牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-10 17:03:21 |
旅のはじまり
一人旅に出たいと思ったときに制約になりそうなものがいくつかあります。 ひとつはお金。最近では安い企画乗車券も多く、これだけ旅情報を報じる情報紙やネット情報もありますからずいぶんお得に旅ができるようになりました。 ひとつは休暇。これは日頃の仕事次第かな。中小企業でIT関連なんてなかなか休めない職場であっても、自発的リフレッシュ休暇くらいいいよね。 そしてそれがクリアされた後の最大の難関が妻の説得。これには時間を掛けなければなりません。貴重な休みを家族のために使わず、自分一人のために使うことは、なかなか許されるものではありません。しかし、ここももしかすると日頃の「パパ」&「よき夫」ポイント次第なのかもしれません。最大の難関をクリアできた今回、約10年ぶりとなる宿泊一人旅を実現することができたわけです。 旅の目的 1980年頃の北海道の国鉄線。青函連絡船を受ける函館を中心とした列車輸送体系から札幌を中心とする列車輸送体系への変換が進められ、千歳空港駅(現南千歳駅)が開業、そして老朽化した車両の取り替えのために多数の車両が導入されていました。781系特急型電車もそのひとつ。ゴールデンイエローのリクライニングシートが並ぶ車内はこれまでの国鉄車両のイメージを大きく変え、俊足ぶりも話題になっていました。 私個人もこの車両をよく使いました。親の実家に帰省するとき、高校の部活の全道大会に出場したとき、就職で本州へ行くときに乗った車両でもあります。あまりにもいつも走っていて全く違和感なくそこにいた781系車両ですが、この改正で無くなってしまいます。 列車が新しくなることはいいこと。早く、快適に移動したいというのはいつの時代も欲求にあります。リニューアルを繰り返したとはいえ後輩たちに比べどうしても劣るその姿を見て早く引退させればいいのにと思っていました。しかし、いざそのときが来るのは寂しい気持ち。今回の旅はこの781系の最後の力走をまだファンに囲まれないうちに見ておきたいということからでした。 平日に出発しなければならない理由があり、しかも予算をたくさんかけられない。そこに飛び込んできたのが「スーパー前売りきっぷ」のチラシ。期間が限られていて2週間前までに発券しなければならないことから敬遠していたきっぷですが、今回の旅にはぴったりなことがわかりました。こうなると欲が出て函館付近の新幹線工事の様子を見たかったり、新幹線開業で廃止されるのではないかという噂の江差線末端に乗車したいなどと考え早速スケジュールを立てます。 発券 9月7日出発を決め、その2週間前にあたる8月30日に切符を購入しました。なかなか駅に行く時間が取れず我が家から比較的近い新琴似駅についたのはもう夜の8時を過ぎていました。札幌市内とはいえ遅い時間ではなかなか面倒な切符を発注するのは気が引けるのですが窓口氏はこちらの要求を理解して親切に発券してくれました。あまり性別でどうこう言うことではありませんが、窓口の女性は知識豊富でこちらが拍子抜けするようにあっけなく発券終了。今まで札幌駅など大きな駅での購入が多かったJR券ですが、これからは新琴似駅をぜひ使いたいですね。 出発 台風が首都圏を直撃してダイヤが乱れているというニュースを見ながら妻は一応は心配している。私は「函館方面に行く」としか言っていない。細かいルートを言ったところでよくわからないであろう妻は「台風に向かっていく」夫をしょうもないひとだと思っているに違いない。「楽しみにしていた旅行で台風が来るなんて日頃の行いが悪いんだよ」と笑って送り出してくれた。 札幌はこの時間は風も弱く列車の運行状況も本州への夜行の運休くらいで影響はなさそう。さすがに出発時に台風が来ていれば私も考えるが、これを逃したらら次はいつあるかわからないし、この切符は列車の運休での払い戻しはしないはずで、強行するしかあるまい。折りたたみ傘だけを持って出発です。 (続く) |
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