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No.6986 (Re:6983) 【JR東海】平成25年3月期 決算短信[別紙](3/4)
ほりうち(ccbu8181) 2013-05-01 18:15:07
1.経営成績・財政状態に関する分析
(1)経営成績に関する分析
 当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、一層のサービス充実を図るとともに、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化、設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化・低コスト化等の取組みを続け、収益力の強化に努めました。
 東海道新幹線については、脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を引き続き推進するとともに、さらなる輸送サービスの充実のために、本年2月には、最新の技術開発成果を採用した新型車両N700Aの営業運転を開始しました。在来線については、地震対策や落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進するとともに、新型電車への取替等に取り組みました。また、販売面では、EX−ICサービスのご利用拡大に向けた取組みを推進するとともに、営業施策の積極的な展開に取り組みました。
 超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、第一局面として進める東京都・名古屋市間の環境アセスメントについて、環境影響評価準備書の取りまとめに向けて、引き続き現地調査等を進めました。また、環境アセスメントの手続きに加え、超電導リニア特有の技術や環境の保全等についての理解をより一層深めていただくため、中央新幹線計画に関する説明会を開催しました。
 超電導リニア技術については、山梨リニア実験線の42.8km への延伸と設備更新を推進するとともに、昨年11月に新型車両L0系5両を車両基地に搬入しました。
 海外における高速鉄道及び超電導リニアプロジェクトへの取組みについては、海外の政府機関や企業等に精通した米国の会社と提携し、絞り込みを行った対象路線における事業化に向けたマーケティング活動に取り組みました。
 鉄道以外の事業においては、ジェイアール名古屋タカシマヤについて商品力・販売力を高めるなど既存事業の強化に努めるとともに、名古屋駅新ビル計画等のプロジェクトを着実に進めました。
 さらに、経営体力の一層の充実を図るため、安全を確保した上で設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化・低コスト化の徹底に取り組みました。
 上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、東日本大震災の影響を受けた前期との比較であることに加え、観光をはじめご利用が順調に推移したことから、前期比5.1%増の559億6千8百万人キロとなりました。また、営業収益は前期比5.1%増の1兆5,853億円、経常利益は前期比24.4%増の3,280億円、当期純利益は前期比50.6%増の1,999億円となりました。
 これをセグメントごとに示すと以下のとおりです。

@ 運輸業
 東海道新幹線については、引き続き脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策に取り組んだほか、新幹線車両の全般検査(オーバーホール)を担う浜松工場について、耐震性向上等を目的とするリニューアル工事を推進しました。また、東海道新幹線における土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、平成25年度から大規模改修工事に着手することを決定しました。さらに、本年2月には、最新の技術開発成果を採用した新型車両N700Aの営業運転を開始するとともに、本年3月のダイヤ改正では、新大阪駅27番線の使用を開始するなど、一段と利便性を高めました。
 在来線については、地震対策や落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進しました。また、本年3月のダイヤ改正では、新型電車313系の投入完了により、列車増発や編成両数の見直しを行うなど輸送サービスの充実に取り組みました。
 販売面については、EX−ICサービスのご利用拡大及びエクスプレス予約の会員数拡大に向けた取組みを推進するとともに、既にお持ちのクレジットカードで東海道新幹線のネット予約とIC乗車サービスをご利用いただける「プラスEX」サービスを昨年10月から開始しました。また、TOICAについては、本年3月から全国相互利用サービスを開始するとともに、電子マネー加盟店舗の拡大等に取り組みました。さらに、京都・奈良、東京、伊勢等の各方面へ向けた観光キャンペーンを展開し、これと連動した様々な旅行商品の設定に努めました。また、東海道新幹線の夏休み・冬休み期間におけるお子様連れ専用車両の設定や海外のお客様向け商品の展開、観光施設等と連携した商品の充実等の営業施策に取り組みました。
 当期における輸送実績(輸送人キロ)は、東日本大震災の影響を受けた前期との比較であることに加え、観光をはじめご利用が順調に推移したことから、東海道新幹線は前期比5.9%増の469億3千万人キロ、在来線は前期比1.0%増の90億3千8百万人キロとなりました。
 バス事業においては、競争激化等の状況も踏まえ、安全の確保を前提に業務の効率化等を進めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比5.1%増の12,430億円、営業利益は前期比15.6%増の3,961億円となりました。

