Pulse of Silence実行委員会(@Press) 2022-11-16 11:00:00 |
絹本の上に内面を投影した抽象世界を描き、2020年『胎内衆会 ぼくらは何処にかえるのだろう』、2022年『うちにあるもの -Representation-』で、祈りの空間を包容するインスタレーションを建仁寺山内の両足院にて展開してきたアーティスト・山田晋也が、江戸時代の学問所跡「有斐斎弘道館」の数寄屋建築の庭と室内を会場に、大型の平面作品とインスタレーション「うちにあるもの -Representation-」を、2022年11月17日(木)〜23日(水・祝)に展示します。
今回、4度目のコラボレーションとなるのは、新古のものを再構築して「今ここ」を超える境地へと観る者を誘うAntiques & Art MASA。二者の世界が共鳴し、伝統的な空間に「彼岸/此岸」(むこうとこちら)をまたぐ異世界をつくりあげます。 画像1: 山田晋也「Womb into the doorway」_1 画像2: 山田晋也「Womb into the doorway」_2 <絹と水で描く> 現在、日本画の多くが紙本で描かれているが、山田は絹を素地とする古典的な日本画の技法「絹本」で描く。用いているのは帯の下絵制作に用いられる、向こうが透けて見えるほど薄い特殊な絹布だ。その画面を覆うストロークには、山田にとって馴染み深い友禅の技法、引き染めが用いられている。そこへ岩絵の具、膠を用い、ドロッピング、染色用の平刷毛を用いた「たたき技法」などの技を駆使して重層的な色彩を描いてゆく。 山田の作品に特徴的なのは、あたかも水が動きながら自ら描いたような表現だ。薄く溶いた膠が、画面の上を流れて垂れる。岩絵具の粒子が削れて下地を露出させて、艶を欠いた、枯淡な風合いの陰影があらわれる。絵の具を塗り重ねてゆく油彩画と違い、自然の采配や時間の経過を感じさせるこの技法は、観る者に作為や思考を手放させ、瞑想的な心地へと誘う。 <庭と入胎> 会場となる弘道館は、茶室を備えた数寄屋建築。広間から見える茶庭(露地庭)は、日常から非日常の空間である茶室へのアプローチとして機能し、ふたつの世界は「露地門」によって分たれる。今回、山田はこの露地門に「向こう側」を観想させる一枚の作品を据え、さらに苔庭を海に見立てて、東から西へ西方浄土への道行になぞらえ14mの作品を設置する。人が浄土に向かう祈りを、自身のテーマ「胎内回帰」に重ね合わせた、山田の最大の作品となる。 <江戸の儒学者・皆川淇園に捧ぐ> 山田とは4度目のコラボレーションとなるAntiques & Art MASAは、今回、木彫刻「問いをかける人」をインスタレーションで構成する。弘道館は、門弟を三千人持ったといわれる江戸の儒学者・皆川淇園の学問所跡でもある。淇園は「知を開く」という意味で「開物学」という学問を構想し、言葉と音のかかわりから、ものごとの理を追求する独自の知の世界を探求した。Art Masaの、もののテクスチャーを情感に昇華させるクリエイション、そして山田の生の原初をたどる創作とが、この大いなる江戸の知の世界と縁を結ぶことで、稀なるセレンディピティを生み出すことをご期待いただきたい。 ■「うちにあるもの -Representation-」開催概要 展示作家:山田晋也、Antiques & Art MASA 開催日時:2022年11月17日(木)〜23日(水・祝) 開催日時:12:00〜17:00 会場 :有斐斎弘道館( https://kodo-kan.com/ ) 〒602-8006 京都市上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524-1 地下鉄「今出川」駅6番出口から徒歩8分 入場料 :無料(希望者のみ お抹茶代¥1,000) 主催 :Pulse of Silence実行委員会 画像3: 有斐斎弘道館_1 画像4: 有斐斎弘道館_2 <山田晋也 Shinya YAMADA> 1974年 京都生まれ 2019年 神戸アートマルシェ2019参加 2020年 「胎内衆会 ぼくらは何処にかえるのだろう」両足院 建仁寺山内 2021年 『the silence as connections 静寂につなぐ』古美術瀬戸 2021年 『Pulse of Silence』COCON KARASUMA 2022年 『うちにあるもの -Representation-』両足院 建仁寺山内 ― Antiques & Art MASAとのコラボレーション 和装メーカー豊和堂(京都市上京区)の代表取締役、アートディレクターとして、国宝『衵』小葵浮線綾二重織を復元し熊野三山、和歌山県速水神社へ奉納(2001)、伊勢神宮へ『太陽と五十鈴川図』『月と五十鈴川図』『伊勢神宮天外図』奉納(2010)するなど数々の歴史的な重要染織品の復元、奉納をおこなうほか、『ぼくらが日本を継いでいく』展(琳派.若冲.アニメ)(2017〜2018京都高島屋、新宿高島屋)『ゲゲゲの鬼太郎と比叡山の七不思議展』」(2019比叡山延暦寺)など、染色工芸技術とポップカルチャーとのコラボレーションを成功させている。吟遊詩人&ラッパーg-radio名義でニューヨークのストリート、伊勢神宮などでもパフォーマンスを行う。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press |
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