NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.8684 (Re:8683) 【国土交通省】北陸新幹線 長野〜金沢間の料金上限について
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2014-12-16 22:16:35
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省                            Press Release
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

                               平成26年12月16日
                               運輸審議会審理室

           運輸審議会発表案件

    東日本旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社
    からの鉄道の特別急行料金の上限設定認可申請事案に関
    する答申について

┌──────────┬───────────┬──────────────┐
│   事案の種類   │    申請者     │     決  定     │
├──────────┼───────────┼──────────────┤
│鉄道の特別急行料金の│東日本旅客鉄道株式会社│申請どおり認可することが適当│
│上限設定認可    │           │              │
├──────────┼───────────┼──────────────┤
│鉄道の特別急行料金の│西日本旅客鉄道株式会社│申請どおり認可することが適当│
│上限設定認可    │           │              │
└──────────┴───────────┴──────────────┘

 平成26年10月7日付けで国土交通大臣から運輸審議会に対し諮問がありました東日本旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社からの鉄道の特別急行料金の上限設定認可申請事案について、運輸審議会は審議の結果、本件については申請どおり認可することが適当であるとの結論に達し、本日、国土交通大臣に対して答申しましたので、お知らせします。
 なお、運輸審議会での審議概要についてはHPで公表しております。


                              国運審第33号
                            平成26年12月16日
国土交通大臣 太田昭宏 殿

                      運輸審議会会長代理 鷹箸 有宇壽

               答 申 書

       東日本旅客鉄道株式会社からの鉄道の特別急行料金
       の上限設定認可申請について

                             平26第3001号

 平成26年10月7日付け国鉄事第145号をもって諮問された上記の事案については、平成26年11月13日石川県において公聴会を開催したほか、諮問された上記の事案について審議した結果、次のとおり答申する。

               主  文

 東日本旅客鉄道株式会社の申請に係る北陸新幹線の特別急行料金の設定については、別表に掲げる額を上限として認可することが適当である。

               理  由

 申請者は、全国新幹線鉄道整備法に基づき独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(旧日本鉄道建設公団)により、平成10年3月に着工され建設が進められてきた北陸新幹線の長野駅〜金沢駅の区間について、平成27年3月14日に運輸営業が開始できる見込みとなったので、新幹線の特別急行料金の上限を、北陸新幹線の既開業区間の特別急行料金体系と同額(東日本旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社の営業区間を跨って乗車する利用者については一定の料金をこれに加算した金額)で設定しようとして、本申請を行ったものである。

 当審議会に提出された資料、所管局から聴取した説明等に基づいて検討した結果、北陸新幹線に係る平年度である平成27年度から29年度までの3年間の運賃算定の基礎となるべき適正な総括原価(能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの)及びこれに基づく収支状況の見通しは、次のとおりである。

 適正な総括原価は、人件費・経費147億円、貸付料等524億円、減価償却費52億円、諸税3億円、事業報酬9億円、合計735億円と推定され、これに対し今回の北陸新幹線の開業による他の交通機関からの転移等を考慮して推定した輸送需要に基づいて算定された総収入は、運賃収入323億円、料金収入289億円、運輸雑収入30億円、合計642億円と推定され、差引き93億円の不足を生ずるものと見込まれるものの、経営努力により鉄道事業を継続することはできるものと認められる。

 以上のように、総収入が適正な総括原価を超えるものではないので、この申請は、鉄道事業法第16条第2項に掲げる基準に適合するものと認める。

別表                            (単位:円)
駅名  東京 上野 大宮 熊谷 本庄 高崎 安中 軽井 佐久 上田 長野 飯山
                早稲田   榛名  沢  平
飯山  3,680 3,470 3,470 2,590 2,590 2,590 2,590 2,590 1,840 1,840 1,840 −
上越妙高3,680 3,470 3,470 3,470 2,590 2,590 2,590 2,590 2,590 1,840 1,840 1,840
糸魚川 5,080 4,870 4,120 4,120 4,120 4,120 3,240 3,240 3,240 3,240 2,490 2,490
黒部宇奈5,400 5,190 5,190 4,440 4,440 4,440 4,440 4,440 3,560 3,560 3,560 3,240
 月温泉
富山  5,730 5,520 5,520 5,520 5,520 4,770 4,770 4,770 4,770 4,770 3,560 3,240
新高岡 6,260 6,050 5,520 5,520 5,520 5,520 4,770 4,770 4,770 4,770 3,560 3,240
金沢  6,260 6,050 6,050 5,520 5,520 5,520 5,520 5,520 4,770 4,770 4,440 3,240


                要望事項

1.国土交通大臣は、北陸新幹線の長野駅〜金沢駅間の区間の開業に伴い、東日本旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社が共同で当該新幹線を運営することとなることに鑑み、両社に対し、必要に応じて次の助言・指導を行っていただきたい。

(1)日本有数の豪雪地帯を高速で走行するという環境を踏まえ、日常の安全対策はもとより、地震・事故等の緊急時の対応においても、両社が緊密に連携して安全かつ円滑な輸送を確保するための体制を整備すること。
(2)首都圏と北陸地域の間の鉄道利用者が大幅に増加する見込みであることを踏まえ、各種割引や宿泊切符など、両社の共同企画商品の設定に努め、利用者の利便性・快適性を一層向上させること。

2.国土交通大臣は、北陸新幹線の長野駅〜金沢駅間の区間の開業に伴い、他の路線における利用者の利便性に影響が発生する可能性があることに鑑み、両社に対し、必要に応じて次の助言・指導を行っていただきたい。

