NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.8450 【JR海】新幹線車両側に架線電圧を維持するソフトを開発
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2022-06-16 22:17:17
                           2022年6月16日
                           東海旅客鉄道株式会社

     新幹線車両による架線電圧を維持する機能の開発について

 東海道新幹線では、お客様のご利用の増加に伴い、順次輸送力を増強し、2020年3月からは、「のぞみ12本ダイヤ」を実現しています。
 その際、高密度なダイヤで列車を運行することで、架線電圧が低下し列車の安定的な運行に必要な電圧を維持できなくなることを防ぐため、地上の電力設備を増強することで、架線電圧を維持してきました。
 このたび、これまで地上装置で実現してきた架線電圧を維持する機能を、N700Sに搭載する主変換装置の改良により、地上側ではなく、車両側で実現する技術を開発しましたので、お知らせします。これにより、地上の電力設備の削減やCO2排出量の削減が可能となります。

1.架線電圧の維持に関するこれまでの取り組み(別紙1)
・これまでは、架線の電圧低下を抑制するために、変電所の増設に加えて電力補償装置の導入など地上の電力設備の増強を進めてきました。
・現在、電力補償装置を東海道新幹線の沿線に21台設置しています。

2.N700Sに搭載する新機能(別紙2)
・N700S車両に搭載する主変換装置のソフトウェアを改良することで、これまで地上の電力補償装置などで実現してきた架線の電圧低下を抑制する機能を車両で実現し、架線電圧を維持することができる機能を開発しました。
・具体的には、列車本数が増えるにつれ架線の電流の位相が遅れ、電圧が低下する現象について、ソフトウェアの改良により電流の位相の遅れを小さくし、電圧の低下を抑制する機能を搭載します。
・車両で架線電圧を維持する仕組みは、世界初の技術となります。

3.N700Sに搭載する新機能の効果
・架線電圧を維持する機能を車両で実現することにより、一部の変電所や電力補償装置を削減することができます。東海道新幹線の全編成に導入が完了した際には、約1割の変電所と約半数の電力補償装置が削減できる見込みです。
・この仕組みの導入により、年間約2千万kWhの電気使用量を低減でき、これによって約3億円の電気料金と約1万トンに相当するCO排出量を削減できる見込みです。

4.今後の開発スケジュール
・N700Sの一部の営業車に順次本機能を搭載して、2023年2月まで機能確認試験を行います。
・試験の結果を確認した後に、他のN700Sにも本機能の搭載を拡大する予定です。
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