【談話室】汽車旅全般のわだい10 [READ ONLY]
No.426 (Re:418) 【夏旅行】まずは九州へ(その3北九州をウロウロ)
石田 敏弘(dnmp2980) 2007-07-31 12:18:43
こんにちは、石田 敏弘です。

さて、やっと九州に入りました。このまま「ムーンライト九州」に乗っていれば8時前には博多に到着するのですが、今回の九州行きの目的は博多周辺のビール屋さん巡りなので、到着が早すぎるのです。ちょっと寄り道して時間調整しましょう。

門司で降りて門司港へ行き、レトロ地区を散歩しようかとも考えたのですが、乗換えば6時過ぎには門司港へ着いてしまいます。さすがにこれでは早過ぎ。とりあえずそのまま博多まで乗って時間調整と考えて、車内から北九州の工場地帯の景色を眺めていました。門司から小倉にかけて広がる北九州貨物ターミナル駅のコンテナ群、小倉駅あたりからは北九州のシンボルともいえる製鉄所の高炉が垣間見え、化学工場の複雑な配管と、それらの工場群に通勤する人たちの流れ。エネルギッシュな風景が展開しているこの区間の車窓は、私のお気に入りの一つだったりします。

久々に北九州を眺めたので、もう少し乗ることにしました。折尾で思い出したように途中下車。筑豊本線の末端区間の若松線へ乗り換えます。北九州工業地帯を支えた筑豊炭田エリアは、博多への篠栗線とともに電化されていますが、この区間は相変わらず非電化のディーゼルカーのまま。時代に取り残されたような感じで、その通りややくたびれた工場群の裏側を走っていきます。かつての名残を留める複線なのが、かえって侘しいです。かつて巨大な工場があったのでしょうか、広大な遊休地の向こう側に洞海湾と八幡製鉄所が見えてきました。乗る前の想像通り、鹿児島本線や電化された筑豊本線(福北ゆたか線)から切り離された若松線から活気を感じることは出来ません。日本の工業地帯の中での地位を徐々に下げていった北九州工業地帯を象徴しているように感じました。

終点の若松も寂しい終着駅を想像していましたが、駅はクラシカルなままですが、周辺は新しいマンションが立ち並ぶ住宅街に変貌していました。若松区役所をはじめ行政関係の機関があり、洞海湾入り口の工業地域に近く、また対岸の戸畑へ若戸大橋が通じていて、そちらへの住宅地として機能しているようです。朝の通勤通学時間帯に入ってきたようで、折り返しの折尾行きには賑やかな高校生たちが乗車していきました。

改札を抜けて海沿いへ。石炭で大いに栄えた大正時代のビルが残っていて、「若松バンド」と称して整備が進めらました。歩道も用意され、港湾地帯の雰囲気を感じながら散策することが出来ます。のんびり歩いていたら、若戸渡船の乗り場が見えてきました。対岸の戸畑へ通じていて、ちょうど出航の時間だったので飛び乗ってしまいました。もっとも時刻表を見たら日中でも15分毎に運行しているので、急ぐことはなかったようです。でも巨大な若戸大橋を見上げながら、通勤客に混じっての船旅は、良いアクセントになりました。

石田 敏弘(VZG05000@nifty.com)