ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2017-11-29 20:57:23 |
平成29年11月29日
西日本高速道路株式会社 西日本旅客鉄道株式会社 新幹線用トンネル覆工表面検査システムの共同開発について NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役社長:石塚 由成)とJR西日本(大阪市北区、代表取締役社長:来島 達夫)は、新幹線のトンネル覆工点検をより効率的に実施することのできる新幹線用トンネル覆工表面検査システムの技術開発に着手します。 1.技術開発の目的 NEXCO西日本では、高速道路の安全・安心を確保するため、トンネル覆工コンクリートの状況を確認することを目的に平成16年より画像を用いたトンネル覆工点検システムを開発し運用しております。 このたび、JR西日本は、「新幹線用トンネル覆工表面検査システム(通称:SATUZO)(図-1)」の2002年(平成14年)導入から約14年が経過し、より効率的にトンネル覆工点検を行うためNEXCO西日本が保有する「道路トンネル覆工点検システム “eQドクターT”」の技術をベースにして、新たな「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」を開発することとしました。 なお、NEXCO西日本とJR西日本は2017年11月9日に共同開発協定を締結しています。 2.開発のポイント 今回開発する「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」の技術開発における主なポイントとしては、高速道路と新幹線の異なる主な特徴から、横断勾配(カント)の違いや営業時間外での点検等の項目があげられます。(表-1)。 表-1 開発のポイント 項目:横断勾配(カント)の違いによるカメラフォーカスや照明方式 高速道路用 ・設計速度が異なるため、横断方向の傾きの変化量が新幹線と比べると小さい(約6%以下) 新幹線用 ・設計速度が異なるため、横断方向の傾きの変化量が高速道路に比べると大きい(約14%以下) 項目:点検時における制約条件(撮影速度、撮影位置) 高速道路用 ・撮影速度:100km/h ・撮影位置:車線内で走行位置が固定されない 新幹線用 ・撮影速度:約50km/h※ ※夜間営業時間外に運用する専用車両の走行可能速度 ・撮影位置:レールによって走行位置が固定される 項目:撮影機器の設置制約 高速道路用 ・本システム撮影機器のみの専用車両に搭載(図-2) 新幹線用 ・他の設備診断システムと合わせて車両に搭載するため搭載スペースに制約有 3.今後について NEXCO西日本とJR西日本は、本取組みにおいて開発のポイント(表-1)等を観点として概略検討および設計検討等に計画的に取組み、可能な限り早期に「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」の実用化を目指しています。 さらに、今後も双方が保有する技術の相互交流によって、広く社会インフラの維持管理に活用するための技術開発に取り組んでいきたいと考えています。 (参考) 「eQドクターT」の概要 「eQドクターT」は、超高解像度のトンネル覆工面撮影技術、覆工面展開図の自動貼り合わせ技術、自動ひび割れ抽出技術により、覆工コンクリートの状況をより効率的に確認するためのトンネル覆工点検システムです。最高速度100km/hで走行する車両からトンネル覆工を撮影し、撮影した画像から自動でひび割れを抽出してデジタル図面化することが可能であり、抽出できる最小のひび割れ幅は0.2oです(参考図-1)。トンネル覆工点検車に搭載している撮影システムには、ラインセンサカメラと赤外線照明を採用しており、ラインセンサカメラは高解像度画像の取得を可能とし、赤外線照明は周辺のお客様から見えないため、目立たず安全な走行撮影が可能となっています(参考図-2)。 なお、eQドクターTは、NETIS※に登録されています。(登録番号QS-170015-A) ※ NETIS:国土交通省が運用している新技術情報提供システム 参考表-1 「eQドクターT」の概要 ────┬──────────────────────────── 項目 │ システム概要 ────┬──────────────────────────── 撮影方法│・撮影可能速度100km/h以下 │・ラインセンサカメラで撮影 │・後尾警戒車両 不要(赤外線照明) ────┬──────────────────────────── 検出精度│・0.2mmのひび割れを目視認識可能 │・撮影した画像を自動で貼り合わせ覆工面展開図を作成可能 │・撮影した画像からひび割れを自動抽出可能 ────┴──────────────────────────── 以 上 |
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