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No.3489 (Re:3485) 旅のヒント:ヨーロッパ横断チョコレート食べ歩きの旅
ほりうち(ccbu8181) 2014-12-31 21:32:02

旅のヒント

 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。


ヨーロッパ横断チョコレート食べ歩きの旅
 ウィーン、グラーツ、ケルン、ブリュッセル、ブルージュ、パリ、ランス


弊社が毎月配信する「ヨーロッパ鉄道メールマガジン11月号」で、「ヨーロッパ旅行をするなら、誰とどのような旅をしたいですか?」という質問に対し、「家内とブリュッセルでチョコレートの食べ歩きしたい」というコメントをお寄せいただきました。
 今月号の旅のヒントでは、ヨーロッパを鉄道で横断するチョコレート食べ歩きの旅をご紹介します。訪れる町はウィーン、グラーツ、ケルン、ブリュッセル、ブルージュ、パリ、そしてランスです。
 11月号の旅のヒントでは、ウィーンで旅を終えました。そこで、今月号ではウィーンから旅を始めます。ハプスブルク家の栄華を今に残すウィーンとグラーツでチョコレートの食べ歩きを楽しんだら、オーストリア国際夜行列車(=ユーロナイト)でドイツ・ケルンへ。世界遺産の町ケルンでは市街地散策とチョコレート博物館を訪れ、高速列車ICEまたはタリスでベルギー・ブリュッセルへ。世界遺産の古都ブルージュにも足を延ばし、ベルギーチョコ三昧です。その後、タリスでパリへと南下します。パリでもチョコレートやスイーツを存分に楽しみ、パリから日帰りでシャンパンの本場ランスへ出かけます。<画像=ザッハトルテ。ホテル・ザッハのカフェにて((c) NoriM)>
 ご乗車の際には、2015年の最新の時刻表をご確認ください。

 なお、「旅のポイント」では、訪れる都市の観光情報をはじめ、利用する空港や鉄道駅の構内設備や構内図、アクセスや交通情報などについて、弊社公式サイトの各ページにリンクしていますので、そちらも併せてご覧ください。


 旅程

1日目
 日本から、ヨーロッパの都市を経由するなどしてウィーンへ。着後、ホテルへ。
 ウィーン泊

2日目
 朝、ウィーン中央駅からECでグラーツ中央駅へ(所要約2時間30分)。市内散策。
 ウィーン泊

3日目
 出発まで、ウィーン市内散策。チョコレート食べ歩き。ウィーン中央駅21:41発のENでドイツ・ケルン中央駅へ(約10時間53分)。
 車中泊

4日目
 朝、ケルン到着。市内散策。チョコレート博物館へ。夕方、タリスまたはICEでブリュッセル南駅へ(約1時間50分)。
 ブリュッセル泊

5日目
 終日、ブリュッセル市内散策。チョコレート食べ歩き。
 ブリュッセル泊

6日目
 朝、ブリュッセル南駅からECでブルージュへ(約1時間1分)。旧市街散策。
 ブリュッセル泊

7日目
 朝、タリスでパリへ(約1時間22分)。市内散策、チョコレート食べ歩き。
 パリ泊

8日目
 朝、パリ東駅からTGVでランスへ(約45分)。ランス市内散策。老舗チョコレート店へ。
 パリ泊

9日目
 出発まで、パリ市内散策。シャルル・ド・ゴール空港から日本へ。
 機内泊

10日目
 日本着。


 旅のポイント:

