ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2010-12-04 21:32:16 |
この度弊社では、『普通列車の謎と不思議』という単行本を刊行しました。
新幹線や特急列車に目をむけがちですが、通勤・通学など地域住民の足として走る普通列車は、地味ですが、いちばん身近な存在とも言えます。路線や地域に特化していることから、各地の需要に応じた車両やダイヤが組まれており、地元では当たり前のことでも、あらためて眺めてみると、大きな特色・特徴があります。また、近年は観光に特化した列車が、普通列車として運行される例が増えました。 本書では、これまであまり脚光を浴びることのなかった普通列車を題材に、JRだけでなく私鉄、そして海外の普通列車まで紹介しています。 記 【書 名】 『普通列車の謎と不思議』 【著者名】 谷川一巳(たにがわ・ひとみ) 【判 型】 四六判 【造 本】 並製カバー装 【頁 数】 280ページ 【定 価】 1800円(本体価格) 【発行年】 平成22年11月 【図書符号】ISBN978-4-490-20715-6 敬白 平成22年12月1日 株式会社東京堂出版 編集部 地域に密着 多彩な車両 「普通」と「各停」の違いはあるのか? 冬にだってトロッコ列車は走っている!? 日本一長い運転区間の普通列車はどこ? ラッシュ時の通勤・通学輸送、観光地へ旅客を運ぶローカル列車… 地域の顔である普通列車の「運賃」「速度」「車両」の種類と特徴 はじめに 人気の鉄道車両というと新幹線、特急列車、また数が激減してしまいましたが寝台特急といったところでしょうか。いっぽう列車の旅では地方路線、とくに景色のいい非電化ローカル線などに人気があるようです。しかし日本の鉄道車両で圧倒的に多いのは普通列車に使われている車両です。中でも都会を中心に運行する通勤用車両は世界でも屈指の車両数を誇ります。スポットライトを浴びることはあまりありませんが、人々の生活を支え、日夜黙々と運行しているのも普通列車です。私たちが普段最も身近に使っている列車も普通列車でしょう。本書では、この一見地味な存在である普通列車の素顔に追ってみたいと思います。 また近年は「普通列車限定」の割引切符が多数発売されていることから、普通列車を上手に使いこなすことが、鉄道旅行を楽しむための重要な要素にもなっています。特急列車の車内設備は日本中どこへいってもさほど変わりませんが、普通列車は簡素なものから豪華なものまで幅があります。地域性もあり、よく知っておかないとイメージしているような鉄道の旅にならないこともあります。普通列車は風土や競合する交通機関があるかないかでも雰囲気がずいぶん変わってくるようです。また本書では海外の普通列車との比較も試みたいと思います。 本書執筆にあたっては、編集をしていただいた株式会社東京堂出版の太田基樹氏に多大なご協力をいただきました。また、いつも校正を頼んでいる妻にも、改めて感謝します。 2010年(平成22)10月 谷川一巳 普通列車の謎と不思議 ●目次● はじめに 1 第1章 普通列車とは何だろう? 001 「普通」と「各停」は同じもの? 違うもの? 8 南海電気鉄道は、はっきり使い分けている 002 かつて普通列車は短距離の乗り物ではなかった 14 通勤列車は都会だけのものだった 003 普通列車に使われる車両(1) 17 北海道の車両は酷寒対策が優先 004 普通列車に使われる車両(2) 21 東北地方は通勤形が多く旅情に乏しい 005 普通列車に使われる車両(3) 26 JR各社でこんなに違う コラム(1) 懐かしの普通列車ギャラリー(1) 32 第2章 普通列車の運行の謎 006 普通列車のスタイルは様変わりした 36 車両性能は向上、反面旅情はなくなった 007 普通列車にもグリーン車がある!? 41 東京近郊のグリーン車は通勤を楽にするため 008 普通車指定席車両のある普通列車 46 多くは以前の急行列車代わりの役目を果たす 009 地方都市でも運転される「通勤ライナー」 50 意外に大阪圏では少ない 010 普通列車にも夜行列車がある? 54 すでに臨時列車にしか夜行はない 011 愛称付き快速は急行時代を彷彿とさせる 60 中には愛称負けしている列車もあるが 012 普通列車だって編成は決まっている 65 前もって車両を調べておくことで旅の雰囲気は変わる 013 最も長い編成の普通列車は15両編成 69 ドアはなんと60カ所! 014 単行でがんばる普通列車 72 電車には意外と少ない 015 日本一長い運転距離の普通列車は? 