NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.297 【国土交通省】鉄道の日:第14回「日本鉄道賞」
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2015-10-09 00:05:51
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省                            Press Release
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

                              平成27年10月7日
                            鉄道局鉄道サービス政策室

  「鉄道の日」実行委員会による第14回「日本鉄道賞」の受賞者の決定について

 「日本鉄道賞」は、「鉄道の日」創設の趣旨である鉄道に対する国民の理解と関心を深め、国民の強力な支持を得るとともに、鉄道の一層の発展を期することを目的として、平成14年に創設された表彰制度であります。「鉄道の日」実行委員会の日本鉄道賞表彰選考委員会による選考の方法、選考の結果は以下のとおりです。
 なお、受賞者の表彰式は、10月14日(水)の第22回「鉄道の日」祝賀会(於:京王プラザホテル)において行う予定です。

1.選考の方法
 第14回日本鉄道賞の選考は、家田仁東京大学大学院教授を委員長とする表彰選考委員会(委員:8名)によって次の手順を経て行われました。
 まず、各応募案件(計23件)の応募書類を各委員が精読して評価し、評価の高かった計7件をヒアリング対象案件としてスクリーニングしました。
 次に案件毎に応募者よりヒアリングと質疑を行い、改めて各委員が評点しました。その際には、総合的な視点から見て極めて優れたものと、特定の視点からみて優れたもの、の2つの視点から評価しました。各委員の評点の合計値が高かったものについて、委員間でさらに深く議論の上、日本鉄道大賞1件、特別賞3件を選考しました。


【日本鉄道賞表彰選考委員会】(50音順敬称略)
     安部 順一(中央公論編集長)
 委員長 家田  仁(東京大学大学院工学系研究科教授)
     木場 弘子(キャスター・千葉大学客員教授)
     須田 義大(東京大学生産技術研究所教授)
     茶木  環(ライター)
     中村 幸司(日本放送協会解説委員)
     浪瀬 佳子(交通まちづくりの広場
           〜人と環境にやさしい交通をめざす協議会〜運営委員)
     藤田 耕三(国土交通省鉄道局長、「鉄道の日」実行委員会副会長)


2.選考の結果及び選考理由

【日本鉄道大賞】
◎独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、東日本旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、長野県、新潟県、富山県、石川県
 「沿線自治体との緊密なパートナーシップによる北陸新幹線金沢開業」


(選考理由)
 北陸新幹線金沢開業は、沿線地域の半世紀に渡る悲願を叶えるとともに、広いエリアでの交流を生み出し、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、沿線自治体、JR東日本、JR西日本の総合力を引き出すトリガーとなりました。
 本事業は、沿線自治体と鉄道事業者の緊密なパートナーシップにより、地域の個性に富んだ施設の整備と、地元力に溢れたソフト施策を顕著に充実させました。また、駅や都市の特徴・個性を生かした北陸新幹線沿線としての魅力をもとに、広域エリアによる新たな観光ルートの形成など、多くのインパクトも生み出しています。今後沿線の回遊性をより高めるため、地元の方々と鉄道事業者の連携をさらに強め、沿線としての魅力を北陸新幹線が繋いでいくという強い意思に敬意を表し、ここに第14回日本鉄道大賞を授与します。


【日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「被爆と復興の記憶」特別賞】
◎株式会社中国放送、広島電鉄株式会社
 「被爆電車特別運行プロジェクト」


(選考理由)
 あの記憶をいかに後世に伝えるか。
 中国放送と広島電鉄は、被爆しながらも平成18年まで現役として走り続けた「被爆電車653号」を復活させるプロジェクトを進め、この夏23日間、特別運行しました。
 70年前、広島の路面電車は電鉄社員らの努力によって、被爆からわずか3日後、一部の路線で運行を再開しました。すべてが失われたかのような市内を走るその姿は、人々をどれだけ勇気づけたことでしょうか。
 プロジェクトでは、被爆電車の塗装を当時の色に再現するとともに、車内では原爆投下の事実に向き合い、戦後の広島の様子を紹介する映像を流しました。終戦から70年。戦争の記憶が薄れつつあるとされる中、鉄道を通じて原爆の恐ろしさと戦後日本の復興・発展に力を尽くした人たちに思いを致し、平和の尊さを心に刻む取り組みとして高く評価し、ここに特別賞を授与します。


【日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「高度な安定輸送実現」特別賞】
◎京浜急行電鉄株式会社
 「わが国最高水準の安定輸送の実現」


(選考理由)
 わが国の鉄道は、高いサービス水準のみならず、安全性や正確性など様々な点で国際的に非常に高い評価を得ています。その中にあっても、京浜急行電鉄は、極めて利便性の高い高頻度・高速運転や相互直通サービス、そして高い安全性を確保しつつ、列車の遅延を最小限に抑制したわが国で最高水準の安定輸送を着実に提供し社会に大きく貢献してきました。これは、同社が線路配線や信号などの地上施設、運行管理システムなどの設備の改良、先頭車両の動力車化といった、ハード面の改善と工夫を長期にわたって営々と積み重ねてきたことに加え、高度なプロフェッショナリズムへのゆるぎない信念に基づいた「人間優位」の運行管理思想を社内の隅々まで徹底してきた、同社の長年の努力の賜物であります。ここに深く敬意を表し「高度な安定輸送実現・特別賞」を授与します。


【日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞
     「SLを活用した観光鉄道の持続的チャレンジ」特別賞】
◎大井川鐵道株式会社
 「蒸気機関車「トーマス」でSLの新たな魅力を発信」


(選考理由)
 日本のSL動態保存運転の先駆けである大井川鐵道は、約40年間にわたってほぼ毎日、SL運行を継続しています。「保存鉄道は技術と文化の継承」との考えと熱意が受け継がれ、運転や車両メンテナンス、乗客サービスなど様々な努力を重ねて、観光鉄道モデルを構築してきました。乗客の世代交代や減少が進む中で昨年開始された、車両を「きかんしゃトーマス」のキャラクターに変貌させ、新たな魅力を発信する取り組みは、SL体験のない世代にも大きな反響を呼び、地域にも経済効果をもたらしています。今後もSLを活かした観光鉄道として持続し、鉄道を核として、地域の活性化や観光振興を牽引するチャレンジを期待して、本件に特別賞を授与します。
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