NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.9061 (Re:9058) 2.経営方針 3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
ほりうち(ccbu8181) 2015-04-29 23:45:46
2.経営方針

(1)会社の経営の基本方針
 当社は、鉄道事業において、安全・安定輸送の確保を最優先に、お客様に選択されるサービスの提供、業務効率化等について不断の取組みを行うことにより、日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在来線網を一体的に維持・発展させるという社会的使命を、長期にわたり安定的かつ十分に果たし続けていくことを基本方針としています。
 さらに、当社グループとしても、名古屋駅におけるJRセントラルタワーズの各事業展開に代表されるように、鉄道事業と相乗効果を期待できる事業分野を中心に事業の拡大を推進し、グループ全体の収益力強化を図ります。

(2)目標とする経営指標
 当社グループの中核をなす鉄道事業においては、日々の安全・安定輸送を確保すると同時に、長期的にその信頼性を高めるべく、着実に設備投資や社員育成等を進めていくことが必要です。
 中期的な数値目標を設定した場合、情勢等が変化しても数値目標を追うことを優先するあまり、本来の目的である安全・安定輸送の確保と信頼性の向上が等閑にされることがあってはならないので、当社グループは中期的な数値目標を設定せず、年度ごとに長期的な展望に立ち具体的な計画を定めて取り組むこととしています。

(3)中長期的な会社の経営戦略
 当社グループの中核をなす鉄道事業においては、長期的展望を持って事業運営を行うことが極めて重要であり、財務体質の強化を図りながら、主要プロジェクトを計画的に推進しています。
 東海道新幹線については、これまで世界に比類の無い安全で正確な輸送を提供するとともに、不断に輸送サービスの充実に向けた取組みを進めてきました。今後についても、安全・安定輸送の確保を最優先に、引き続き脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を推進するとともに、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、大規模改修工事を着実に推進します。また、「のぞみ10本ダイヤ」による弾力的な列車設定や、新型車両N700Aの投入及びN700Aの機能を反映するためのN700系改造工事の推進など、東海道新幹線の輸送サービスの一層の充実に向けて取り組みます。
 超電導リニアによる中央新幹線については、当社の使命であり経営の生命線である首都圏〜中京圏〜近畿圏を結ぶ高速鉄道の運営を持続するとともに、企業としての存立基盤を将来にわたり確保していくため計画しているものです。現在この役割を担う東海道新幹線は開業から50年が経過し、鉄道路線の建設・実現に長い期間を要することを踏まえれば、将来の経年劣化や大規模災害に対する抜本的な備えを考えなければならない時期にきています。また、東日本大震災を踏まえ、大動脈輸送の二重系化により災害リスクに備える重要性がさらに高まっています。このため、その役割を代替する中央新幹線について、自己負担を前提として、当社が開発してきた超電導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経営していくこととしています。このプロジェクトの推進にあたっては、鉄道事業における安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに安定配当を継続する健全経営を確保します。その上で、まずは中京圏まで、さらには近畿圏までの実現に向けた様々な取組みを着実に進めます。
 また、このプロジェクトは自己負担により進めるものであり、建設・運営・保守など全ての場面におけるコストについて、社内に設置した「中央新幹線工事費削減委員会」で検証し、安全を確保した上で徹底的に圧縮して進めるとともに、経営状況に応じた資源配分の最適化を図るなど柔軟に対応していく考えです。
 さらに、鉄道以外の事業においても、「会社の経営の基本方針」に則り、名古屋駅におけるJRゲートタワー計画などの諸施策を着実に推進します。
 あわせて長期債務については、中央新幹線の建設に向けた取組みを着実に推進しつつ、引き続き縮減に取り組みます。