77 新幹線と並行する在来線にあるという意外な事実 016 全国に広がるワンマン運転 84 すでに線区別では車掌が乗務するほうが少数派? 017 特急用車両で運転するお得な普通列車 89 3つのパターンがある 018 元寝台車や元急行形が普通列車で最後の活躍 97 すでに風前の灯 019 普通列車の最高速度は? 101 JRは5社で時速130キロ運転を行う 020 日本列島は観光列車花盛り(1) 106 最も積極的なのは東北地方 021 日本列島は観光列車花盛り(2) 111 JR四国はトロッコ列車発祥の地だった コラム(2) 懐かしの普通列車ギヤラリー(2) 116 第3章 普通列車の車両の謎 022 普通列車用と特急列車用の車両の違いは? 120 性能面の差はなくなってきている 023 列車の矩編成化で足りなくなる先頭車両 124 切妻の先頭車が増えている 024 座席配置の謎 126 試行錯誤されているが全国的にはボックス席は敬遠傾向 025 混雑時と旅気分をどう両立させるか 131 試行錯誤も行われている 026 窓と座席の不思議な関係 136 日本人は車窓を眺めるのが大好き 027 ドア数の試行錯誤 141 ドアを増やせば座席は減る 028 西日本の車両レベルの牽引役は「新快速」 144 新型車両は常に「新快速」に導入された 029 競合する交通機関が最も影響する 150 競合するのは高速バスでもよい 030 普通列車の車内設備は見直される傾向に 154 静岡地区だけは例外? 031 普通列車にしかないユニークな車両 62 特急よりメカニカルな部分は多い? コラム(3) 普通列車を楽しむ切符あれこれ 166 第4章 路線に見る普通列車の謎 032 普通列車の性格は路線によってさまざま 172 隣県の県庁所在地にまで普通列車が活躍しているか? 033 1時間以上停車駅がない普通列車 176 快速でもないのに隣の駅まで所要1時間8分 034 普通列車が走らない線区とは? 180 意外に利用価値のある津軽海峡線 035 列車が1日1往復しか停車しない駅がある 184 典型的な過疎地を行くローカル線 036 普通列車に見る交直切り替え地点の運行 192 路線によって全く違う 037 どうして飯田線は駅が多いのか? 194 第二次世界大戦中に多くの私鉄が国有化された 038 スイッチバックで山を越える 198 醍醐味を感じられる駅は少なくなった コラム(4) 第三セクター化は普通列車の魅力を半減させる 202 第5章 JR以外の普通列車 039 各駅停車の位置付けは各社でさまざま 206 各駅停車は急行に抜かれるもの? 040 特急なら37分、各駅停車は76分の謎 208 各駅停車が走る役割は? 041 「速さ」だけでいいのか、設備も必要なのか 210 南海「サザン」はユニークな運行 042 私鉄でも通勤ライナーは欠かせない存在に 212 第三セクター鉄道でも運行 043 意外に多彩なJR以外の観光列車 214 ストーブ、掘りごたつ列車などもある 044 私鉄のSLも定期的な運行で魅力あふれる 218 長閑なSL風景を求めるなら私鉄のSL 045 冬でもトロッコの謎 222 トロッコ列車に路線存続を託す例も 046 JR以外で最高速の普通列車は? 226 最高速度でなく加減速性能にも注目 047 日本で最も運賃の安い鉄道は? 228 10キロと40キロの運賃比較で興味深い結果に コラム(5) 海外では普通列車と高速鉄道がうまく共存 233 第6章 海外の普通列車 048 日本の位直付けとは異なる海外の普通列車 238 運賃が1本立ての国も少ない 049 韓国では、ズバリ普通列車がほとんどない 240 急行に相当の「ムグンファ」が普通列車代わり 050 中国では普通列車でも寝台車や食堂車を連結 244 現在でも長距離普通列車を数多く運行 051 台湾の普通列車の多くはロングシート 248 日本で失われた汽車旅に浸るなら台湾 052 ベトナム鈍行列車2等の座席は木製ベンチ!! 253 高速鉄道も計画されるベトナムの大動脈 053 タイでは運賃を決めるのは種別ではなく等級 257 元日本製車両も多く運転している 054 ミャンマーの近郊列車には車内照明すらない 261 普通列車の切符でも外国人は旅券番号まで入れられる 055 インドネシアでは列車によって駅が異なる 265 普通列車がターミナル駅を通過する 056 変わりつつあるヨーロッパの普通列車 269 動力分散式の短編成列車が多くなった 057 アメリカで普通列車体験はできるか? 276 公営近郊列車を乗り継いで都市間移動ができた |
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