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No.7553 (Re:7548) 【両備グループ】中国バスと韓国の事例、交通権の考えは人道主義が基本 他
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2013-11-15 16:34:31
11.中国バスの再生で補助金制度へ経営改善のインセンティブが法制化
 次に、広島県で経営難に陥った中国バスの再建を実施して、補助金制度の副作用や、不仲な労使関係が顧客離れを引き起こした主因であることを実証できた。
 再生によって、補助金を1億円以上削減(2008年度)し、事故が8分の1に減少、苦情が4割減少した。過去の苦情が「おほめの言葉」へ変化した。
 中国バスの再生により、地方路線バスの非効率な補助金問題が解明され、補助金に経営改善のインセンティブ導入の法制化が実現した。


12.地域公共交通の現行の維持の仕方は延命治療の効果しかない
 これらの法制化で、地域公共交通の見直し機運と、種々の支援体制ができたが、これで十分かというと、「やっと端緒」なのである。すでに協調補助は、黒字企業には有り難いが、地方の大赤字の路線企業では機能せず、バリアフリー、CNGなどの環境対応、ICカードやバスロケなどの情報化は、東京、大阪、名古屋の大都市しか進められない事態に直面している。韓国のバス事情を視察して分かったことは、日本の制度は、官と民の役割が不明確で、赤字補填が中心の補助金というカンフル注射に頼っている弊害が見えた。


13.韓国での先進的取り組み・・・日本の京都市・名古屋市を研究しての発展系
 韓国では、ソウル市などで、高速道路を川に戻し、マイカーから公共交通への切り替えが実行された。道路を市内バスと郊外バスの専用レーンを中心に切り替え、マイカーは駐車違反等で道路を塞ぐと罰金となり、またマイカーで市内に3人未満で入るとペナルティーとして通行料を徴収される。実施されている公共交通中心の政策は、バス会社が儲からず、社会が便利になるバリアフリーや環境対策、情報化は行政100%で社会的装置として公共が負担とはっきりしており、日本ははるかに対応が遅れている。ICカードを導入しても、お客様便利だけで終わり、顧客が増えないことが幣グループのシステム導入でも分かり、その結果は大赤字の事業となってしまった。


14.交通権の考えは人道主義が基本
 地方公共交通再生の切り札は公設(有)民営だが、これは全く社会主義的だという批判がある。それは、地方の実情と公共交通の使命を理解できない大都市的発想で、高齢化の進む地方では住民の交通権を保障する、最低限の社会的移動手段といえる。本来、「人道主義」という表現が正しいだろう。


15.延命治療型の地域公共交通政策から夢のある政策へ
 後述するエコ交通大国への転換という提案だが、これには財源が一番の問題だ。
 最低年間予算2千億円×10年という計画で、世界で一番進歩した公共交通中心の社会をつくることが、地球環境に寄与し、高齢化社会に希望を与える喫緊の政策だといえる。
財源は、営業権をマイカーに譲った社会的保障と考えるのが先進国では一般的であり、さすれば、日本では道路財源との協調が必要であろう。


16.「エコ公共交通大国構想」の提言
 エコ公共交通大国の実現:年2千億円×10年間=2兆円の国民的プロジェクト地域公共交通は、事業者の約7割が赤字で、高齢化や環境に対応したLRTやバスを導入し、情報化された輸送システムにすることは不可能だ。
 従って、公設民営を軸として、この10年間で国家施策として地域公共交通を次世代への近代化を提言する。すなわち、LRTと電気バスなどで、環境に優しく高齢化に対応したバリアフリー化と、交通のネットワーク化を情報システムで構築する提案だ。


17.具体的な提案:エコ公共交通大国おかやま構想
 政令市となった岡山市内交通を、LRTと新世代バス(電気、LNG等)を中心として、環境と高齢化に対応し、情報システム化した21世紀に誇れる公共交通に大変革することを提言した「エコ公共交通大国おかやま構想」を2010年5月に発表している。
 岡山市の発展は、交通の拠点性を活用した商都・学都・医都としての魅力を発揮するとともに、先進的に環境と高齢化に対応した生甲斐のある都市機能を創ることが急務だ。