ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2013-10-29 18:40:19 |
株式会社交通新聞社
交通新聞社新書10月新刊 地方鉄道をとりまく過酷で厳しい状況が、長らく続いている。少子高齢化、モータリゼーションの進展、産業の空洞化、長引く不況、そして規制緩和……撤退を余儀なくされた路線が後を絶たないなか、地方の鉄道事業者はそれぞれ、涙ぐましい努力を重ねながら活路を見出そうとしている。そしてそれは、単に路線の存続という枠を超え、地域の雇用や産業を生み出し活性化にもつながっていく。本書では、奮闘している全国の地方鉄道をつぶさに取材、これまでの過程と現況、そして展望や打開策まで取り上げ、地方鉄道と地域経済の活性化に一石を投じる。 ■書 名: 交通新聞社新書059 チャレンジする地方鉄道 乗って見て聞いた「地域の足」はこう守る ■著 者: 堀内重人 ■発 売 日: 2013年10月15日 ■定 価: 840円(本体800円) ■体 裁: 新書判 ■ISBN: ISBN978-4-330-41813-1 ■発 売 元: 株式会社 交通新聞社 http://www.kotsu.co.jp/ ■はじめに より 本書は、以上のような厳しい状況のなかでも、独創的な経営を行なっている地方民鉄や第三セクター鉄道の現状を中心に、現地取材を交えて、できるだけ現地の実情が臨場感を伴って伝えられるように執筆した。そして「新規需要創出」「新事業の展開」「顧客満足」という経営者の努力に力点を置いている。読者の方からは、「利用者の視点が欠けている」というご指摘を受けるかもしれないが、厳しい状況のもとでも、なんとか知恵を出し、経営改善にチャレンジしている地方民鉄や第三セクター鉄道は、事業者が地元の利用者と一体となって鉄道存続・活性化を模索していることが多い。 たとえば、グルメ列車を運転している事業者は、地元産の食材を使用したり、地元の企業や住民とタイアップ・共同して運行に取り組んでいる。そうなると鉄道事業者の存在が、新たな産業や雇用を生み出すため、鉄道事業の採算性は低いものの、地域の便益としては「正」となるだろう。沿線以外からの利用者が増えれば、地域の観光産業も活性化される。 交通基本法など、公共交通を支える法律が不十分であるため、地方民鉄や第三セクター鉄道の厳しさは増した。本書が地方民鉄や第三セクター鉄道の存続と活性化につながり、鉄道を通してよりよい地域づくりができるのであれば、これ以上の喜びはない。 【著者紹介】 堀内重人(ほりうちしげと) 1967年生まれ。立命館大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。運輸評論家として、執筆や講演活動、ラジオ出演などを行なう傍ら、NPOなどで交通・物流・街づくりを中心とした活動を行なう。主な著書(単著)に、『都市鉄道と街づくり−東南アジア・北米西海岸・豪州などの事例紹介と日本への適用』(2006年・文理閣)、『高速バス』(2008年・グランプリ出版)、『鉄道・路線廃止と代替バス』(2010年・東京堂出版)、『廃線の危機からよみがえった鉄道』(2010年・中央書院)、『地域で守ろう!鉄道・バス』(2012年・学芸出版社)、『ブルートレイン誕生50年−20系客車の誕生から、今後の夜行列車へ−』(2012年・クラッセ)、『新幹線VS航空機』(2012年・東京堂出版)がある。日本交通学会・公益事業学会・日本海運経済学会・交通権学会・日本モビリティー・マネジメント会議・日本環境教育学会会員。 チャレンジする地方鉄道−目次 はじめに………3 第1章 第三セクターの個性派社長 秋田内陸縦貫鉄道………14 (1)上下分離経営の断念………14 (2)観光路線化への模索………22 (3)東北活性化研究センターから見た秋田内陸縦貫鉄道………31 いすみ鉄道………35 (1)ユニーク社長の元祖………35 (2)いすみ鉄道の経営状況………43 (3)動く保存鉄道へ………47 第2章 第三セクターのイベント列車 明知鉄道………56 (1)明知鉄道の概要………56 (2)積極的なイベント列車の運行………61 樽見鉄道………68 (1)アイデアマンだった初代社長………68 (2)しし鍋列車・薬草列車・歌声列車………70 (3)樽見鉄道の現状について………74 (4)運転体験講習会………81 松浦鉄道………84 (1)第三セクター鉄道の優等生………84 (2)伊万里牛バーベキュー列車………91 (3)今後の方針………93 第3章 上下分離経営の模索 若桜鉄道………98 (1)「公有民営」の上下分離経営………98 (2)SLや昔ながらの駅舎を生かした活性化戦略………103 上毛電気鉄道………108 (1)群馬式の上下分離経営………108 (2)サイクルトレインの運行………111 (3)今後の事業計画………114 信楽高原鐵道………118 (1)上下分離経営の実施………118 (2)関連事業計画………122 (3)びわこ京阪奈線構想………127 (4)草津線の今後………131 第4章 グルメ列車に乗って 岡山電気軌道………136 (1)両備グループと小嶋社長の経営理念………136 (2)ワイン電車と公共の交通ラクダ………141 (3)岡山電気軌道の現状と将来計画………147 豊橋鉄道………150 (1)豊橋鉄道東田本線の概要………150 (2)おでんしゃ・納涼ビール電車………153 小湊鐵道………159 (1)小湊鐵道の概要………159 (2)懐石料理列車………162 (3)小湊鐵道の現状について………166 (4)房総半島横断鉄道構想の可能性と今後の計画………168 第5章 副業に活路を兄いだせ! 伊予鉄道………172 (1)伊予鉄道の沿革と郊外電車………172 (2)市内電車と坊っちゃん列車の復元………175 (3)副業の変遷………179 銚子電気鉄道………183 (1)銚子電気鉄道の概要………183 (2)ぬれ煎餅・食品事業の現状………189 (3)ぬれ煎餅の製造現場を見学して………195 第6章 三江線の存続と活性化に向けた模索 JR三江線………200 (1)三江線の沿革………200 (2)バス増発による社会実験………204 (3)沿線の観光資源と神楽による地域おこし………210 (4)地域住民の取り組み………212 おわりに………216 参考文献・論文など・インターネット・資料………219 |
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