(1)大阪駅〜富山駅間の区間など一部の路線において新幹線と在来線の乗換えが必要となることを踏まえ、乗換改札の整備、乗継割引料金の設定など、乗継利便性や料金面について配慮すること。
(2)東京駅〜大宮駅間の区間で東北新幹線と、東京駅〜高崎駅間の区間で上越新幹線と線路を共用することを踏まえ、各路線の利用実態に即して、利用者の利便性に最大限配慮されたダイヤ編成とすること。

3.国土交通大臣は、複数の鉄道会社の営業区間を跨って乗車する場合の新幹線の特別急行料金について、平成27年度には北海道新幹線の開業が予定されていることから、既存の料金との整合、路線の特性等を踏まえて適切に設定されるよう、設定方法等について検討・整理していただきたい。


                              国運審第34号
                            平成26年12月16日
国土交通大臣 太田昭宏 殿
                     運輸審議会会長代理 鷹箸有 宇壽

                 答申書

        西日本旅客鉄道株式会社からの鉄道の特別急行料金
        の上限設定認可申請について

                              平26第3002号

 平成26年10月7日付け国鉄事第145号をもって諮問された上記の事案については、平成26年11月13日石川県において公聴会を開催したほか、諮問された上記の事案について審議した結果、次のとおり答申する。

                主 文

 西日本旅客鉄道株式会社の申請に係る北陸新幹線の特別急行料金の設定については、別表に掲げる額を上限として認可することが適当である。

                理 由

 申請者は、全国新幹線鉄道整備法に基づき独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(旧日本鉄道建設公団)により、平成10年3月に着工され建設が進められてきた北陸新幹線の長野駅〜金沢駅の区間について、平成27年3月14日に運輸営業が開始できる見込みとなったので、新幹線の特別急行料金の上限を、北陸新幹線の既開業区間の特別急行料金体系と同額(東日本旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社の営業区間を跨って乗車する利用者については一定の料金をこれに加算した金額)で設定しようとして、本申請を行ったものである。

 当審議会に提出された資料、所管局から聴取した説明等に基づいて検討した結果、北陸新幹線に係る平年度である平成27年度から29年度までの3年間の運賃算定の基礎となるべき適正な総括原価(能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの)及びこれに基づく収支状況の見通しは、次のとおりである。

 適正な総括原価は、人件費・経費398億円、貸付料等378億円、減価償却費288億円、諸税14億円、事業報酬42億円、合計1,119億円と推定され、これに対し今回の北陸新幹線の開業による他の交通機関からの転移等を考慮して推定した輸送需要に基づいて算定された総収入は、運賃収入377億円、料金収入474億円、運輸雑収入14億円、合計866億円と推定され、差引き254億円の不足を生ずるものと見込まれるものの、経営努力により鉄道事業を継続することはできるものと認められる。

 以上のように、総収入が適正な総括原価を超えるものではないので、この申請は、鉄道事業法第16条第2項に掲げる基準に適合するものと認める。

別表(単位:円)
駅名  東京 上野 大宮 熊谷 本庄 高崎 安中 軽井 佐久 上田 長野 飯山 上越 糸魚 黒部 富山 新
                早稲田   榛名  沢  平          妙高  川 宇奈月   高岡
                                               温泉
糸魚川 5,080 4,870 4,120 4,120 4,120 4,120 3,240 3,240 3,240 3,240 2,490 2,490 1,840  −  −  −  −
黒部宇奈5,400 5,190 5,190 4,440 4,440 4,440 4,440 4,440 3,560 3,560 3,560 3,240 1,840 1,840 −  −  −
 月温泉
富山  5,730 5,520 5,520 5,520 5,520 4,770 4,770 4,770 4,770 4,770 3,560 3,240 2,590 1,840 1,840 −  −
新高岡 6,260 6,050 5,520 5,520 5,520 5,520 4,770 4,770 4,770 4,770 3,560 3,240 2,590 1,840 1,840 1,840 −
金沢  6,260 6,050 6,050 5,520 5,520 5,520 5,520 5,520 4,770 4,770 4,440 3,240 2,590 2,590 1,840 1,840 1,840


                    要望事項

1.国土交通大臣は、北陸新幹線の長野駅〜金沢駅間の区間の開業に伴い、東日本旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社が共同で当該新幹線を運営することとなることに鑑み、両社に対し、必要に応じて次の助言・指導を行っていただきたい。

(1)日本有数の豪雪地帯を高速で走行するという環境を踏まえ、日常の安全対策はもとより、地震・事故等の緊急時の対応においても、両社が緊密に連携して安全かつ円滑な輸送を確保するための体制を整備すること。
(2)首都圏と北陸地域の間の鉄道利用者が大幅に増加する見込みであることを踏まえ、各種割引や宿泊切符など、両社の共同企画商品の設定に努め、利用者の利便性・快適性を一層向上させること。

2.国土交通大臣は、北陸新幹線の長野駅〜金沢駅間の区間の開業に伴い、他の路線における利用者の利便性に影響が発生する可能性があることに鑑み、両社に対し、必要に応じて次の助言・指導を行っていただきたい。

(1)大阪駅〜富山駅間の区間など一部の路線において新幹線と在来線の乗換えが必要となることを踏まえ、乗換改札の整備、乗継割引料金の設定など、乗継利便性や料金面について配慮すること。
(2)東京駅〜大宮駅間の区間で東北新幹線と、東京駅〜高崎駅間の区間で上越新幹線と線路を共用することを踏まえ、各路線の利用実態に即して、利用者の利便性に最大限配慮されたダイヤ編成とすること。

3.国土交通大臣は、複数の鉄道会社の営業区間を跨って乗車する場合の新幹線の特別急行料金について、平成27年度には北海道新幹線の開業が予定されていることから、既存の料金との整合、路線の特性等を踏まえて適切に設定されるよう、設定方法等について検討・整理していただきたい。