NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.7698 (Re:7697) 【国土交通省】JR北海道の安全確保のために講ずべき措置(概要)
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2014-01-21 21:11:01
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省

       JR北海道の安全確保のために講ずべき措置(概要)
             ―JR北海道の再生へ―


                                平成26年1月21日
                                 国土交通省

第1章 JR北海道問題に対する基本認識

1.JR北海道の現状
・79名が負傷した石勝線の脱線火災事故以降、度重なる車両トラブル、運転士によるATSスイッチの破壊、貨物列車脱線事故、整備基準値を超える軌道変位の放置、検査データの改ざん等、鉄道事業者としてあってはならない異常な事態。
・JR北海道は、鉄道事業者としての基本的な資質を、一から問われている状況。

2.JR北海道が果たすべき鉄道事業者としての責務
・一方で、JR北海道が運営する鉄道は、北海道の生活・経済を支える基幹的な輸送機関となっており、代替し得るものがない状況。
・日々の輸送の安全を確保しつつ、構造的な問題に対応するため、総合的かつ抜本的な措置を確実に実施し、徹底的な再生が必要。

3.平成25年9月19日の貨物列車脱線事故に関する問題
・「軌間」の軌道変位を補修することなく放置し、検査データの数値39oを事故直後に25oに改ざん。
・さらに、実施していない軌道の補修作業を行ったように見せるため、作業実績記録を改ざん。
・軌道変位の検査データの改ざん等は、次の2点を包含。
 @ 3ヶ月以上もの間、大幅な「軌間」の軌道変位等を放置していたことは、輸送の安全上重大な問題。
 A 改ざん自体、鉄道の安全管理の基本に反する上、事故直後に改ざんし、行政当局等へ提出したことは、鉄道事業者としてあるまじき重大な問題。

4.JR北海道における改ざん問題に対する基本認識
・改ざんの概況(別紙1)
・脱線事故に関する改ざんの動機・背景は、大きな軌道変位の放置や長年の補修作業の未実施の隠蔽等。
・脱線事故関係以外にも、監査での発覚を逃れようとしたことや常態化していたこと等により、副本線・分岐器に関する軌道変位の検査データを改ざん。
・正確な検査データは、鉄道事業者・鉄道行政双方にとって、輸送の安全確保のための対策実施上の根幹となる事項。
・改ざんは、輸送の安全確保の仕組みを覆すものであり、その動機等のいかんにかかわらず、いかなるものであっても絶対容認できず、根絶を図ることが必要。
・報告徴収・立入検査の制度の趣旨を意図的に否定する行為に対しては、鉄道行政として厳正に対処。

5.JR北海道における安全確保問題に対する基本認識
(1) 軌道変位の放置の実態
・貨物列車の脱線事故現場における大幅な「軌間」の軌道変位等の放置という重大な問題があったが、JR北海道の当初の報告では、270箇所の軌道変位が放置(この報告には分岐器関係が含まれていない等の問題あり)。
・安全運行を確保するため、全検査データの適正性を確認、必要な補修を指示。本線については、確認・補修を完了し、通常の運行。副本線及び分岐器については、所要の作業を完了するまでの間、徐行運転を実施中。
(2) 現場における問題
・特別保安監査では、現場において、基準を超えていることを認識しながらの放置、関係者間の業務分担の不明確・連携不足やチェック・管理体制の不備、基本的な技術上の理解不足等の問題があり、輸送の安全確保のためになすべき作業が行われていないことを確認。関連して、業務実施体制の不備、軌道補修に関する技術の伝承が不十分等の問題も確認。
(3) 本社における問題
・特別保安監査では、本社において、安全統括管理者・安全推進委員会等の安全管理体制が十分に機能していないことのほか、予算や設備投資計画への現場の意見の反映が不足、要員確保及び教育訓練が不十分、規程等の整備状況及び運用が不適切等の問題があり、本社が現場の状況を把握せず、対応を現場任せにしてきたことを確認。
(4) 安全確保問題に関する背景等
・JR北海道の輸送の安全上の問題は、複合的な要素により顕在化。
・現場では、基本的には、個々の職員の責任感や安全意識が欠如。
・本社では、現場の状況を適切に把握せず、資金面や人材面の対応が不十分。
・本社・現場ともに、旧国鉄時代からのやり方を漫然と続け、さらに、それすら維持できず。
・本社では、前年度踏襲の予算編成を行い、現場は、本社へ要望を行う意欲を喪失。
・まずは、経営陣をはじめ全職員が、安全を軽視してきた姿勢について深く反省することが必要。その上で、個々の輸送の安全上の問題に1つ1つ対応するとともに、JR北海道が安全で信頼される鉄道事業者として再生するため、企業体質・組織文化を含めて構造的な問題について改革が必要。

第2章JR北海道が講ずべき措置(別紙2)

第3章国土交通省が講ずべき措置
1.実行性の担保のための取組み
・JR北海道において策定された計画の実行性が確保されてこなかったことから、以下の措置を実施。
 @ JR北海道からの定期的な報告を求め、国としても必要な助言や対策を指示。
 A JR北海道に対する常設の監査体制を整備し、定期的、かつ、随時に監査を実施。
・鉄道・運輸機構からの600億円の設備投資支援の活用を前倒し。

2.JR北海道問題に対する厳格な対応
・第2章のJR北海道が講ずべき措置を、鉄道事業法の事業改善命令及びJR会社法の監督上必要な命令とする等、法令上の厳正な措置。

3.新たな課題への対応
・新たな安全上の課題が生じた場合には、迅速・機動的に対応。
・今後とも、法令上の措置を含め、必要に応じ厳格な対応。
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 別紙1 改ざんの概況
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