ウィーンから夜行列車でケルンへ、
 寝台は朝食付き

 ウィーン国際空港からウィーン市街地へは、シティ・エアポート・トレイン(CAT)やSバーン、リムジンバスなどでアクセスできます。ウィーンにも有名なチョコレート店はたくさんあります。たとえば、デーメルやヴィーナー・ショコラーデ・ケーニッヒなどです。ザッハトルテで有名なホテル・ザッハのカフェで、ゆっくりとコーヒーとザッハトルテをおともに午後のお茶を楽しんではいかがでしょう。世界遺産にも登録されるウィーン歴史地区観光も忘れずに。シュテファン大聖堂やオペラハウスなどは、ホテル・ザッハからも至近です。
 2日目は、ウィーン中央駅からユーロシティ(EC)に乗って約2時間30分のグラーツへ。時計塔の町とも呼ばれるグラーツは14世紀、ハプスブルク家の居城都市として栄えました。グラーツでは、ゾッターのチョコレートはいかがでしょう。パッケージがとてもオシャレで、フレーバーがとても豊富。フェアトレードとオーガニックにこだわったチョコレートです。町の中心は中央広場と市庁舎。中世の頃、王宮教会だった聖堂などにも立ち寄って。堅固な城塞シュロスベルクには、この町のシンボルでもある古い時計塔があり、その横には展望カフェも併設されています。
 翌日は終日ウィーン市内を散策したら、夜行列車に乗ってドイツ・ケルンへと移動します。ウィーン中央駅を21時41分発のオーストリア国際夜行列車(=ユーロナイト、EN420)に乗ると、ケルン中央駅には翌朝8時42分に到着します。ケルン到着前には、ライン川沿いの路線を走りますので、お見逃しなく。
 シャワーとトイレ、洗面台を備えるデラックス寝台は基本的に2人用のキャビンですが、3人用のキャビンも2つあります。また、洗面台を備える普通寝台のコンパートメントは最大3人まで。いずれの寝台も、朝食が含まれます。クシェット(簡易寝台)は4人と6人部屋になっていて、ファミリーやグループでの旅行に最適です。クシェットは、車両備え付けのトイレと洗面台をお使いいただくことになります。普通寝台、クシェットは男女別のコンパートメントとなります。また車内では軽食や飲み物などを乗務員にオーダーできます(別途料金がかかります)。


ICEやタリスでブリュッセルへ
 ECでブリュッセルからブルージュは約1時間

 朝、ケルン中央駅に到着したら、駅構内のコインロッカーに荷物を預けてケルン市内散策へ。駅前のケルン大聖堂は必見です。大聖堂前広場からSL型の観光列車に乗って、ライン川沿いのチョコレート博物館へ。カカオの歴史とともに、Imhoff-Stollwerk社のチョコレート製造過程が見学できます。ミュージーアムショップではさまざまなタイプのチョコレートを販売しているほか、カフェも併設されています。
 夕方、ケルン中央駅から高速列車ICE、または高速列車タリスに乗って約1時間50分でベルギー・ブリュッセル南駅に到着です。ブリュッセルのグランプラスにもチョコレート博物館があります。また、ノイハウスやゴティバは定番ですが、メリーやガレー、ヴィタメール、ヴァンデンダーなどの王室御用達のチョコレート、ピエール・マルコリーニやピエール・ルドンなど、世界的に知られたショコラティエの店も。チョコレート食べ歩きをお楽しみください。もちろん、ブリュッセルはチョコレート以外にも、グランプラス、小便小僧や王立美術館など、見所はたくさんあります。
 翌日は、ブリュッセル南駅からユーロシティ(EC)に乗って約1時間でブルージュ駅に到着です。ブルージュ駅構内にはコインロッカーやショップ、カフェもあります。ブルージュにもチョコレート博物館「チョコストーリー」があります。町には50ほどのチョコレート店があるといわれています。たとえば、チョコレートライン、BbyB.、デュモンなどです。世界遺産に登録される旧市街は、現在も中世以来の町並みが残り、ベルギー屈指の観光地です。ペギン会修道院、町の中心であるマルクト広場にはギルドホールや鐘楼、西フランドル州庁舎が並び、見どころは尽きません。


