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No.7550 (Re:7548) 【両備グループ】公共交通再生に向かっての努力
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2013-11-15 16:34:21
6.これは大変だということで、早速公共交通再生に向かっての努力を開始した。

@「公共交通利用のパネルディスカッション」を開催
 着任早々岡山県国道事務所を訪ねて、今後は道路を造ることと同時に、道路を効率的に使うような国民的努力が必要な旨を説明した。すなわち、地方都市の道路渋滞は朝晩の通勤通学時に発生することが多く、その数時間のために道路を造るよりは、バスや電車による公共交通が分担することが国民経済的に有利であると力説した。
 ちょうどTDM(交通需要政策)の推進を国道事務所として考えていたということで、このパネルディスカッションのスポンサーを引き受けてくれて、地元のラジオの生放送で行われた。パネラー(利用者代表)としてご参加の女性が、バスや電車による通勤・通学の占める割合が10%以下と知って、90%以上はマイカーや自転車や徒歩であり、むしろ輸送割合が大部分を占めるマイカーこそが公共交通だと発言された。その上さらに、もうそんな割合しか輸送していない電車・バスはなくても、地方ではマイカーで十分だと言うのだ。この認識には、正直腰が抜けるほどビックリした。彼女は生活ですでに電車・バスを使うことがなく、必要性を全く感じていなかった。
 私は、「公共交通というのは、利用者が多い少ないということではなく、それを必要とする、免許を持たない子供達や、運転できない高齢者の方々に移動手段として社会が備えていなくてはならない交通手段ということです」と説明した。続けて「貴女にとって今はマイカーで生活に支障はないかもしれませんが、お年を召して運転できなくなったときに必要となるのが公共交通なのです」と述べると、渋々納得されたようだった。マイカー時代の恐ろしさは、働き盛りの社会人達が一番、その必要性を痛感していないということだ。いずれは公共交通のお世話になるのだが、世論として声の小さい交通弱者の皆さんだけが必要性を感じる交通手段だということが、ミスリードになった規制緩和と地方の公共交通の衰退に歯止めが掛からなかった一因かもしれない。

A「岡山県公共交通利用を進める県民会議」を結成
 社会的な公共交通復権の錦の御旗として、「岡山県公共交通利用を進める県民会議」を結成していただいた。年に一回、岡山県知事が公共交通で通勤する、月に一度、10社程度の大手企業が公共交通利用の日を定め、社員がマイカーでなく可能な限り公共交通を利用するという程度の運動だが、皆さんのご協力は涙が出るほど嬉しかった。

B「オムニバスタウン」の導入…岡山市、福山市で導入

C魅力ある定期や割引の導入
 パーク&バスライドやE−定期券(エコ定期券)、ことぶきパスやサマーKidsパス(夏休み子供パス)などの魅力ある定期や割引を導入した。

Dフランス生まれの広告付きバスシェルターを設置
 バスシェルター無しのバス停では、お客様にバスを待っていただけないので、雨や風の日でも快適にバスをお待ちいただけるよう、広告を付けることで管理費が無償のバスシェルターを作ってくれる三菱商事との合弁会社エム・シー・ドゥコーのバスシェルターを日本で初めて岡山市に2基設置→それが契機となって全国的に普及。

E「時刻表見えルン♪」(簡易設置型バス時刻表照明装置:LEDランプ使用)の開発
 両備グループのソレックスで電池式の簡易夜間照明(半永久的に使用可能なLEDランプを使用し、半年間メンテナンスフリー)を開発し、どんな既存バス停も5千円弱で、暗闇でも見やすい照明付きバス停に変身できるようになった。

F競合会社との共同運行…クリームスキミングや行き過ぎた競争の改善を図った。

以上、利用促進を図るプランを次々と実施してみたが、お客様の減少は止まらず、それでは目に見えるように「21世紀のまちづくり」を提案することにした。