NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1146 【JR東海】定例社長会見(平成20年7月・名古屋)
ほりうち(ccbu8181) 2008-07-24 16:42:59
JR東海 ニュースリリース

2008.07.22
定例社長会見(平成20年7月・名古屋)


■「車両運動総合シミュレータ」の改良について

 愛知県小牧市にある当社の研究施設に設置された乗り心地を実際に試験できる「車両運動総合シミュレータ」を、大幅に改良し新たな試験を開始することとしました。

 研究施設では「鉄道技術のブラッシュアップ」として、常に鉄道における最先端の技術開発に取り組んでおり、研究施設が保有する大型実験装置により、できるだけ実物大に近い状態を再現しながら現象を検証し、その成果を実際の鉄道の改良に反映させてきています。

 今回ご紹介する「車両運動総合シミュレータ」は、鉄道車両の乗り心地を定置で再現できる装置であり、実際の車両と同じ仕様の客室を備えた模擬車体を、加振装置を使って動かす、世界でも類のないものです。本装置は6年前の研究施設の開所と同時に使用を開始し、乗り心地面で大変好評をいただいているN700系の開発に大きな役割を果たしました。

 今後は車両床下の電気機器からの振動や、レールから受ける車体の速い振動、すなわち高周波振動領域を対象に乗り心地の改良・開発を手がけ、さらに良い乗り心地を追求していくため、大幅にシミュレータの改良を行います。

 車両運動総合シミュレータの改良点については下記のとおりです。

1) 模擬車体を4.5tから3.3tに軽くしました。

2) 模擬車体を揺らす加振装置への振動入力情報を、これまで1秒間に200個だったものを500個まで上げ、よりきめ細かくしました。

 これにより、模擬車体の揺れの速さ、すなわち振動の周波数を5Hzから10Hzに高めるとともに、一部の座席については振動の周波数を40Hzから90Hzまでの高い周波数まで再現可能となります。

 内部はN700系車両の普通車と同様の内装となっています。またグリーン車の腰掛を搭載することも可能です。合わせて、車窓風景や走行音など再現にも最新の技術を導入することで、臨場感を向上しています。

 次に車両運動総合シミュレータを用いた技術開発についてです。


 シミュレータの改良により、細かな振動を再現できるようになることから、今後次のような課題に力を入れて取り組みます。

1) 軌道から伝わる振動のより忠実な再現ができることにより、乗り心地に注目した軌道検査方法などの軌道関係の開発

2) 車両の床下に装備された機器類から伝わる振動の再現ができることにより、床の部材の改良やクッションなど車体構造の最適化

3) 高周波振動も吸収できる、より座り心地のよい腰掛の開発


 この試験装置は、これまで以上に実際の車両の乗り心地を再現することができるほか、計算で求めたような仮想的な車両の動きを体感することもできます。
 例えば、4月にご紹介した新幹線車両の走行を定置で再現できる「車両走行試験装置」と組み合わせて、車両走行試験装置でしか行えないようなさまざまな状況を作り出し、その状況下での乗り心地も、模擬的に体感することができます。このようにして、車両の物理的挙動が、人間が感じる乗り心地という評価にどう因果関係を持つかをより深く研究できることになります。

 また、リニア実験線での車両開発について、これまでも本装置から得られるデータを活用してきたが、将来はリニアの実用化車両の開発への応用も考えられます。

 こうした色々な方法でデータを取得して、今後の軌道の検査方法や車両の開発に生かしていきたいと考えております。



■「タワーズ プロヴァンス・リゾート」の開催について


 名古屋駅のJRセントラルタワーズでは、8月9日(土)から46日間、「タワーズ プロヴァンス・リゾート」と題したイベントを実施します。

 タワーズ2階のタワーズテラスを、フランスのプロヴァンス地方を意識した建造物や植物などで装飾します。

 マルセイユを代表的都市とするプロヴァンス地方は、温暖な地中海性気候で、夏のヴァカンス地として有名です。また、フランスでも独自の文化で知られ、この地方を題材とした絵画や文学作品も非常に多く、日本人にもこの地方のファンも多いと聞いています。

 おしゃれでくつろげる風情の中、タワーズでの夏のひとときを楽しんでいただきたいという思いから今回テーマとしました。

 具体的には、プロヴァンス地方をイメージした建物や噴水などを設けるほか、8月と9月でそれぞれ約30種類の花で彩り、8月は夏、9月は秋の雰囲気を演出します。

 また、期間中の19時から23時には、これらの装飾のライトアップを実施し、昼間とは違った幻想的な雰囲気を楽しんでいただけます。

 同じ時期、高島屋では「夏休みファミリーフェスティバル」や「2008オータムフェスティバル」を開催します。マリオットでは、8月中、各レストランで、ご家族、お子様向けのメニューの提供などを行います。

 先日の会見でご紹介した、12・13階のタワーズプラザの第1期リニューアルも18日にオープンしました。まだオープンして1週間に満たないですが、お客様にご好評いただいていると聞いています。

 この夏は、ぜひプロヴァンス地方の雰囲気のタワーズで、お買い物やお食事をお楽しみいただきたいと思います。



■2008年春の「さわやかウォーキング」の開催実績について


 当社では、沿線各地の名所を歩いて楽しんでいただく「さわやかウォーキング」というイベントを、平成3年秋から毎年気候の良い春と秋を中心に開催しています。

 今年の春については、3月20日(祝)から6月29日(日)まで名古屋・飯田及び静岡地区において「春のさわやかウォーキング」を開催し、83コース(名古屋46、静岡37)、117,284名(名古屋77,306名、静岡39,978名)のご参加をいただきました。

 今春は、折からの健康ブームに加え、メタボリック対策(特定健康診査等の義務化)にも関心が高まりつつある中、専用のメタボ予防チラシ(ウォーキングがメタボ予防に効果的)を作成し、62社の企業への訪問活動を行いました。

 今夏は、名古屋地区では木曽路キャンペーンの一環として「さわやかウォーキング」を7月26日(土)上松駅、8月2日(土)木曽福島駅の2コースを開催します。
 
 静岡地区では夏の開催は毎年実施しており、今年は、7月6日(日)東海道線興津駅と7月12日(土)天竜浜名湖鉄道知波田(ちばた)駅で実施したほか、8月2日(土)御殿場線下土狩(しもとがり)駅、8月23日(土)身延線金手(かねんて)駅、8月31日(日)三島駅の3コースを開催する予定です。

 今秋のウォーキングは、9月上旬から開催し、今まで以上に趣向を凝らしたコース設定並びに、各種イベントによる魅力付けを図ります。

 「地球環境に優しい鉄道」をキーワードとして、詳細は検討中ですが、ウォーキングのモティベーションをより高めていただくようにエコポイント制度を新たに導入し、一人でも多くのお客様に鉄道利用及び「さわやかウォーキング」へのご参加をお願いします。

 さらに静岡地区において、さわやかウォーキング川柳募集、富士山眺望スタンプラリーの開催、らくらくコースの充実、早起きウォーキングの新設を行います。

 なお、秋の詳細については、後日お知らせします。