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No.7704 (Re:7700) 【国土交通省】別紙1:特別保安監査を通じて確認した改ざんの概況 2
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2014-01-21 22:04:47
2.貨物列車脱線事故関係以外の改ざん

A 9保線管理室等における改ざん
 平成25年11月22日の衆議院国土交通委員会で、JR北海道は、9保線管理室等において改ざんが行われたことを公表した。JR北海道においては、11月12日時点での直近の検査データに対して改ざんが行われていないかについて社内で調査しており、その結果として改ざんがあったと認めたものが、この9保線管理室等における改ざんである。
 特別保安監査においては、この9保線管理室等における改ざんについて、監査員が検査データの生データ等の確認及び関係職員からの聞き取り調査を行い、国土交通省として改ざんの確認を行った。確認した事実関係は、以下のとおりである。

@ 改ざんの内容
・副本線の検査データに関し、生データと管理データの不一致を現認したものについて、関係職員に聞き取り調査を行ったところ、6保線管理室等において、整備基準値を超過しているものを整備基準値内の数値に改ざんした等の旨の口述が得られた。
・また、分岐器の検査データに関し、野帳等に記載された生データと保線システム内の管理データの不一致を現認したものについて、関係職員に聞き取り調査を行ったところ、7保線管理室等において、整備基準値を超過しているものを整備基準値内の数値に改ざんした旨、検査しないまま前回検査の数値をそのまま保線システムに入力した旨等の口述が得られた。
・このうち、函館保線管理室では、関係職員に聞き取り調査を行ったところ、特別保安監査の最中であった9月25日、翌26日に監査が行われるとの連絡を受けて、関係資料を準備していた際、監査で発覚することを逃れるため、管理データで整備基準値を超過しているものについて、整備基準値内の数値に改ざんした旨、検査をしていなかった箇所について、管理データとして架空の数値を書き加えた旨、また、補修期限を徒過した補修について、期限内となるよう補修日を書き変えた旨の口述が得られた。さらに、改ざんしたデータに合わせて新たな野帳を作出し、改ざんを隠蔽しようとしたことが確認された。
・また、室蘭保線管理室では、改ざんした旨の口述はあったものの、直近の検査の野帳を破棄し、改ざんしたデータに合わせて新たな野帳を作出していた。このため、直近の検査の1回前の検査について、野帳に記載された生データとその際の管理データを突合し、不一致を現認した。

A 改ざんの動機・背景関係
 改ざんし、又は改ざんを指示した理由について、関係職員に聞き取り調査を行ったところ、
・軌道変位の放置が特別保安監査で発覚することから逃れようとした(函館保線管理室)
・実施基準等に従った補修等を行い切れず改ざんした(9保線管理室等)
・前任者からの引き継ぎ等により慣例化していた(7保線管理室等)
旨の口述が得られた。

B 組織的な関与関係
 他の者の関与について、関係職員に聞き取り調査を行ったところ、4保線管理室等では、当該保線管理室の管理職級の職員が改ざんを指示・黙認した旨の、また、5保線管理室では、担当職員が自分の判断で改ざんした旨の口述が得られた。

B 9保線管理室等以外における改ざん
 特別保安監査においては、9保線管理室等以外でも、改ざんが確認された。確認した事実関係は、以下のとおりである。

・1保線管理室において、関係職員に聞き取り調査を行ったところ、分岐器の軌道変位の検査データについて、従前より、整備基準値を超過した場合には管理データとして整備基準値を入力していた旨の口述が得られた。これに関しては、既に野帳が廃棄されていたため突合作業ができなかったものの、当該箇所で実際に計測された数値とのかい離が大きいことから、改ざんされていることを確認した。

3.過去の検査における事例
 特別保安監査においては、直近の検査だけではなく、過去の検査における事例についても、監査員が調査を行った。確認した事実関係は、以下のとおりである。

・1保線管理室において、管理職級の職員に聞き取り調査を行ったところ、11月12日時点での直近の検査の1回前(6月20日)の検査データについて、整備基準値を超過した箇所があることが社内調査で発覚することから逃れるため、改ざんを行った旨の口述が得られた。これに関して、保存されていた当該検査データの生データと管理データを突合し、不一致を現認した。
・2.及び上記以外の3保線管理室等において、関係職員に聞き取り調査を行ったところ、直近のものについては改ざんを行っていないが、時期は特定できないものの過去において改ざんを行ったことがある旨の口述があった。

4.改ざんの温床となる業務処理の事例
 特別保安監査においては、1.から3.において述べたもの以外に、改ざんの温床となる業務処理の事例として以下を確認した。

A 野帳の不自然な取扱いの事例
・分岐器の軌道変位の検査データについて、廃棄されているとの説明のあった過去の検査の野帳を発見し、この野帳の生データとこれに基づくべき過去の管理データを突合したところ、一部の数値に不一致があった。
・これに関して、関係職員に聞き取り調査を行ったところ、検査後に補修を行い、管理データとしては補修後の数値を入力したために不一致が生じた旨の口述があった。なお、検査当日の作業日誌等を調査したが、補修を行ったという記録は確認できなかった。

B 分岐器の一般検査における事例
・分岐器の一般検査の野帳を調査したところ、「前回値」と書かれた箇所があることを発見した。
・これに関して、関係職員に聞き取り調査を行ったところ、摩耗量について、現場で測定せずに、前年の検査の数値を野帳に記入し、それをそのまま保線システムにも入力していた旨の口述があったが、不一致を現認できる生データが無かったため、突合作業ができなかった。



<参考1>改ざんの概況一覧
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