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No.232 【クラッセ】新刊:駅前旅館をいとおしむ 松尾定行著
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2008-02-15 23:08:22
KLASSE EDITORIAL/PLANNIC/PUBLSHING


 小社(株)クラッセは、主に交通図書を編集・発行しております出版社でございます。このたび、きしゃ旅ライタ一として活躍されております、松尾定行さんが書き下ろした『駅前旅館をいとおしむ』を刊行いたしました。
 戦前から高度成長期まで、駅前には必ずあった駅前旅館が姿を消そうとしています。鉄道紀行作家である著者は、駅前旅館にも造詣が深く、旅人を支え時代を担ってきた駅前旅館の最後の姿を愛情深い気持ちで取材しました。駅前旅館につきましては、井伏鱒二の『駅前旅館』以外に類書がとても少ないのが現状です。著者の渾身のルポによる最後の駅前旅館の情景を描写するとともに、駅前旅館に泊るという旅の姿を体験できない世代の方々へ向けて、貴重な紀行作品であるとともに、表紙には取材で泊った領収書を印刷するなど、後世に残る資料になると確信しております。

著者あとがきから
 昭和三十年代は、長い日本の歴史のなかで、民衆にとっていちばん幸せだった時代といえるのではないでしょうか。二十年におよぶ戦争の時代が終わり、復興を遂げ、戦後民主主義の理念のもと、平和で豊かな暮らしを日本人は謳歌しました。鉄道は、その昭和三十年代の国内旅行を、華やかに彩ってくれました。その後、高度経済成長をバックに日本列島に改造の槌音が響きわたり、さらには電脳社会が訪れて久しいのですが、こと鉄道の沿線に限っては、駅前旅館に代表される昭和の情景≠温存するゾーンが、まだ、あちこちに残っています。これらの全部に、一○年後に電話をかけて、はたして何軒が宿泊の申込みを受けてくれるのか……。一○軒に満たないのではないでしょうか。

 日本の文化ともいえる駅前旅館の現状と今後を伝える書として、ぜひともご高覧いただきたく、書評をもってご案内いただけましたら幸甚の極みです。何卒よろしくお願い申し上げます。


クラッセブックス【最新刊のご案内】

“昭和の情景”を残す駅前旅館
 「駅前旅館をいとおしむ

 −昭和の面影が残る旅の宿−


松尾定行 著
●四 六 版 216ページ
●定  価 1680円(本体1600円+税)
●図書符号 ISBN 978-4-902841-02-2 C0026 \1600E

ご注文は 地方・小出版流通センターへ
 FAX 03−3235−6182
 http://www.bekkoame.ne.jp/~much/access/actop.html

第一章 日本最後の駅前旅館に泊った
 村山旅館(北海道 上磯駅)
 花岡旅館支店(秋田県 大館駅)
 旭屋旅館(神奈川県 山北駅)
 だるま屋旅館(石川県 津幡駅)
 庄司旅館(福井県 大鳥羽駅)
 柏原旅館(大阪府 柏原駅)
 中村屋(兵庫県 竜野駅)
 旅館松の下(香川県 坂出駅)
 網野旅館(広島県 忠海駅)
 いくよ旅館(福岡県 鹿児島線)

第二章 駅前旅館に泊るローカル線の旅
 会津鉄道 線路際にたつ源泉かけ流しの温泉旅館でくつろぐ
 飯田線「中部日本縦貫鉄道」と共に歩んだ駅前旅館の今
 木次線 農家が営む一軒の冷泉民宿を“トロッコ列車”でたずねる

第三章 駅前旅館 全国現況リスト
 北海道から九州まで43旅館をレポート。

あとがきには、「きしゃ旅ライター」である著者の駅前旅館に対する愛情が込められている。

かつては“商人の宿”とも呼ばれていた駅前旅館は、戦後の復興を遂げた昭和30年代鉄道の旅とともに手軽な“旅人のお宿”として機能していた。代々受け継がれてきた家業は、ビジネスホテルの隆盛、駅前再開発、後継者不足などにより、消えてなくなろうとしている。「きしゃ旅ライター」が和の情緒をたたえた駅前旅館に泊まる鉄道の旅を続けながら、家族でもてなしてくれる心温まる一夜、心と心のふれあう“温かさ”を求め、最後の駅前旅館の姿をまとめた渾身のルポを収録。
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 「駅前旅館をいとおしむ」表紙
画像サイズ: 293×441(原寸表示)