NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.3172 (Re:3165) 【JR東海】平成22年3月期 決算短信(8/9)
ほりうち(ccbu8181) 2010-05-05 11:11:35

3.経営方針

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、鉄道事業において、安全・安定輸送の確保を最優先に、お客様に選択されるサービスの提供、業務効率化等について不断の取組みを行うことにより、日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在来線網を一体的に維持・発展させるという社会的使命を、長期にわたり安定的かつ十分に果たし続けていくことを基本方針としています。

 さらに、当社グループとしても、名古屋駅におけるJRセントラルタワーズの各事業展開に代表されるように、鉄道事業と相乗効果を期待できる事業分野を中心に事業の拡大を推進し、グループ全体の総合力強化を図ります。


(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループの中核をなす鉄道事業においては、長期的展望を持って事業運営を行うことがきわめて重要であり、財務体質の強化を図りながら、主要プロジェクトを計画的に推進しています。

 東海道新幹線については、これまで世界に比類の無い安全で正確な輸送を提供するとともに、不断に輸送サービスの充実に向けた取り組みを進めています。今後についても、安全・安定輸送の確保を最優先に、引き続き土木構造物の耐震補強や脱線・逸脱防止対策などに取り組みます。また、平成23年度までに、N700系80編成を集中的に投入し、JR西日本が投入する16編成とあわせ、すべての定期「のぞみ」をN700系により運転します。加えて、新大阪駅における大規模改良工事を進めるなど、東海道新幹線のより一層の輸送サービスの充実に向けて取り組みます。

 超電導リニアによる東海道新幹線バイパスについては、当社の使命であり経営の生命線である首都圏〜中京圏〜近畿圏を結ぶ高速鉄道の運営を持続的に完遂し、企業としての存立基盤を将来にわたり確保していくために計画しているものです。現在この役割を担う東海道新幹線は開業後46年を経過しようとしており、鉄道路線の建設・実現に長い期間を要することを踏まえれば、懸念されている将来の経年劣化や大規模災害に対する抜本的な備えを考えなければならない時期にきています。このため、その役割を代替するバイパスについて、自己負担による路線建設を前提として、当社が開発してきた超電導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経営していくこととしています。このプロジェクトの推進に当たっては、安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに安定配当を継続する健全経営を確保します。その上で、先ずは中京圏まで、さらには近畿圏までの実現に向けた様々な取組みを着実に進めます。

 具体的には、全幹法に基づく手続きをはじめ諸準備を着実に実施します。あわせて、既に安全性、長期耐久性など実用レベルに到達している超電導リニア技術について、さらに一段と高い技術レベルへ磨き上げるための取組みを継続するとともに、山梨リニア実験線について、42.8kmへの延伸と設備の実用化仕様への全面的な変更の早期完工に向け、着実かつ迅速に工事を推進します。

 なお、このプロジェクトは自己負担により路線建設を行うものであり、全ての場面における工事費やコストについて、社内に設置した「東海道新幹線バイパス工事費削減委員会」で検証し、安全を確保した上で徹底的に圧縮して進めるとともに、経営状況に応じた資源配分の最適化を図るなど経営的に柔軟に対応していく考えです。

 また、鉄道以外の事業においても、「会社の経営の基本方針」に則り、名古屋駅新ビル計画などの諸施策を着実に推進します。

 あわせて長期債務については、東海道新幹線バイパスの建設に向けた取組みを着実に推進しつつ、引き続き縮減に取り組みます。