NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.9565 【JR海】「トンネル検査ロボット」を中央新幹線向けに開発
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2023-09-09 00:47:54
                            2023年9月7日
                           東海旅客鉄道株式会社

      「トンネル検査ロボット」の開発について

 当社では、トンネルなどの土木構造物に対して適切な検査や修繕を行うことで健全性を維持し、鉄道の安全・安定輸送を確保しています。このうちトンネルの検査では、現在、コンクリート表面の目視検査に加え、検査員がハンマで壁面を打撃して内部の状態を把握する打音検査も実施しています。この打音検査は、高所作業による身体的負担が大きく、また検査員の経験に基づく技量が求められます。そこで当社は、労働力人口減少への対応や作業の効率化を目的として、中央新幹線への導入を目指し、打音検査のロボットによる自動化に向けて開発を進めてまいりました。このたび、「トンネル検査ロボット」のプロトタイプが完成しましたので、お知らせします。

1.トンネル検査ロボット(別紙)
 「トンネル検査ロボット」は、「接触式検査装置」を取り付けた「ロボットアーム」と「レーザ測量機」で構成されます。

(1)検査の自動化
・トンネル検査ロボットは、自動でトンネル壁面に接触式検査装置を押し当てて打撃を加え、振動を直接取得してコンクリート内部の状態を評価します。

(2)高品質かつ効率的な検査
・現在の打音検査では、壁面をハンマで複数回打撃し、音や感触の違いによりコンクリート内部の状態を評価しています。

・これに対して、ロボットによる音を用いた状態評価は、音を検知する際に周囲の作業音等の影響を受ける可能性があります。このため、壁面を打撃して振動をセンサで直接取得することで、従来と同等以上の正確な検査を行う接触式検査装置を開発しました。併せて、ロボットアームを活用して移動しながら連続的に検査を実施することで、効率的にコンクリート内部の状態を評価することができます。

(3)現地状況に合わせた高精度な制御
・コンクリート内壁の形状のばらつきにかかわらず、接触式検査装置を壁面に一定の力で押し付けて連続的に検査を実施するために、内壁と本装置の位置関係や壁面の状態をレーザ測量機で予め測定し、その結果に従ってロボットアームを自動制御する方式を開発しました。
 ※関連特許取得・出願済

2.効果
・検査員の身体的負担が軽減するとともに、検査後の記録整理等を含めた作業時間も短縮できるため、検査の安全性と効率性が向上します。
・定量的かつ客観的にデータを取得して評価することで、検査員の経験に依存せず正確かつ均質な検査を実現します。

3.今後の展開
・2023年度末まで、小牧研究施設及び山梨実験線での検証試験を実施して基礎技術の確立を目指していきます。その後は、トンネル区間が多い中央新幹線への導入を目指して試験の実施を検討していきます。
・在来線や新幹線のトンネル検査への適用についても検討していきます。
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画像サイズ: 750×1000(43%表示)