ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2013-11-15 16:34:35 |
18.井笠鉄道鰍フ突然の経営破綻…発表後、たった19日で事業廃止
昨年(2012)10月12日に発せられた井笠鉄道鰍フ事業廃止による路線バス廃止の報は、岡山県、広島県の公共交通事業者や行政、市民のみならず、全国の事業者と関係行政に戦慄を与えた。廃止が10月31日と差し迫っているばかりでなく、自主整理や更生法ではなく、全国でも稀な経営破綻ということで幕引きされることになったからだ。 両備グループでは、関係行政の方々からの要請を受け、何より、地域の通学や高齢者の移動手段を確保するための緊急避難措置として11月1日〜の緊急代替え運行を決め、対応した。 2002年の規制緩和までは、公共交通事業者は補助金に支えられて潰れないと思われていたし、銀行も躊躇なく資金供与をしてくれた。 規制緩和後、全国の数十社が事業に行き詰ったが、事前に自主整理や更生法で再生されていて、あたかも何もなかったかのように路線の縮小や合理化で再生されていたため、本当の構造問題が理解されないまま今日に至ってしまった。この井笠鉄道褐o営破綻の事例は、井笠鉄道鰍セけの問題ではなく、日本各地で発生する恐れがあることだ。 また、井笠鉄道鰍フ破綻で、このようなケースに対応できるような法律が整備されていないこと、行政的手立てが乏しく、路線を救済する対応が難しいということも判明した。 井笠鉄道の事例が契機となり、実態として、如何に地域公共交通の抜本的対策を国家でするかの本質的な議論になり、交通政策基本法の成立とともに、将来を見据えた法改正や財源の確保に発展することを切望する。 安心して暮らせる地域として、公共交通の役割がこれからも大切であるということが再認識されることを祈っている。 19.地方公共交通の再建スキーム 井笠鉄道の再建スキームとしては、公設民営と公設民託の機能を併せ持った「準公設民営」方式が最適⇒補助金制度を有益に変更する必要がある。 1.補助金政策の弊害対策が必要。 2.資金繰り問題の解決策が必要。 @「結果赤字補填型」補助金から「見込経営努力型」補助金への切替えを図る。 A基本的に固定額とする(原則として更なる赤字補填はしない)。 B売上向上を目指し、利用者増のための営業施策を講じる(経費を削減すれば企業努力のインセンティブとして享受可能)。 C基礎的事業遂行資金が毎月分割で支払われるようにすることが必要。 20.交通政策基本法への流れ あ)前自民党政権時代 中国バスの再建事例等を踏まえ地元自民党議員に地域公共交通の窮状を説明→2007年3月14日自民党国土交通部会地域公共交通小委員会で補助金へのインセンティブ制度と公共交通の活性化案等を陳述→2007年10月地域公共交通の活性化及び再生に関する法律施行…@和歌山電鐵の事例から鉄道では公有民営が法制化、A中国バスの事例から補助金にインセンティブを導入→交通権として地域公共交通再生の財源確保を提案し、自民党マニュフェストへ。 い)前民主党政権時代 民主党マニュフェストに「公共交通」の記述がなく、2009年9月高速道路無料化よりも地域公共交通の健全化が喫緊事案であることを地元民主党議員へ提議→2010年1月20日国土交通省で第4回交通基本法検討会が開催され、抜本的改革の必要性を陳述→2010年11月24日民主党での第2回交通基本法ワーキングチーム会合にて早期成立の必要性を陳述→2011年三党合意成立→2012年11月政権交代により廃案。 う)現政権 2012年10月井笠鉄道鰍ェ経営破綻・事業廃止→地域公共交通の緊急課題が明白化→2013年11月交通政策基本法の成立へ向け審議が本格化。 政権が変わりながらも、この法案がここまでこれたのは、地方の実情を良く知っている国会議員の先生方が、「地域を良くしよう!」、「そのためには地域公共交通をなんとかしなくてはならない。」と与野党問わず思ってくださったお蔭であり、心から感謝しています。 |
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