NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1985 (Re:1983) 【JR東海】平成21年3月期 決算短信(3/12)
ほりうち(ccbu8181) 2009-04-29 15:18:54

1.経営成績

(1)経営成績に関する分析

 景気の悪化により経営環境が厳しくなる中、当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、一層のサービス充実を図るとともに、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化、効率的な業務執行等への取組みを続け、収益力の強化に努めました。

 東海道新幹線については、昨年N700系「のぞみ」の毎時1本運転等により整備した列車体系を基に、利便性の高い輸送サービスの提供に努めました。さらに、本年3月に「のぞみ」9本ダイヤの導入をはじめとしたダイヤ改正を実施し、一段と利便性を高めました。また、在来線についても、昨年来整備してきた輸送体系に基づき、名古屋地区の都市圏輸送をはじめ、お客様のニーズに合わせたサービスの提供に努めました。さらに販売面では、昨年3月に東海道新幹線に導入したチケットレスサービス「EX−IC(エクスプレスIC)サービス」の定着に努めたほか、京都をはじめとした各方面への観光キャンペーンを展開し、旅行需要の喚起を行いました。

 また、当社は、日本車輌製造株式会社(以下「日本車輌」という。)との間において、昨年8月、資本業務提携契約を締結するとともに、同社普通株式に対する公開買付けを実施し、10月15日を以って同社を連結子会社とし、相互補完関係を活かして、両社の総合的な技術力を向上させ、企業価値の持続的拡大を図るための諸検討を進めました。

(注)公開買付けの概要等については、「4.連結財務諸表(7)連結財務諸表に関する注記事項」に記載しています。


 超電導リニアによる東海道新幹線バイパス、すなわち全国新幹線鉄道整備法(以下「全幹法」という。)による中央新幹線については、昨年10月に国土交通大臣に地形地質調査の報告を行いました。さらに、同年12月に国土交通大臣より指示のあった全幹法第5条に定める残り4項目の調査を推進しました。また、超電導リニアの技術開発について、さらなる長期耐久性の検証のための走行試験を継続して実施し、技術の完成度を一層高めるための開発を進めるとともに、実用化確認試験を行うための山梨リニア実験線の42.8kmへの延伸と設備の実用化仕様への全面的な変更について、昨年5月に本格的な工事に着手し、これを推進しました。

 鉄道以外の事業においては、昨年3月に開業した「新横浜中央ビル」について、各事業の円滑な運営に努めました。加えて、ジェイアール名古屋タカシマヤについて商品力・販売力の強化に努めたほか、駅構内商業施設のリニューアルや社宅跡地開発を着実に進めるなどグループ全般にわたり一層のサービス向上に努めました。また、昨年10月には農業への参入について、12月には名古屋駅新ビル計画の基本構想について発表し、各施策の実現に向けた取組みを進めました。

 上記の諸施策に取り組んだものの、景気悪化の影響を受け、当期においては、全体の輸送人キロが前期比0.9%減の553億1千8百万人キロとなりました。営業収益は日本車輌の連結子会社化等もあったことから前期比0.7%増の1兆5,702億円となりました。経常利益は減価償却費や物件費の増加等もあり前期比21.0%減の2,181億円、当期純利益は前期比21.1%減の1,260億円となりました。