸気機関車で走ったり、ウォーキングを楽しんだり。アガサ・クリスティファンでなくとも楽しめるルートです。<画像=ヴァージントレインズ((C)Darren Hedge)>。 旅程(1): 1日目 朝食後、ロンドン・メリルボーン駅からチルターンレイルウェイズでストラトフォード・アポン・エイボンへ(所要約2時間30分)。着後、市内散策。 ストラトフォード・アポン・エイボン泊 2日目 朝、ストラトフォード・アポン・エイボン駅からロンドンミッドランドで、シュルーズベリー駅へ(約約2時間16分)。市内散策。夕方の便でロンドンへ(約2時間42分)。 旅のポイント: シェークスピアとダーウィン縁の地を訪ねる ストラトフォード・アポン・エイボン&シュルーズベリー ロンドン滞在中に2泊3日で、シェークスピアとダーウィン縁の町へと出かけましょう。レイルヨーロッパ公式サイトでは、ロンドンのおすすめ観光スポット情報やマップ、主要鉄道駅情報を提供しています。また、ロンドン市街地の主要な鉄道駅についても紹介しています。 朝、ロンドン・メリルボーン駅から、チルターンレイルウェイズに乗って約2時間30分で、ストラトフォード・アポン・エイボン駅に到着です。途中、バーミンガム・ムーア・ストリート駅でロンドンミッドランドの列車への乗り換えがあります。ロンドン〜ストラトフォード・アポン・エイボン間を列車で移動する際、1回または2回の乗り換えがあり、所要時間は2時間前後から、3時間かかる場合があります。 ウィリアム・シェークスピア(1564〜1616年)の故郷ストラトフォード・アポン・エイボン。下車する駅は、町の西側に位置しています。散策が楽しくなる絵になる町並みとエイボン川のせせらぎが、この町を特徴づけています。シェークスピアの生家はもちろん、彼が授業を受けたグラマースクール、シェークスピアが眠るホーリー・トリニティー教会の墓地、妻アンの実家アン・ハザウェイの家などゆかりの地が多く残されています。夜はロイヤル・シェークスピア劇団(RSC)の公演を楽しむのもいいかもしれません。 翌日は、進化論で知られたダーウィンの故郷シュルーズベリーを訪れましょう。ストラトフォード・アポン・エイボン駅からロンドンミッドランドに乗って、シュルーズベリー駅までは約2時間16分。途中、Smethwick Galton Bridge駅でアリヴァトレイン・ウェールズの列車に乗り換えがあります。 チューダー王朝様式の家並みが残された町シュルーズベリーは、駅前に町の見どころが集中しています。11世紀建設のシュルズベリー城(シュロプシャー連隊博物館)、直ぐ側の図書館に前にはダーウィン像があります。また、推理小説『修道士カドフェル』(エリス・ピーターズ作)の舞台ともなったシュルーズベリー修道院や、16世紀の商人の家を改装したシュルーズベリー博物館など。少し郊外へと出れば、13世紀に建てられ、保存状態が極めて良いといわれるストークセイ城、さらに世界遺産にも登録されるアーチ型の鉄橋も。白壁と黒い梁の家並みと石畳の町シュルーズベリーの散策を楽しんだら、夕方、ロンドンへ。シュルーズベリー駅からアリヴァトレインズに乗り、途中、バーミンガム・ニューストリート駅でヴァージントレインズに乗り換えて、ロンドン・ユーストン駅へ。所要時間は乗り換え時間を入れて約2時間42分です。もう1泊してシュルーズベリー郊外の世界遺産などを訪れるのもいいかもしれません。 また、この日程はロンドン発着で2つの町を巡ります。初日はロンドン・メリルボーン駅を利用し、翌日はロンドン・ユーストン駅に到着します。異なる駅となりますので、ご注意ください。 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。 鉄道パス&チケット ・区間乗車券(チケット):チルターンレイルウェイズ(ロンドン・メリルボーン駅⇒ストラトフォード・アポン・エイボン駅)、ロンドンミッドランド(ストラトフォード・アポン・エイボン駅⇒シュルーズベリー駅)、アリヴァトレインズ・ウェールズ(シュルーズベリー駅⇒ロンドン・ユーストン駅) 旅程(2): 1日目 朝食後、ロンドン・パディントン駅からトーキー駅へ(所要約3時間16分)。途中、ニュートン・アボットで乗り換え、または直行便。