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No.3125 【交通新聞社新書064】2月新刊:鉄道計画は変わる。 路線の「変転」カギ時代を語る
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2014-03-07 21:53:20
株式会社交通新聞社

   交通新聞社新書2月新刊

その時々の社会情勢や人々の思惑の中で、何度も変更される鉄道建設の計画。計画段階や施設工事中のみならず、開業した後も変更や改良を繰り返すうちに、当初予定とはまるで変わってしまった路線も存在する。
本書では、地下鉄から新幹線まで全国8路線と駅をピックアップ、多岐にわたる資料を丹念に拾い集め、開業・開通後には忘れ去られがちな、鉄道計画の複雑怪奇な変転の歴史を解きほぐしていく。一見無味乾燥な資料の中から、時代に翻弄されその姿を変えていく「鉄道計画」の全容があぶり出される。


■書  名: 交通新聞社新書064
       鉄道計画は変わる。
       路線の「変転」カギ時代を語る
■著  者: 草町 義和
■発 売 日: 2014年2月15日
■定  価: 840円(本体800円)
■体  裁: 新書判
■ISBN: 978−4−330−43814−6
■発 売 元: 株式会社交通新聞社
       http://www.kotsu.co.jp/


【著者紹介】草町 義和(すさまち よしかず)
鉄道趣味誌の編集やホームページ制作業を経て、2003年から鉄道ライターとして活動を開始。『鉄道ファン』交友社、『鉄道データファイル』(デアゴスティーニ・ジャパン)、『鉄道ダイヤ情報』(小社)などに寄稿。主な研究分野は廃線跡や未成線跡、鉄道新線の建設や路線計画など。


目 次

はじめに……………3

第一章 東京〜大宮間鉄道計画の変転
 国鉄・JRの独壇場で二転三転した鉄道計画……………16
 複々線でも輸送力不足に陥った東北本線の「根元」……………17
 埼玉県や国際興業が考えた鉄道構想は頓挫……………19
 貨物線の活用で通勤輸送を強化……………21
 東北・上越新幹線は地下トンネルで建設……………22
 新幹線の高架変更で騒音対策が必要に……………24
 新幹線と貨物線旅客化を入れ替えて「見返り」を生み出す……………25
 「見返り」示しても反対運動は激化……………27
 上野駅や緩衝地帯の設置で沿線の理解を得る……………28
 「線形上の制約」で減速運転を実施へ……………30
 高崎線乗り入れの中止と川越線の電化……………33
 東北本線の貨物線は旧計画に戻って旅客化……………35
 最後に残った上越新幹線新宿乗り入れはどうなる?……………37

第二章 港北ニュータウンを目指した都営三田線
 運輸大臣の諮問機関が取りまとめた鉄道整備計画……………42
 高度経済成長に伴い基本計画を何度も改定……………44
 東京直結鉄道が存在しない横浜のニュータウン……………45
 2つの6号線を「合体」させた東京直結鉄道……………47
 目黒通りルートが想定されていた都営三田線の延伸部……………49
 新線建設から私鉄乗り入れによるアクセスルートの確保に変更……………50
 既設の鉄道路線への乗り入れで建設距離を大幅短縮……………52
 異なる規格の採用で残った乗り継ぎのデメリット……………54
 港北ニュータウン内に残る延伸構想の名残……………56

第三章 複雑怪奇な千葉ニュータウンの鉄道計画の変転
 千葉ニュータウンにひそむ幻の通勤鉄道構想……………60
 4線分の鉄道用地が設定されたニュータウン……………61
 東京メトロ東西線への乗り入れルートが有力候補に……………63
 通勤鉄道は東西線接続から都営新宿線接続に変更へ……………64
 高速鉄道用地を成田新幹線と北総開発鉄道で「折半」……………66
 千葉県構想の通勤鉄道は成田延伸を見送り……………68
 ニュータウンの開発にあわせて段階的整備を計画……………71
 ニュータウン計画の縮小で小室以西を凍結……………73
 空港アクセス鉄道への「転身」構想が浮上……………75
 B案ルート採用で北千葉線の計画中止は確定的に……………77
 遅々として進まなかったB案ルートの整備……………79
 東京駅接続部を除いてB案ルートがようやく完成……………81
 小室を境に明暗分かれた北千葉線の計画……………82
 旧・北千葉線の計画を受け継ぐ構想も中止……………83

第四章 地下鉄銀座線に乗り入れるはずだった田園都市線
 路面電車の輸送力強化を目指した東急の通勤路線……………86
 「玉電」が構築した東急の路面電車ネットワーク……………87
 路面電車並行新線の建設で輸送力不足の解消を計画……………88
 銀座線と同一規格で都心乗り入れを目指す……………90
 新玉川線の計画と並行して新興住宅地へのアクセス鉄道を計画……………92
 都市計画道路の優先整備で新玉川線の整備は後回しに……………94
 高速道路の建設で浮上した玉川線の一時地下化……………96
 平面移設案を経て最終的に玉川線は廃止へ……………97
 銀座線の輸送力不足で標準規格での建設に変更……………99
 銀座線の代わりに都心乗り入れの地下鉄を新たに設定……………101
 田園都市線との結びつきが玉川線の名残を消滅させる……………102
 銀座線規格で開業していたら混雑率は400パーセント?…………‥104

