ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2022-08-04 23:11:18 |
2022年8月4日
東海旅客鉄道株式会社 新幹線保守用車接近警報装置の改良について 東海道新幹線では、夜間の保守作業における保守用車同士の衝突を回避するために、新幹線保守用車接近警報装置を導入しています。本装置は、GPS機能により衝突の危険を検知し、ブレーキと警報を自動的に作動させ、保守用車を停止させる事故防止装置です。 このたび、老朽化に伴う取替にあわせて本装置の改良を行い、保守用車同士を近接させた状況で運転する際の安全性を向上しましたので、お知らせします。 1.改良の内容(別紙1・2) (1)改良前 保守用車は、作業内容に応じて、軌道モータカーなどの動力を持つ自走車両と材料等を運ぶ鉄製トロなどの動力を持たない運搬用車両を連結して組成されます。 従来の装置は、自走車両の位置情報のみを把握し、保守用車の編成長についての情報は持っていませんでした。そのため、編成同士の衝突を回避するため、自走車両の前後に一定の長さの運搬用車両が連結されていると仮定して、自走車両同士の間隔が安全上十分な距離である150mを下回ることがないよう自動的にブレーキが作動し停止するようにしていました。このため、作業の都合上、複数の自走車両を150m未満に近接させることが必要な場合には、運転者は装置の自動ブレーキ機能を解除した上で、目視等で前方の車両との距離や速度に注意を払いながら、追突しないように保守用車を運転していました。 (2)改良後 保守用車の実際の編成長を測定する機能を導入し、保守用車の編成同士の間隔を正確に測ることができるようにするとともに、保守用車のブレーキ制御システムを改良し、前方の編成との間隔および相対速度に応じて、自動的かつ段階的にブレーキが作動し速度を制御することで衝突を回避できるようにしました。ブレーキ制御システムの改良の結果、編成同士の間隔を最小で10mまで近づけられるようになりました。 これらにより、複数の保守用車が150m未満の距離に近接して運転を行う場合も、運転者の注意力とブレーキ制御システムの両方で事故が防止されるようになりました。運転者は前方や周囲により多くの注意を向けることができるようになり、保守作業における安全性が一段と向上しました。 2.使用開始時期 2022年4月 3.設備投資額 約1.9億円 |
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