NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.3207 (Re:3190) 【JR東海】超電導リニアによる中央新幹線の実現について(18/34)
ほりうち(ccbu8181) 2010-05-19 09:43:30

4)投資効果及び投資回収についての考え方

当社にとって、中央新幹線建設の最大の目的は、現在、東海道新幹線が担っている東京〜名古屋〜大阪間の大動脈輸送を永続的に果たしていくために、東海道新幹線が抱えている経年劣化と自然災害発生に対するリスクを回避することである。

すなわち、投資の目的は、地震対策や降雨対策などと同様に安全対策投資としての性格が第一であって、鉄道事業者が関連事業として行う駅ビルやホテル事業のように投下資金の回収自体を至上命題とするものではない。したがって、中央新幹線建設に対する投資について、単独での投資回収の可否や回収に要する年数は、投資判断の適否のポイントではない。

このようにリスク回避を主目的とする中央新幹線の建設投資において、当社が経
営上、クリアーすべき課題は、局面毎に次の通りである。



1) 建設期間中から開業まで

・中央新幹線の建設費について、東海道新幹線の生み出すキャッシュフローを中心に、一定の長期債務残高の限度内の借入れにより捻出し、健全経営を維持しながら建設を完遂できることが必要である。


2) 開業後

・この局面では、東海道新幹線との一元経営のもと、健全経営を維持しつつ、中央新幹線建設のプロセスで増加した長期債務を減少軌道に乗せることが必要である。

・すなわち、国鉄改革において誕生した当社の使命は、東海道新幹線により日本の大動脈輸送を担うことと同時に、東海道新幹線の収益力により国鉄改革で当社が分担することとなった長期債務(約5.5兆円)を着実に返済していくことであったが、中央新幹線の開業により、一段とリスクに強い永続性のある事業基盤が確立した後においては、東海道新幹線と中央新幹線の一元経営の下、元々の使命であった長期債務の返済をより確実に行っていくことが課題となる。

この2つの局面それぞれにおいて、上記の課題が十分に達成できることについては、既に「3−3)経営諸元」において検証し、確認した通りである。

- 16 -