着後、トーキー市内散策。 トーキー泊 2日目 朝、トーキー駅から列車でペイトン駅へ(約10分)。蒸気機関車でキングスウェアへ。夕方、トーキーからロンドンへ(所要約3時間16分)。 旅のポイント アガサ・クリスティ縁の地トーキーへ アガサ・クリスティが生まれ育った町、イギリス南西部の海岸沿いにある港町トーキーへと出かけましょう。ロンドン・パディントン駅からグレートウェスタンレイルウェイズに乗って、ニュートン・アボット駅へ。ここで列車を乗り換えて、トーキー駅で下車します。所要時間は約25分の乗り換え時間をあわせて約3時間16分です。ロンドン〜トーキー間は列車によっては約2時間46分でアクセスできるほか、直行便も運行されています。 アガサ・クリスティーはトーキーの上流階級の家に生まれ、最初の夫アーチー・クリスティーと結婚するまでここで暮らしました。トーキー駅の直ぐ側にある白い壁が印象的なグランドホテルは、アガサが新婚旅行中に滞在した海辺の豪華ホテル。宿泊した部屋は「クリスティスイート」として残されています。もちろん、宿泊できます。 駅から徒歩20分ほどのトア・アベイにはアガサの愛用品のタイプライターなどが展示されています。さらに、トーキー博物館にもアガサ・クリスティー常設展があります。『ABC殺人事件』にも登場するプリンセス・ガーデンは、アガサがよく散歩した公園だそう。アガサ自身がダンスパーティを楽しんだというインペリアル・ホテルは、ミス・マープルが活躍する『スリーピング・マーダー』に登場します。トーキーのあるデボン地方は濃厚なクロテッドクリームが有名。スコーンにいちごジャムとクロテッドクリームをたっぷりとつけて食べてみてください。クロテッドクリームはアガサも大好きだったそうです。 また、トーキー駅から西へ歩いて30分ほどで、コッキントン村です。可愛らしい絵本に出てくるような茅葺き屋根の民家が集まり、アガサも気分転換に馬に乗ってやってきた村だったようです。さらに、ミス・マープルのクラスセント・メアリー・ミード村のモデルになった村とも言われています。 隣町のペイトンまで10分ほど列車で移動し、そこから海岸沿いを走る蒸気機関車(ダートマス蒸気機関車&リバーボート)に乗ります。この蒸気機関車はアガサ作品のなかでも人気の名探偵ポアロの『ABC殺人事件』に登場し、車窓の眺めの美しい描写がなされています。イングリッシュ・リビエラと呼ばれるこの辺りの風景をお楽しみください。約20分でグリーンウェイ駅に到着です。ここから歩いて30〜40分でアガサ・クリスティの別荘「グリーウェイ」(ナショナル・トラスト)です。アガサが世界でもっとも愛しい場所と称し、ここで数多くの小説が誕生しました。寝室や書斎、応接間、メインホールなどが一般公開されています。 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。 鉄道パス&チケット ・区間乗車券(チケット):グレートウェスタンレイルウェイズ(ロンドン・パディントン駅⇒トーキー駅)、グレートウェスタンレイルウェイズ(トーキー駅⇒ロンドン・パディントン駅) ・蒸気機関車は保存鉄道です。現地でチケットをお求めください。 Tips & インフォメーション ・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。 ・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。 ・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。 ・ペイトン〜キングスウェア間を走る蒸気機関車の運行日などは公式サイトでご確認ください。 http://www.dartmouthrailriver.co.uk/homepage ・アガサの別荘「グリーウェイ」の開館日などは、公式サイトでご確認ください。 http://www.nationaltrust.org.uk/greenway/ ・英国政府観光庁 ⇒ http://www.visitbritain.com/ja/JP/ |
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