ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2012-01-16 00:57:50 |
株式会社交通新聞社
書 名 : 交通新聞社新書032 北の保線 線路を守れ、氷点下40度のしばれに挑む 発行日 : 2011年8月15日 第1刷発行 著 者 : 太田幸夫 発行者 : 山根昌也 発行所 : 株式会社交通新聞社 http://www.kotsu.co.jp/ 印刷・製本:大日本印刷株式会社 図書符号: ISBN978-4-330-23211-9 平成23年3月11日に発生した東日本大震災でも、線路をはじめとする鉄道施設の大規模な被害があったことは記憶に新しい。その復旧の最前線で活躍しているのが保線員という名のプロフェッショナル集団だ。本書では、過酷な自然環境の北海道の大地で、貴重なライフラインである線路や鉄道施設を守る保線員たちの仕事を紹介する。長年、北海道で保線に関わった著者ならではの歴史的エピソードも満載だ。 「はじめに」より 本書はこうした大先輩の著述を参考に、明治5年から140年近い鉄道史の中の「保線」を、一般の方にも理解していただきたいという気持ちで書きました。より興味を持っていただくために、私のライフワークでもあります北海道の鉄道史、鉄道碑の発掘なども含め記述しました。こんな「縁の下の力持ち」の存在により、鉄道の安全が守られていることを少しでも知っていただければ幸いです。 太田幸夫(おおた・ゆきお) 昭和13年北海道新十津川町生まれ。国鉄入社後、部内教育で大学教育(2年間)修了、東大工学部委託研究員(1年間)として学ぶ。その後、主に東京と北海道各地域に勤務。小樽保線区長、JR北海道工務部(初代保線課長)、JR北海道関連会社などで保線に携わる。現在「札幌啄木会」代表。著書に「レールの旅路」「啄木と鉄道」「北海道の鉄道125話」などがある。 目次 はじめに………3 第一章 保線に必要な軌道の知識(1) 「線路」とは、どのような構造になっているのか?………12 立ち遅れていた日本のレール製造………14 レールの重さと長さ………17 レールとレールを繋ぐ方法………20 継目の減少に貢献したロングレール………23 ロングレールの理論………27 北海道で初めてのロングレール敷設………31 コラム/外国製レールの話………35 第二章 保線に必要な軌道の知識(2) 見逃せないレールの病気とは?………38 レールを固定する犬クギとマクラギ………41 砂利や砕石からスラブへ発展した道床………46 分岐器と路盤………51 130km/h運転に耐えられる軌道をつくる………52 第三章 北国の保線技術 車両は超一流、レールは超三流………60 旅客列車も停車した保線現場の拠点「線路斑」………63 欠かせない作業、軌道変位の検測………66 人力保線では掛け声が大事………70 「線路つき固め音頭」由来記………75 人力保線から機械保線へ………81 「見張り」は保線の命綱………82 第四章 雪や“しばれ”と闘う保線員 氷点下40℃、降雪1日1m超えに立ち向かう………88 一年中、寒さと雪に備えた北国の保線員………92 厳寒期、タレ幕で入口を塞がれたトンネルがあった………94 馬やそりを使った初期の除雪………100 人力でしか除雪ができないホーム、ポイント、踏切………104 コラム/アメリカから輸入された機関車の愛称………106 無力だった初期の機械除雪………107 除雪機械の変遷………108 雪を流す、侵入を防止する………121 除雪は雪がやんでから行なうもの………124 第五章 保線と事故・災害 3度も胆振地方の鉄道を襲った有珠山噴火………128 道東では関東大震災クラスの地震に見舞われたことも………133 記憶にいつまでも残る「洞爺丸台風」………136 水害、そして「魔の金曜日」?………145 雪崩で橋桁が流されたこともある宗谷本線………149 火災、置石、自殺、触車−さまざまな人災………154 第六章 保線の思い出・エピソード 保線は「保線屋」、国鉄の職場にはそれぞれ「屋号」が!?………164 脱線復旧の神様………166 直立不動!緊張を強いられたお召し列車の警備………168 鉄道建設とタコ部屋と幽霊………170 コラム/北海道の鉄道建設現場慰霊碑………172 山男の名字が駅名に………174 鹿との衝突対策にライオンの糞を置く実験も!………175 鯨と保線?………178 うかれ狸夫婦の災難………180 手宮駅長官舎に石川啄木の父が居候………181 壮瞥駅が第二の人生を奄美大島で………182 おわりに………210 参考文献………211 [付録] 北海道の保存駅舎及び構内など………184 北海道鉄道略図………190 北海道鉄道唱歌(第一集)………192 |
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