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No.2268 【交通新聞社新書042】4月新刊:思い出の省線電車 戦前から戦後の「省電」「国電」
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2012-07-04 00:02:49
株式会社交通新聞社

   交通新聞社新書4月新刊


■書  名: 交通新聞社新書042
       思い出の省線電車
       戦前から戦後の「省電」「国電」
■発 売 日: 2012年4月15日 第1刷発行
■著  者: 沢柳健一
■定  価: 各840円(本体800円)
■体  裁: 新書判
■図書符号: ISBN978-4-330-28412-5
■発 売 元: 株式会社 交通新聞社


【概要】
昭和18年までの「鉄道省」時代の省線電車、通称「省電」から、日本国有鉄道時代の「国電」までを、実体験をもとに振り返る。小学生だった昭和初期から今日まで約80年もの鉄道ファン歴を誇る著者の長年にわたる電車研究、フィールドワークの集大成が本書だ。JR東海の「リニア・鉄道館」やJR東日本の「鉄道博物館」に展示されている車両の保存に関わった裏話、鉄道友の会の母体となった「荻窪会」の設立秘話なども紹介。貴重な電車写真も多数掲載した。

「はじめに」より
 戦前は、どの家庭でも大きな旅行というのは、まずあまりなかったろう。
 私の家では、父は満州の視察、母は四国への旅があり、私は毎年行った生まれ故郷の飯田・松本への旅は別として、昭和13、18年の関西旅行、昭和18年の四国旅行と勤労動員での北海道行き、昭和19、20年は九州へと結構旅を重ね、貴重な経験を得た。苦しいながらも、戦時中の鉄道の実態を垣間見ることが出来たと言えよう。
 戦後になったら写真は自由になるものと期待したら、まずはフィルムを売っていない。早朝、カメラ屋の前に並んで買えたのは年に2〜3本という有様で、何を撮影するか考えに考え撮ったものである。
 進駐軍列車はまさに撮影対象として狙い目であったが、駅や車庫ではMPの監視下にあり、カメラを構えようなものなら間違いなく追いかけられた。体験で言えば、品川駅の改札口を死に物狂いで駆け抜けたり、横須賀では港から京浜急行電鉄横須賀中央駅まで逃げ込んだりしたこともあった。
 終戦直後の鉄道規制はまさに朝令暮改、使える車両も少なく、運用はメチャクチャだった。また、利用側は空腹を抱えた状態では旅行する気力もなく、どうにか回復の兆しが見え始めたのは昭和27年頃であったろう。
 こうして苦労して研究した戦前・戦後の様子を何とか再生し、現代のお若い方々にも知っていただきたく、電車の歴史と時代背景を組合わせてまとめたつもりである。
 鉄道側のご苦労と智恵を含め、今があることを知っていただければ幸いである。今後、もし機会があれば昭和24年以降をまとめてみたい。
 本書をまとめるにあたり、永年にわたり(株)電気車研究会発行の『鉄道ピクトリアル』誌に発表させていただいた内容を軸に構成させていただいたことと、(株)交通新聞社第3出版事業部の編集の方々にお世話になりましたことを厚く御礼申し上げる次第です。

平成24年3月 沢柳健一


【著者紹介】沢柳健一(さわやなぎけんいち)
大正13年長野県生まれ。法政大学法科卒業。東京都庁に勤務。昭和初期から省電に興味を持ち、東京はもとより全国に鉄道写真の撮影・調査に出かける。省電から国電の資料も多数収集し研究を続けている。「鉄道友の会」参与。主な著書に『国電再入門』(鉄道国書刊行会)、『国鉄電車車両形式図集』(鉄道図書刊行会)、『決定版 旧型国電車両台帳』(ジェー・アール・アール)、『旧型国電50年I』(JTB)などがある。


目次

 はじめに…………3

第1章 省線電車との出会い
 鉄道ファンになったきっかけ「赤羽線」…………12
 荻窪会と鉄道友の会…………21
 電車区歴訪開始…………27
 関西省電の発展…………35
 関西省電電車区を訪問して…………43
 鉄道写真とフィルム…………47

第2章 昭和初期の電車事情
 山手線…………56
 中央線…………67
 京浜東北線…………85
 常磐線…………107
 買収線区の特質…………111

第3章 省電の王者・横須賀線
 軍港・横須賀への路線…………124
 思い出に残るスカ線の車両たち…………131
 戦争中のスカ線…………138

第4章 戦争と省線電車
 戦時体制…………150
 空襲と戦災…………158
 車両の擬装について…………166
 戦後の混乱・………‥168
 白帯車の功罪…………181
 昭和28年の形式変更…………190

 おわりに〜保存された省電〜…………194
撮影日:
撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 252×399(原寸表示)