(4)会社の対処すべき課題
 当社グループにおいては、鉄道事業の原点である安全・安定輸送の確保を最優先に、引き続き、収益力の強化と技術レベルの不断の向上に取り組むとともに、設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化と低コスト化を徹底し、経営体力の充実を図ります。重点的に取り組む施策は、以下のとおりです。
 鉄道事業においては、東海道新幹線における土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を着実に進めます。また、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策、在来線の高架橋柱等の耐震化や浜松工場、名古屋工場、駅舎等の建替・耐震補強工事等の地震対策を着実に推進します。また、地震をはじめとする自然災害等により想定される様々な状況に対応するため、実践的な訓練を実施します。
 東海道新幹線については、「のぞみ10本ダイヤ」を活用して、お客様のご利用の多い時間帯を中心に、需要にあわせたより弾力的な列車設定に取り組みます。また、本年3月に実施した最高速度285km/hへの速度向上により利便性を向上させるとともに、異常時等におけるダイヤの安定性の向上を図ります。さらに、新型車両N700Aを引き続き投入するとともに、平成27年度内にN700系の改造工事を完了します。
 在来線については、本年3月の武豊線電化開業による効率的な車両運用により、利便性の高い輸送体系を定着させます。さらに、キハ25形気動車を引き続き新製し、紀勢本線・参宮線に順次投入するなど、輸送サービスの一層の充実を図ります。また、平成21年10月に被災した名松線(家城駅〜伊勢奥津駅間)について、県・市による治山・治水事業と並行して復旧工事を完了させ、平成27年度内に全線での運行を再開する予定です。
 営業施策については、エクスプレス予約、プラスEXサービスや50+の会員の方を対象とした観光型商品を強化します。また、京都・奈良等の恒久的な観光資源を活かした商品設定や各種キャンペーンの強化、海外からのお客様向け商品の販売など、営業施策の積極的な展開に取り組みます。さらに、北陸新幹線の金沢開業を契機に、東海道新幹線と高山本線や北陸本線を利用した周遊型商品を展開し、需要喚起を図ります。
 旅客関連設備については、名古屋駅・京都駅における新型可動柵の設置工事を引き続き推進し、順次使用を開始します。また、駅におけるエレベーター・多機能トイレの設置や内方線付き点状ブロックへの取替等のバリアフリー設備の整備を引き続き推進します。
 技術力の強化については、技術開発により大規模改修等の設備の維持更新におけるコストダウンをさらに進めるとともに、検査、保守等における省力化、輸送サービス等の充実及び大規模自然災害等に対する的確な予測、検知等につながる実用技術の研究開発を推進します。高速鉄道における技術力を活用し、海外におけるプロジェクトについて、対象路線における事業化に向けたマーケティング活動を推進するとともに、「Crash Avoidance(衝突回避)」の原則に基づく日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めます。また、台湾高速鉄道における技術コンサルティングを引き続き進めます。さらに、超電導リニアシステムの米国北東回廊プロジェクトへのプロモーション活動を推進します。
 超電導リニアによる中央新幹線計画については、昨年10月に国土交通大臣より認可を受けた中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画(その1)について、地域との連携を密にしながら、測量、設計、用地取得等を計画的に遂行します。また、長期間の工期が必要となる品川駅・名古屋駅の両ターミナルなど、必要な準備が整ったところから、工事の安全と環境の保全を重視し、工事を着実に進めます。さらに、中央新幹線の高度かつ効率的な運営・保守体制の構築に取り組みます。
 一方、山梨リニア実験線では、営業線仕様の車両及び設備により、2編成を交互に運用して、長距離走行試験を実施することなどにより、営業運転に対応した保守体系の確立に向けた検証を行うとともに、さらなる超電導リニア技術のブラッシュアップ及び営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り組みます。また、「超電導リニア体験乗車」を引き続き計画的に実施します。
 鉄道以外の事業については、名古屋駅におけるJRゲートタワー計画について、平成27年度冬の上棟に向けて建設を着実に推進します。また、開業に向け、積極的な増収を図るべく運営計画の策定を進めるとともに、広報・宣伝活動に取り組みます。また、駅ビル事業や流通事業の活性化に取り組むなど、当社グループとしての一層の収益力強化に取り組みます。
 地球環境問題については、鉄道本来の地球環境への優位性をアピールするとともに、引き続き大幅な省エネルギーの実現を可能とするN700Aの投入等の地球環境保全に資する諸施策を進め、日常の業務遂行にあたっても省資源・省エネルギーに取り組みます。


3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
 当社グループは、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(日本基準)を適用しております。将来の国際会計基準(IFRS)の適用につきましては、我が国における制度適用の状況を踏まえながら検討を進めていく考えです。


※入力者注:財務諸表については掲載を省略させていただきます。