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No.1267 (Re:1265) 【阪神】「KOSHIEN NAMING BRICK MEMBERS」について(3/3)
ほりうち(ccbu8181) 2008-09-12 20:39:53

【佐山和夫氏からのメッセージについて】

 「KOSHIEN NAMING BRICK MEMBERS」は、作家であり日本高等学校野球連盟顧問の佐山和夫氏より、米大リーグの球場で実施されている刻印レンガのアイディアをご提案いただいたことを参考に、同球場の担当者が米大リーグの球場を視察し、甲子園球場のリニューアル記念企画として実現したものです。
 本企画の実施にあたり、先述の佐山和夫氏よりメッセージをご寄稿いただきましたので、以下に掲載いたします。



「阪神甲子園球場改装 ファンの協力について」

 作家・日本高等学校野球連盟顧問
 佐山 和夫(72歳)


 野球場というものは、本来、ノスタルジック(郷愁的)なものだ。
 まして、甲子園球場となると、多くの人々にとって、それは「母校」のようなものだろう。
 そこでの大会に胸張って出場した人たちにとってだけではない。出場できなかった者にとってさえ、それは彼らの「母校」だったといえるだろう。なぜなら、甲子園出場を目指して頑張った日々のことは、間違いなく彼らの存在の根幹になっているのだし、たとえ彼らの足がその土を踏みしめてはいなくても、今の足下の土がどこかで甲子園に連なっていることを知っているからだ。
 甲子園はすでに彼らのものになっているのだ。
 ここに応援に来たという人たち、あるいは、息子をここへ送り出した親の思いもまた、それに等しい。野球場とは、そして甲子園球場とは、実に多くの人々の思いを凝縮させた共通の「母校」だと思う所以である。
 自分たちを導き育て上げてくれた母校だと思えば、時代を経ていけばいくほどに、それはますます愛(いと)しくなってくる。戦争をくぐり、大地震に耐え、さらに過酷な時の試練の果てに、老朽の兆しを見せたとなると、さらに愛しい。
 なんとか自分も加わって、その歴史の支え役の一助になりたいと思うのは、心ある者にとっての、ごく自然な感情ではなかろうか。
 ここに一つ、手近でたやすい協力の方法がある。それが今回の計画だ。アメリカの球場などでもよくなされている方法が、最も適切にここ甲子園球場でも行われることは実にうれしい。それが甲子園と自分を結ぶ絆になるからだけではない。野球の歴史の一部に自分もなるということさえもが、このわずか一度の機会で果たされるのだから。(完)



以上