NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.7750 【中央新幹線】瀬戸トンネル工事で切羽の肌落ちなど発生 2名死傷
まるよし(cfcd3435) 2021-10-28 19:03:40
                            2021年10月28日
                             東海旅客鉄道株式会社
                          中央新幹線瀬戸トンネル新設
                                工事共同企業体

   中央新幹線瀬戸トンネル新設工事における切羽の肌落ち等について


 2021年10月27日、中央新幹線瀬戸トンネル新設工事現場の斜坑口(非常口)付近において、切羽の肌落ち等が発生しました。本事象により、トンネル内で作業をしていた作業員1名が死亡、1名が重傷を負いました。概要は以下の通りです。

1.発生日時
 2021年10月27日(水)19時20分頃

2.発生箇所
 中央新幹線瀬戸トンネル新設工事現場斜坑口※付近
 (住所:岐阜県中津川市瀬戸)
  ※斜坑口付近:坑口より約70m地点

3.施工会社
 中央新幹線瀬戸トンネル新設工事共同企業体
 (構成員株式会社奥村組、株式会社淺沼組、TSUCHIYA株式会社)

4.原因
 調査中です。

5.概況
 19:12 発破
 19:20頃 切羽の肌落ち等が発生し作業員2名が巻き込まれる
       警察・消防へ連絡
 19:36 救急車到着
 20:00 作業員2名を中津川市民病院へ搬送
 20:49 作業員1名の死亡を確認

6.被害の状況
 ・中央新幹線瀬戸トンネルの斜坑口において、発破後の地山点検中に切羽の肌落ち等が発生し、作業員2名が巻き込まれ、うち1名が死亡、もう1名が左足首付近を骨折しました。
 ・現在は、切羽の肌落ち等は収まり、事故現場に入れないよう規制しています。
 
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No.7965 (Re:7750) 【中央新幹線】瀬戸トンネル工事での肌落ちによる災害の原因と再発防止策
まるよし(cfcd3435) 2021-12-27 16:31:12
                            2021年12月27日
                             東海旅客鉄道株式会社

           中央新幹線瀬戸トンネル新設工事における
        肌落ちによる災害に関する原因と再発防止対策について


 2021年10月27日、中央新幹線瀬戸トンネル新設工事共同企業体(構成員株式会社奥村組、株式会社淺沼組、TSUCHIYA株式会社。以下、「奥村組JV」という。)が施工する斜坑口付近において発生した切羽からの肌落ちによる災害について、奥村組JVによる、施工箇所の地質状況、肌落ちの発生状況、当日の作業内容・体制についての確認、および原因の調査を踏まえ、当社においてトンネル工事に関する有識者に確認をいただいたうえで、再発防止対策をとりまとめました。概要は以下のとおりです。

1.災害の概要
 2021年10月27日19時20分頃、斜坑口から約70m地点で、作業員が斜坑掘削に伴う発破作業後の残薬有無の点検のために切羽に近づいた際、切羽左肩付近より肌落ちが発生しました。肌落ちした付近にいた作業員Aの足が岩塊に埋まったため、作業員Bが救出に向かったところ、さらに最初の肌落ち箇所近傍で地山の一部が落下し、作業員Aが岩塊の下敷きになり、作業員Bの足が岩塊に埋まりました。作業員Aは病院に搬送後、死亡が確認され、作業員Bも重傷を負いました。

2.災害発生箇所の状況
 掘削は、削孔検層・切羽観察・坑内計測により地山の地質状況を確認しながら行い、災害発生箇所において、支保パターンの変更や補助工法の追加が必要な状況ではありませんでした。また、災害直前の発破前の段階でもコンクリートを吹付けたトンネル壁面に変状等はありませんでした。このため、主に岩盤が露出した切羽区間で発生した肌落ちによる災害であると考えられます。

3.原因
 今回の災害は、露出した地山から浮石が肌落ちしやすい発破直後の残薬有無点検中に起きたものであり、災害発生時の施工箇所における奥村組JVの作業実態が以下のとおりであったことが原因であると考えます。
 ・作業員がずい道等の掘削等作業主任者(発破作業指揮者を兼務)からの指示がない中で、立入禁止範囲に入ってズリ山を登ったこと
 ・立入禁止範囲に作業員が入ったにもかかわらず、切羽監視責任者による切羽の常時監視がなされていなかったこと。また、残薬有無点検の際の切羽監視責任者の配置や常時監視について、奥村組JVによる具体的な指示や作業手順書への明確な記載がなされてなかったこと
 以上から、奥村組JVにおいては、厚生労働省「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン(以下、「ガイドライン」という。)」が施工会社に求める「作業手順書の作成」、「切羽監視責任者の職務」への対応が不十分であったと考えられます。

4.再発防止対策
 原因の分析を踏まえ、奥村組JVにおいて、以下の再発防止対策を講じることとします。
 @今回災害が発生した発破直後の切羽近傍での作業である残薬有無点検について、以下のことを徹底します。
 ・奥村組JVは切羽の立入禁止範囲を明確に定め、作業手順を詳細に作成して作業員に周知し、ずい道等の掘削等作業主任者の指示があるまで作業員を立入禁止範囲内に立入らせないこと
 ・やむを得ず作業員が立入禁止範囲に立入って切羽に近づく必要がある場合は、切羽の浮石を十分に落とし、残薬付近を除き、吹付けコンクリートを施工すること。立入禁止範囲への立入りにあたってずい道等の掘削等作業主任者は、切羽監視責任者による切羽の常時監視がなされていることを確認したうえで、高所にはドリルジャンボのマンケージなどに作業員を搭乗させて、低所にはネットやマット、マンケージなどで作業員の上部を防護した後に、立入らせること
 A残薬有無点検以外の作業についても、やむを得ず立入禁止範囲に立入って切羽に近づく必要がある場合は、ガイドラインにおいて肌落ち防止に対し有効性が認められるとされる地山等級Vまでは鏡吹付けを行ったうえで、以下のことを徹底します。なお、地山等級Wでも、局部的に脆弱部がある場合には鏡吹付けの要否を検討し、必要な場合には実施したうえで、以下のことを徹底します。
 ・再発防止対策@と同様に、立入禁止範囲への立入りにあたってずい道等の掘削等作業主任者は、切羽監視責任者による切羽の常時監視がなされていることを確認したうえで、高所にはドリルジャンボのマンケージなどに作業員を搭乗させて、低所にはネットやマット、マンケージなどで作業員の上部を防護した後に、立入らせること
 ・鋼製支保工の建込時などネット等の設備的防護対策を施すことが困難な場合は、ずい道等の掘削等作業主任者は、切羽監視責任者に加えて、作業員を切羽監視にあたらせて監視体制を強化したうえで、作業を行わせること

 なお、今回の肌落ち災害の発生直後、当社は、山岳トンネルの他の工区において、ガイドラインに則って施工されていることを確認しています。今回の災害に鑑みて、他の施工会社においても工区に応じた肌落ち災害防止対策がさらに強化されるよう、中央新幹線安全推進協議会において、以上の再発防止対策を説明して展開します。

5.今後の予定
 上記内容は岐阜県と沿線市町に報告済みです。
 岐阜県が当社からの報告内容を確認した後に工事を再開する予定です。
 
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