【談話室】汽車旅全般のわだい10 [READ ONLY]
No.637 (Re:633) Re:【肥薩線】矢岳越え(5)
パシフィック(xndp5699) 2007-10-17 21:14:20
みなさん、こんばんは。

吉松からは、鹿児島中央まで、「はやとの風3号」に乗る。昨日、指定は通路側しか飽いていなかったので、あきらめて自由席に乗るかと思っていたのだが、こういうのは最後まであきらめずにみどりの窓口に通うのが鉄則。今朝、羽田を出る前に、京急羽田空港駅を上がったところの第一ターミナル地下中央にある案内所でまた聞いてみた。「しんぺい2号」の窓側への変更はかなわなかったが、この「はやとの風3号」はあっさりと窓側の席が取れた。

ここも20分ほどの待ち時間がある。「いさぶろう3号」から「はやとの風3号」に乗り継ぐ人は少ない。やはりほとんどは、このループ線とスイッチバックのあとは観光バスで目的地へ向かう団体だった。

乗ってきた「いさぶろう3号」は、「しんぺい4号」となって再び人吉へ向かうのだが、今日は日曜日。もうこの時間だと遠くの町へは帰宅の途につく必要もあり、ほとんど客が乗っていない。自由席のベンチは早くもグループに占められていた。そのいさぶろう・しんぺいの車両を、反対側のホームに行って写真を撮る。同好の士がいて、彼もいろいろ写真を撮っている。

南から、「はやとの風4号」がやってきた。黒塗りのボディに、金色の文字や縁取りのエンブレム、号車札、指定席、など、外観はなかなか豪華な雰囲気。乗るのは指定の1号車で、内装はやはり木がふんだんに使われている。こちらは車内の木肌の色が、2号車の自由席より白っぽく、車内が明るくていい雰囲気だ。10A席は、入ってみると車椅子用席で、1人掛けである。なるほど、直前まで留保されていた席が当日になってオープンになったのか、あるいは本当に車椅子での旅客がキャンセルしたのか。指定席は運転台後ろと、ドア間だが、中央に展望部分があるため、数は少ないようだ。全部埋まっているわけではないし、展望部分や後端部にも人がいないため、かなりすいているように見える。

なぜかみな入ってきたままの席で、進行逆向きに座っているので、進行方向があちらだと告げて、この10A席も反転させた。レバーは赤や青で、ちょっと雰囲気に合わないのは、885系白いかもめの革張りグリーン席でも思ったこと。原色で目立つのだが、なんとかならなかったのかな。

タネ車の外観は展望席部分に大きな改造を加えているだけで、ドア周りはそのままである。そのためデッキはないし、このドアサイドの10A席もドアとの間に衝立てがあり、その後ろは作り付けのテーブルになっている。窓側とはいえ、戸袋窓と、半分の長さの上段下降、下段上昇窓だ。季節的に冷房には微妙な気温で、冷房も効いている感じがしないので、車販からさつまビールをもらい、窓をあけて風を受けて楽しむ。

霧島温泉駅、嘉例川駅では少々停車する。沿線の案内も「いさぶろう・しんぺい」のように行われる。9月の調査のときに3回通った空港への道路の上を乗り越し、谷が広がった市街地を進んで、横から日豊本線が寄り添ってくると隼人駅。

ここからは架線下だ。調査の時にチラッと見たステンレスボディの電車はやはり817系だ。いつのまにか鹿児島にも入っていたのだ。今度は錦江湾のむこうに桜島を見ながら進む。もう平野では稲刈りが始まっている。メニュー表に載っていた、プチふくれというのを珈琲つきで頼んでみる。席まで持ってきてくれるというのだが、向きを進行方向にしているため、10A席は袖収納テーブルも無く、置けないので、後端側のベンチシートを使わせてもらう。ここにも小さなテーブルがあり、こうした配慮はよい。紅いもの角切りがちりばめられたカップケーキで、結構うまい。

車窓に移り変わっていく桜島の姿と、南国を思わせる国道のヤシの並木を見ながら進み、城山のトンネルを抜け、定刻に鹿児島中央着。久しぶりに優雅なそして楽しい旅だった。