A 流通業
 流通業においては、ジェイアール名古屋タカシマヤについて、魅力ある品揃えの充実やお客様のニーズを捉えたサービスの提供等により、収益力の強化に努めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比2.1%増の2,095億円、営業利益は前期比25.7%増の72億円となりました。

B 不動産業
 不動産業においては、昨年10月に名古屋駅新ビル(仮称)の建設に着手しました。また、「東京駅一番街」や浜松駅ビル「メイワン」、新横浜駅「ぐるめストリート」など駅の商業施設をリニューアルし、お客様の拡大に取り組みました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比3.5%増の649億円、営業利益は前期比2.7%減の127億円となりました。

C その他
 ホテル業においては、お客様の志向にあった商品設定、高品質なサービスの提供、販売力強化に努めました。
 旅行業においては、京都・奈良、東京、伊勢等の各方面へ向けた観光キャンペーン等と連動した魅力ある旅行商品を積極的に販売するとともに、インターネットを活用した販売に努めました。
 鉄道車両等製造業においては、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比3.3%増の2,331億円、営業利益は日本車輌製造株式会社の減益等により前期比17.4%減の94億円となりました。
 次期については、引き続き安全・安定輸送の確保を最優先に取り組みます。鉄道事業においては、東海道新幹線の地震対策等を推進するとともに、N700Aの投入やN700系の改造工事等の輸送サービスの充実に努めます。また、グループ全般にわたり、より質の高いサービスを提供し、収益力の強化に取り組みます。一方で、設備投資を含めた業務執行全般にわたりさらなる効率化・低コスト化等に
努め、経営体力の充実を図ります。

 次期の業績予想については、以下のとおりとします。

  売上高  1兆5,980億円 (当期比 0.8%増)
  営業利益  4,270億円 (当期比 0.2%増)
  経常利益  3,470億円 (当期比 5.8%増)
  当期純利益 2,220億円 (当期比 11.0%増)

(2)財政状態に関する分析
 当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末と比べ95億円減の751億円となりました。また、長期債務については、2,267億円縮減し、当期末の残高は2兆6,399億円となりました。

@ 営業活動によるキャッシュ・フロー
 観光をはじめ鉄道のご利用が順調に推移したことから当社の運輸収入が増加したほか、利息の支払額が減少したことなどから、営業活動の結果得られた資金は前期比646億円増の5,123億円となりました。

A 投資活動によるキャッシュ・フロー
 設備投資に伴う固定資産の取得にかかる支出が減少したことなどから、投資活動の結果支出した資金は前期比78億円減の2,621億円となりました。

B 財務活動によるキャッシュ・フロー
 長期債務の返済による支出が増加したことなどから、財務活動の結果支出した資金は前期比512億円増の2,598億円となりました。

(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
 当社は、社会的使命の強い鉄道事業を経営の柱としていることから、長期にわたる安定的な経営基盤の確保・強化に取り組むとともに、長期債務の縮減に努め、財務体質の強化を図ることとし、配当についても安定配当の継続を基本方針としています。
 この方針に基づき、当期の期末配当については、観光をはじめ輸送量が順調に推移したことなどを踏まえ、本年1月に公表した配当予想1株当たり50円を5円増額し、55円とさせていただく予定です。
 また、次期の配当については、上記の基本方針に則って実施していく予定です。
 配当支払いについては、従来どおり毎年3月31日及び9月30日を基準日とする年2回の配当を継続することとし、変更は予定しておりません。