NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.975 (Re:973) 【小田急】2008年度の鉄道事業設備投資計画 輸送サービスの向上に328億円(3/3)
ほりうち(mmvr6592) 2008-04-25 22:46:36

3.サービスの向上

(1) 車両のリニューアルおよびサービス改善

1) 通勤車両のリニューアル

 8000形通勤車両(6両編成×1本、4両×2本、合計14両)をリニューアルし、車いすスペースや車内LED表示器、自動放送装置などを設置します。あわせて、列車の走行音を低減するため、車両搭載機器の低騒音化を図ります。


2) 特急車両へのAED設置

 2008年3月から運行を開始したロマンスカー・MSEに鉄道車両として国内で初めて設置したAED※(自動体外式除細動器)を、現在運行しているすべてのロマンスカー(17編成)に設置します。
※Automated External Defibrillator の略で、心臓の心室が小刻みに震えることにより、脳や体に血液を送り出すことができなくなる心室細動の状態のとき、心臓に電気的刺激を与えることにより、正しい状態に取り戻すものです。


(3) 駅の施設・設備の改良およびサービス改善

1) 駅施設の改良工事

 海老名駅では、引き続き大規模改良工事を推進します。今年度は、改札階と駅前広場を結ぶエスカレーターを設置し、乗り換え利便性の向上を図ります。工事の完成は2010年度を予定しています。

 また、新百合ヶ丘駅では、既存駅舎部分のリニューアル工事を、伊勢原駅では自由通路等の整備工事を引き続き実施し、両駅の工事は、いずれも今年度中に完成する予定です。


2) ホーム待合室の設置

 ホームで列車を待つ間にご利用いただける、冷暖房完備のホーム待合室を3駅4カ所に設置します。これにより全70駅のうち46駅77カ所に設置されることになります。


ホーム待合室設置駅

新百合ヶ丘(上・下ホーム各1カ所、合計2カ所)、厚木(上り)、伊勢原(上り)




3) 行先案内表示器の新設・更新

行き先や発車時刻などをご案内する表示器を相武台前、小田急永山、小田急多摩センターの3駅に新設します。また、秦野、藤沢の2駅の案内表示器を、より視認性の高いものに更新します。


(3) 駅施設のバリアフリー化の推進

1) エレベーター等の設置

 移動の障害となる段差を解消するため、エレベーターを厚木駅に2基、エスカレーターを海老名駅に3基設置するほか、鶴巻温泉駅にスロープを設置します。これにより、小田急線全70駅中67駅で改札からホームまで段差なく移動することができるようになります。

 なお、2010年までには、すべての駅の段差を解消する予定です。


【エレベーター】
設置駅 :厚木
基数  :2
設置場所:上下ホーム
備考  :新設


【エスカレーター】
設置駅 :海老名
基数  :3
設置場所:改札外
備考  :新設


2) 多目的トイレの設置

 車いすをご利用のお客さまやオストメイトのお客さま、乳幼児をお連れのお客さまにも安心してご利用いただける多目的トイレを5駅に設置します。これにより、小田急線全70駅中69駅のトイレが、オストメイト対応となります。


多目的トイレ設置駅

座間、厚木、鶴巻温泉、足柄、高座渋谷




3) 触知案内板の設置

 目の不自由なお客さまにも安心してご利用いただけるよう、駅構内のホームやエレベーター、トイレ等の施設を点字でご案内する触知案内板を16駅計21カ所に設置します。



4.環境対策の推進

(1) 全密閉式の主電動機(モーター)の導入

 リニューアルを実施する8000形通勤車両3編成で、従来の主電動機よりも走行音が低減される全密閉式の主電動機※に更新します。
※モーター内部の回転音やファンの風切り音が外に漏れにくいよう、外気と完全に遮断した構造になっており、従来のものと比べて3dB程度の騒音低減効果が見込まれます。当社では、2007年度以降に新造・リニューアルする車両に順次導入しています。


(2) 車両搭載機器の低騒音化

 リニューアルを実施する8000形通勤車両3編成で、ブレーキや扉の開閉に必要な圧縮空気を供給するコンプレッサーを低騒音型のものに更新するとともに、滑走防止制御装置※を設置し、列車の走行音の低減を図ります。

※雨天時などレールが滑りやすい状態で急ブレーキをかけると車輪がロックしながらレールの上を滑走し、車輪に騒音の原因となる凹みができることがあります。この滑走を防止するため、一時的にブレーキ力を弱めて、車輪がロックするのを防ぐための装置です。
以上