第五章 機種の変更で建設費を減らしたはずの都営大江戸線
 計画が変更されるのはルートだけではない……………108
 大江戸線の原型となる京王線連絡の地下鉄計画……………109
 旧グラントハイツ延伸でユニークな「6の字」に……………111
 都営大江戸線の免許を取得するも財政難から凍結……………113
 建設費の節減を目指して小型地下鉄の導入を決定……………114
 床下スペースの縮小目指して考案された2つの推進方式……………116
 小型地下鉄の研究が進むなか、「見切り発車」した大江戸線……………118
 ルート変更をきっかけにリニア式の採用に方針転換……………120
 小型化による建設費の節減は別の要因が災いして帳消しに……………123
 全線開業直前に見られた線名変更の顛末……………125

第六章 ローカル線から在来線最速幹線に変更された北越急行ほくほく線
 JR以外の線路を経由する東京〜北陸の鉄道ルート……………130
 昭和初期から建設運動が始まったほくほく線……………132
 戦後の建設運動は「南北戦争」で頓挫……………133
 「国鉄一任」で北線ルートに一本化……………134
 非電化単線のローカル線だが「新幹線的」な直線ルート……………136
 東京と北陸を直結するもう一つの高速鉄道構想……………138
 遅々として進まなかった北越北線の工事と中断……………139
 田中角栄の方針転換発言で急転直下の第三セクター化……………141
 整備新幹線問題で浮上した北越北線の高速化計画……………143
 整備新幹線とは「別枠」で高速化工事が追加される……………145
 65年の歳月を経てようやく開業したほくほく線……………146
 北陸新幹線は高崎〜金沢間がフル規格整備に順次変更へ……………148
 北陸新幹線開業でほくほく線は赤字経営に……………150

第七章 「新幹線ではない新幹線」に生まれ変わった奥羽本線
 新幹線と在来線〜異なる規格を変更して高速化を図る……………154
 東海道新幹線の成功を受けて構想された全国新幹線網……………155
 石油ショックや国鉄の経営悪化で全国新幹線網は凍結……………156
 軌間の違いがサービス面での弊害をもたらす……………158
 フランスTGVをきっかけに新在直通化の研究始まる……………160
 奥羽本線を改造して新幹線と在来線の直通化を図る……………162
 実質不可能な車両側対応を捨て地上側対応で直通化…………‥164
 積雪事故を防ぐため3線軌を諦め全面改軌に……………165
 狭軌複線→標準軌単線→標準軌複線のステップで改軌……………167
 高速・直通運転で利用者は大幅に増加……………172
 高コストの地上側対応から車両側対応の研究進む……………173

第八章 ローカル線を「改造」した準高速鉄道の湖西線
 日本初の鉄道計画で敦賀への支線が計画される……………176
 琵琶湖東側の支線は関西と北陸を結ぶ大幹線に発展……………177
 湖東の国鉄幹線に対し湖西はローカル民鉄に……………179
 北陸本線の改良で顕在化した東海道本線の輸送力不足……………182
 東海道本線との「共用」区間を減らすバイパス線を建設へ……………183
 難航する競合私鉄との交渉は線路敷地の一部買収で決着……………185
 在来線でも新幹線並み、踏切なしの高規格路線……………188
 湖西線の開業によって湖東の鉄路はローカル化……………190

第九章 ホームの増設と計画変更をひたすら繰り返した東京駅
 東海道の新ターミナルとして建設された東京駅……………194
 開業時のホーム数は4面8線……………195
 戦時体制への移行で京浜線急行は計画中止……………198
 東京駅に内定していた? 戦前の新幹線ターミナル……………199
 操車場敷地を活用して弾丸列車ホームの整備を検討……………201
 中央線複々線化を目指して丸の内側にホーム増設を計画…………‥203
 今も残る第0ホーム計画の名残……………204
 東海道新幹線開業で敷地を使い切ったが−……………208
 新幹線の輸送力強化のため在来線ホームの転用を計画……………209
 転用工事の余裕をつくるため在来線削減の工事を実施……………212
 成田新幹線の建設費も投入した第7ホームの転用工事……………214
 新幹線の安定輸送を考慮し直通化の設備は大幅に縮小……………215
 バブルと国鉄分割の影響で新幹線の直通運転は断念へ……………218
 14番線「移籍」のツケをホームの重層化で解消へ……………220
 北陸新幹線の開業まで3年、同時施工で工事期間を圧縮……………222
 東京駅の工事の「つち音」が消える日……………224

おわりに……………228
主要参考文献・初出一覧……………230
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撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 317×499(原寸表示)