まるよし(cfcd3435) 2021-12-08 23:42:18 |
2021年12月8日
東海旅客鉄道株式会社 新幹線レール削正車の新型車両への取替について レールは、新幹線が走行する際に車輪を直接支持し、安全に走行する上で重要な役割を担っており、当社ではレールが折損することのないよう、きめ細かい保守・管理を行っています。具体的には、レール削正車を用いてレール表面を削ることにより、レール表面の傷の発生を予防しています。このたび、新幹線のレール削正車について、削正能力に優れ、かつ環境に優しい新型車両に取替えることとしましたので、お知らせします。 1.レール削正車(別紙1) レール削正車は、車体下部に高速回転する複数の砥石を搭載した大型の保守用車で、低速(時速5km程度)で走行しながら、レール表面を削ります。新幹線では、列車が走らない夜間の時間帯にレール削正車によりレールを削っています。 2.レール削正の目的(別紙2) 列車がレール上を繰返し通過すると、レール表面に疲労層が発生し、傷が生まれやすい状態に変化します。そこで、定期的にレール表面を削り、疲労層を削り取ることで、傷を予防し、レールの寿命を延ばすことができます。 3.新型レール削正車の特長 @レール削正能力の向上(別紙3) 現行の車両では、砥石の圧力と角度を工程終了ごとに調整する必要があるため、1区間の作業につき4工程(2往復)が必要でした。新型車両では、レールの断面を測定し、その形状に応じて砥石の圧力と角度を自動的に調整する「削正支援システム」を国内で初めて搭載し、砥石の個別調整機能を追加したことで、各工程の途中で砥石をきめ細かく自動調整することができ、1区間の作業が3工程(1.5往復)に短縮されます。 これにより、1日に削正できるレールの距離が伸びることで、これまでより傷の発生を予防できるため、傷に起因するレール交換が減少します。その結果、交換されるレールが年間約15t削減され、10年間で約2億円のコスト削減となります。 A砥石の個別停止機能による廃棄砥石の削減(別紙4) 擦り減って交換限度に達した砥石で削正するとレールを傷つけます。現行の車両では、レール内方用砥石は個別に停止することができないため、作業前に新品に交換しています。新型車両では、作業中に交換限度に達した砥石を検知し個別に停止できる機能を搭載しているため、作業後に必要な砥石のみを交換できるようになります。その結果、砥石の廃棄量が年間約5t削減され、10年間で約7億円のコスト削減となります。 B復旧性の向上(別紙5) レール削正車に故障が発生した際に、運転台に詳細な故障内容が表示されるようになります。故障内容を把握して迅速に処置を講じることにより、速やかな復旧が可能となり、始発列車の運行に影響が生じるリスクを低減することができます。 4.レール削正車の諸元 現行 新型 車両外観; (注・画像参照) 削正能力: 600m/h 800m/h メーカー:スペノ・インターナショナル社 スペノ・インターナショナル社 (本社・スイス) (本社・スイス) 保有数 : 2編成 2編成(予定) 5.使用開始時期 1編成目…2023年1月、2編成目…2023年5月 (いずれも予定) 6.配備箇所 浜松レールセンター(静岡県浜松市) 7.設備投資額(概算) 約72億円 (別紙は画像参照) |
|
|