NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.5488 (Re:5483) 【JR東海】平成24年3月期 第3四半期決算短信(6/8)
ほりうち(ccbu8181) 2012-02-02 16:21:34

1. 当四半期決算に関する定性的情報
(1)連結経営成績に関する定性的情報
 東日本大震災の影響が残る中、当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、一層のサービス充実を図るとともに、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化、業務執行の効率化・低コスト化等の取組みを続け、収益力の強化に努めました。
 東海道新幹線については、脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を引き続き推進するとともに、一層の利便性の向上に向けて、N700系車両の積極的な投入等に取り組みました。在来線については、本年度中のATS−PT(パターン照査式自動列車停止装置)の全線への導入完了に向けて工事を進めるとともに、さらなる輸送サービスの充実に向けて、新型車両への取替等に取り組みました。また、販売面では、「EX−ICサービス」のご利用拡大に向けた取組みを推進するとともに、新たな営業施策の展開に取り組みました。
 超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、交通政策審議会が、昨年5月12日、国土交通大臣に対し、営業主体及び建設主体として当社を指名することが適当であること、並びに整備計画について超電導リニア及び南アルプスルートによる計画とすることが適当であることを答申しました。これを踏まえて、国土交通大臣は、当社の同意を得た上で、昨年5月20日、当社を東京都・大阪市間の営業主体及び建設主体に指名しました。続いて、当社の同意を得て、昨年5月26日、整備計画を決定し、翌27日に当社に建設の指示をしました。これにより、中央新幹線計画は建設に向け、大きな一歩を踏み出しました。
 建設に向けたステップとして当社は、第一局面として工事を実施する東京都・名古屋市間の環境アセスメントに入り、まず中央新幹線計画段階環境配慮書を公表し、続いて昨年9月27日には中央新幹線環境影響評価方法書を公告しました。さらに、昨年11月21日、当社と各県が役割を分担し中央新幹線の早期実現を推進することを目的に、中間駅の建設費負担について、従来の考え方を転換して当社の負担により建設することを決定し、各県に説明しました。
 超電導リニアの技術については、さらなる長期耐久性の検証のための走行試験を昨年9月30日まで継続して実施しました。加えて、実用化確認試験を行うための山梨リニア実験線の42.8km への延伸工事と設備の実用化仕様への全面的な更新工事を推進するとともに、営業線仕様の新型車両であるL0系の製作を進めました。
 また、技術の完成度を一層高めるための技術開発を進め、昨年9月13日、国土交通省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会において、当社が開発した誘導集電装置が「車上電源として実用化に必要な技術が確立している」との評価を受けました。さらに、これまでの技術開発の成果を踏まえて、昨年12月1日、超電導リニアに関する技術基準が国土交通大臣により制定されました。
 海外における高速鉄道プロジェクトへの事業展開については、海外の政府機関や企業等に精通した米国の会社と提携し、絞り込みを行った対象路線における事業化に向けたマーケティング活動に取り組みました。
 鉄道以外の事業においては、ジェイアール名古屋タカシマヤについて商品力・販売力を高めるなど既存事業の強化に努めるとともに、名古屋駅新ビル計画、農業事業といったプロジェクトを着実に進めました。
 さらに、厳しい経済情勢を踏まえ、安全を確保した上で業務執行全般にわたる効率化・低コスト化の徹底に取り組みました。
 東日本大震災の影響が残る中、上記の施策を推進した結果、当第3四半期連結累計期間においては、全体の輸送人キロが前年同四半期比1.0%減の401億4千6百万人キロとなりました。また、営業収益は前年同四半期比1.6%減の1兆1,218億円、経常利益は前年同四半期比9.7%増の2,394億円となり、四半期純利益は、法人税率引下げに伴う繰延税金資産の取崩しにより法人税等が増加したことなどから前年同四半期比7.4%減の1,227億円となりました。
 当第3四半期連結累計期間の経営成績をセグメントごとに示すと次のとおりです。