NEWS RELEASE：JR＆私鉄 ４
| まるよし(cfcd3435) 2021-05-27 23:10:01 |
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Ｎｅｗｓ Ｒｅｌｅａｓｅ
２０２１年５月２７日 西日本旅客鉄道株式会社 公益財団法人鉄道総合技術研究所 変電所の電圧制御試験の実施について 〜輸送品質の向上とさらなる省エネルギーをめざして〜 ＪＲ西日本は、輸送品質の向上とさらなる省エネルギーをめざし、公益財団法人鉄道総合技術研究所（以下、鉄道総研）が開発した、変電所の電圧制御装置の実用化に取り組んでまいりました。この度、ＪＲ西日本と鉄道総研は共同で、実用化に向けた試作機を製作し、実設備を使った試験を実施しましたのでお知らせします。 １．装置の概要 今回の電圧制御装置※は、変電所から列車に送る電気の電圧制御を可能とするものです。 電圧を一定に保つことができると、列車の加速力悪化を招く架線電圧の低下が抑えられ、輸送品質の向上につながります。また、列車の運転に合わせて電圧を自由に変化させることができると、ブレーキをかけた際に発生する回生電力が有効活用でき、さらなる省エネルギーにつながります。 ※鉄道総研が2015年から2018年にかけて東北電力の特許技術を基に開発したものです。 ２．今回の成果 昨年度末、草津線甲賀変電所に設置した試作機による列車走行試験を実施した結果、電圧を任意の大きさで一定に保てることが確認できました。この結果を受け、2022年度に同変電所へ実用機を導入するめどが立ちました。 ３．今後の展望 今後は、列車の運転に合わせた電圧の制御手法の開発を進めて、鉄道のさらなる省エネルギーの推進に取り組み、環境長期目標「ＪＲ西日本グループゼロカーボン2050」で掲げた、2050年でのＪＲ西日本グループ全体のＣＯ２排出量「実質ゼロ」をめざします。 ※試験結果などの技術情報は【別紙】をご覧ください。 【別紙】技術資料 １．電圧制御装置の概要 （１）名称 整流器用可変リアクトル（略称：SR-VR） （２）概要 可変リアクトルと制御装置で構成され、整流器用変圧器と整流器の間に接続します。可変リアクトルは直流の制御電源による磁束制御によってインダクタンスを調整でき、見かけ上の電圧降下率を変化させて電圧を制御します。 ２．導入の効果 （１）【輸送品質の向上】列車の加速力改善 列車が加速し、変電所の出力電流が大きくなると変電所の電圧は低下します。SR-VRにより変電所の電圧を一定に保つことで、列車上の架線電圧の低下を抑えることができ、加速力が改善できます。 （２）【さらなる省エネルギー】回生電力のさらなる有効活用 現状、列車がブレーキをかけた際に生じる回生電力は、変電所を越えられず、他の列車で活用できない場合があります。SR-VRにより一時的に変電所の電圧を低くすることで、変電所を越えて回生電力を送ることができるようになり、消費エネルギーが削減できます。 ３．試験の結果 SR-VRを設置した甲賀変電所において、変電所の電圧の制御設定値を標準電圧1500Vに対し、1500Vまたは1600Vにそれぞれ設定したときの、変電所の出力電流と電圧の測定例を下図に示します。なお、同図には、一般的な変電所での測定例も併記しています。通常の変電所では、変電所の出力電流が大きくなるにしたがって電圧がほぼ直線的に低下することが確認できます。一方、甲賀変電所では制御設定値が 1500V または 1600V のいずれの場合でも、SR-VR の自動制御により、加速中の列車へ電流を送り出している領域（この例では変電所の出力電流が300A以上）で、変電所の電圧が制御設定値に従ってほぼ一定に維持されており、SR-VR が有効 に機能していることが確認できます。 また、上図のデータの内、変電所の出力電流が300Aから1500Aまで変化した際の、変電所の電圧の変動幅を下図に示します。本結果から、一般的な変電所の測定例では90V程度の電圧変動幅となっていますが、甲賀変電所の電圧変動幅は20V以下に抑制されていることが確認 できます。このように、変電所の電圧を維持することで、変電所から離れた位置で加速している列車上の架線電圧の低下を抑えることができます。 将来的に、変電所の電圧を列車の運転に合わせて制御することで、回生電力の有効活用も期待されます。 |
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