タリスならブリュッセル〜パリ間は約1時間20分
 TGVでシャンパンの町ランスへ

 7日目は、パリへと移動です。紅い車体がおしゃれな高速列車タリスに約1時間22分も乗ると、パリ北駅に到着します。タリスは同2都市間を1日20往復便以上運行されていますので、スケジュールの選択肢も豊富です。また、乗車時間帯によっては、1等のお客様には座席でのお食事がチケット料金に含まれます。パリには数々の有名なスイーツ店があります。メゾン・ド・ショコラ、ラ・デュレなどは日本でもとても良く知られた名店。本店でその雰囲気とチョコやスイーツをお楽しみください。
 翌日は、シャンパンの本場ランスへと日帰り旅行です。パリ東駅から高速列車TGVに乗って約45分で、ランス駅到着です。ランスの老舗チョコレート店 La Petite Friande へ。シャンパンコルクの形をしたマール・ド・シャンパーニュ入りのチョコレートBushonsが人気です。アールデコ様式の優美な建物が並ぶ市内の街歩きを楽しみましょう。フランスの歴代王の戴冠式が行なわれたノートルダム大聖堂や王家の宝物が展示されるトー宮殿などは世界遺産に登録されており、ぜひ訪れたいところ。ランスではポメリー、マム、テタンジェなど、有名なシャンパンメゾンの1つを訪れ、カーブ(貯蔵室)を見学し、シャンパンのテイスティングをどうぞ。
 帰国はパリからです。シャルル・ド・ゴール空港へは地下鉄(RER)B線やエールフランス・コーチなどでアクセスできます。


 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。


 鉄道パス&チケット
ユーレイルセレクトパス(4カ国)5日間/2カ月有効(1等):EC(ウィーン中央駅⇔グラーツ中央駅<2日目>)、EN(ウィーン中央駅⇒ケルン中央駅<4日目>、タリス(ケルン駅⇒ブリュッセル南駅<4日目>)、EC(ブリュッセル南駅⇔ブルージュ駅<6日目>)、タリス(ブリュッセル南駅⇒パリ北駅<7日目>)、TGV(パリ東駅⇔ランス駅<8日目>)
 ●選択する国はオーストリア、ドイツ、ベネルクス(ベルギー)、フランスの4カ国です。
 ●ユーレイルセレクトパスは2015年から料金体系が変更されます。詳細は弊社メールマガジン11月号を参照下さい。
 ●3日目は夜行列車にしか乗車しません。この場合、19時ルールが適用されますので、鉄道パスの通用日は翌日(4日目)のみ使用することとなります。

・2015年からは、ユーレイルセレクトパスを所持する大人に同行する子供(4歳以上、12歳未満)2人までは、無料となります。

・ユーレイルセレクトパスは、2人以上で同一行程を一緒に旅する際にお得なセーバーパス、26歳未満を対象にしたユースパスがあります。2015年からはユースパス1等が登場します。シニア向けのパスはありません。

・オーストリア国際夜行列車、タリス、ICE(国際線)、TGVにご乗車の際は、別途、座席/寝台指定券が必要です。その際、お得なパスホルダー料金でご購入いただけます。


 Tips & インフォメーション
・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。

・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。復路の列車の時刻も必ずご確認ください。

・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。

・オーストリア政府観光局 ⇒ http://www.austria.info/jp

・ドイツ観光局 ⇒ http://www.germany.travel/jp/index.html

・ベルギー観光局ワロン・ブリュッセル ⇒ http://www.belgium-travel.jp/

・ベルギー・フランダース政府観光局 ⇒ http://www.visitflanders.jp/

・フランス観光開発機構 ⇒ http://jp.rendezvousenfrance.com/

・参考図書:「チョコレートの世界史」(著者:竹田尚子、中央公論社、2010年)、「ドイツものしり紀行」(著者:紅山雪夫、新潮文庫、2005年)など


撮影日:
撮影場所:
キャプション: ザッハトルテ。ホテル・ザッハのカフェにて((c) NoriM)
画像サイズ: 191×143(原寸表示)