ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2013-11-15 16:28:35 |
以下は、衆議院 国土交通委員会 交通政策基本法の審議参考人として陳述された両備グループの小嶋社長が、その際に提出された資料をテキスト部分だけ抜き出したものです。
両備グループ広報からいただきました。 当該陳述については、次の衆議院TVインターネット審議中継で、他の方のものとともに見ることができます。 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=43195&media_type= 鉄道フォーラム・マネジャー 伊藤 博康 国土交通委員会 / 平成25年11月12日(火) 地域公共交通再生の実現へ向けて〜交通政策基本法の必要性 両備グループ代表兼CEO小嶋光信 1.両備グループの概要 明治43(1910)年に西大寺鐵道鰍ニして創立。地域社会への貢献を目指し、暮らしと密接に結びついた事業とともに、美術館運営や地域文化・教育・スポーツ等の発展に寄与することを目的とした助成金贈呈等の文化事業にも取り組む。運輸・観光関連部門、情報関連部門、生活関連部門という3つの部門(コア)を有機的に組み合わせて地域社会の発展に貢献することを目的として経営している。 現在、56社、年商約1200億円、経常利益約49億円、社員総数約8500人の企業グループで、平成22(2010)年7月に創立100周年を迎えた。 2.平成11年の両備バス社長就任時に地方公共交通の行く末を分析して愕然 私は1999年、両備グループの中核企業である両備バス(現・両備ホールディングス)の社長となり、改めて公共交通事業の分析をして驚いた。 それは、路線バスの規制緩和を2002年に控え、日本の公共交通政策が現状のまま続けば、毎年2〜3%の顧客減少が数十年にも及ぶ業界環境の中、補助金をもらわず頑張ってきた両備グループの電車や路線バス事業でさえ、今後、約10年で駄目になると推測されたからだ。もちろん、補助金をいただいていた赤字企業は、規制緩和のときすでに大きな繰り越し欠損を持っていたから、数年しか持たないだろうとも予測していた。 3.先進国で公共交通を民間に任せきったのは日本だけ →ヨーロッパはフランスなどを中心に交通権を認め、公設民営で公共交通を存続 研究の結果、先進諸国の中で、公共交通を民間に任せきっている国は日本だけだということが分かった。特にヨーロッパでは、道路を造り、マイカーを増やす政策をとれば、顧客の半分以上がマイカーに移行し、公共交通は経営できなくなるだろうという末路を知っていた。従って、マイカー時代は、交通弱者という免許を取得できない子ども達や、免許があっても運転できない高齢者や、経済的に運転できない人達を生みだし、マイカー政策だけでは交通の自由な往来ができなくなるという懸念があることを知っていたため、アメリカ型のマイカー社会は交通弱者の交通問題を招来するとして、そこから、フランスなどを中心に、ここに等しく国民に交通を保障する権利、すなわち「交通権」という概念が生み出された。 そして、その交通権を保障する手段として、「公設民営」という方法が一般的にとられ、上下分離により、行政と民間の役割分担が行なわれている。 マイカー普及前には、例えば、売上100−経費90=経常利益10であった地方公共交通のビジネスモデルの方程式が、マイカー時代の到来後、乗客の減少等で売上が落ちて半分(売上50)となったからと言って、必要経費は変わらず(経費90)、赤字(経常利益−40)となる方程式<売上50−経費90=経常利益−40>となったため、必然的に経営は悪化していくことになる。 4.規制緩和と三位一体改革での地方財源の欠乏で、地域公共交通は存続の危機 その状況の違いの理解が十分されないまま、規制緩和により地方では、ほとんど赤字の路線バス事業なのに、補助金制度が大幅に変革し、減少し、退出自由と費用対効果の概念導入で、路線の減少、公共交通企業倒産を招くことになった。唯一の収益源として赤字路線維持のために始めた高速バスも、違法と思われるツアーバスや、高速道1000円政策等で収益力を失って、逃げ場がなくなった。 |
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