NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.5431 【JR海】ハイブリッド方式の次期特急車両の名称はHC85系に
ほりうち(ccbu8181) 2019-10-29 21:45:46

                        2019年10月28日
                         東海旅客鉄道株式会社


 ハイブリッド方式の次期特急車両の名称・シンボルマークの決定について


 特急「ひだ」「南紀」に使用している85系気動車の取替えに備え、2019年12月に試験走行車が完成します。完成後、基本性能試験、長期耐久試験等を行い、その試験結果を踏まえて投入を予定している「ハイブリッド方式の次期特急車両」の名称とシンボルマークが決定しましたのでお知らせします。

1.名称

 「HC85系」

 「HC」は、エンジンで発電した電力と蓄電池の電力とを組み合わせ、モーターを回して走行する“ Hybrid Car(ハイブリッド方式の車両) ”であることを表しています。1989年の導入以降、30年以上に亘って多くのお客様にご利用頂いた従来方式の「85系気動車」から、技術革新したハイブリッド方式の85系という意味を込めて、「HC85系」と名付けました。

2.シンボルマーク(別紙)
(1)シンボルマークのデザイン
 HC85系は、安全性・快適性の向上や環境負荷の低減などを図りつつ、ハイブリッド方式の鉄道車両として国内初の最高速度120km/hでの営業運転を目指しており、シンボルマークのデザインは、車両の特徴を色と形状で表現しています。

・特急「ひだ」「南紀」が走行する飛騨・南紀の沿線の紅葉や海を赤と青の2色で表現。
・対比する2色のグラデーションがハイブリッド方式を表現。
・車両の外観の帯に合わせた3本の流線形状が“スピード感”を表現。

(2)シンボルマークの配置箇所
 先頭車両に各2箇所(両側)、1編成あたり4箇所に配置します。
 シンボルマークは、試験走行車にも使用します。

3.今後の計画
 試験走行車完成後、1年間を目途にハイブリッド技術の確立に向けた基本性能試験、長期耐久試験等を行います。その試験結果を踏まえて、量産車は2022年度を目標に投入する予定で検討を進めています。
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 別紙
画像サイズ: 1099×823(29%表示)
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No.6865 (Re:5431) 【JR海】HC85系量産車、2022〜2023年度に64両新製
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2021-01-21 19:51:07
                           2021年1月20日
                           東海旅客鉄道株式会社

        ハイブリッド方式の次期特急車両「HC85系」
              量産車の新製について

 当社では、国内で初めてハイブリッド方式で最高速度120km/hでの営業運転を目指す次期特急車両「HC85系」について、試験走行車を製作し約1年間に亘って試験走行を実施してきました。これまでの試験走行結果を踏まえ、特急「ひだ」「南紀」に使用している85系気動車の後継車として、このハイブリッド方式の次期特急車両「HC85系」を投入することとし、量産車の新製を決定しましたので、お知らせします。

1.ハイブリッドシステムの特長(別紙1)
 高い走行性能、高効率化、小型化を追求したハイブリッドシステムを搭載します。

(1)安全性の向上
・気動車特有の推進軸等の回転部品が不要となり、安全性が向上します。

(2)快適性の向上
・エンジン数の削減、駅停車時のアイドリングストップを導入することにより、車内・車外の静粛性や乗り心地が向上します。
・気動車特有のギアチェンジが解消されることにより、乗り心地が向上します。

(3)環境負荷の低減(85系気動車比)
・蓄電池の電力を加速時や停車時に使用することに加え、必要出力に応じて燃費の良いエンジン回転数を使い分ける制御の改善等の結果、約35%の燃費向上を実現します。
・燃費向上等により、排出するCO2を約30%、NOXを約40%削減するなど、排出ガスを減少させます。


2.車両性能の向上
 ハイブリッドシステムの搭載に加え、新技術の導入等により、以下の性能向上を図ります。

(1)安全性・安定性の向上
・一体成型により、重要溶接部を約6割削減(313系電車比)した新型台車枠を搭載し、安全性を向上させます。
・車両各機器の動作状況等のデータを車両基地等へリアルタイムに送信することに加え、台車等の振動状態を常時監視する振動検知装置を導入することで、状態監視機能を強化し、異常の発生の抑制や迅速な検知を実現します。
・踏切で障害物と衝突して脱線した場合においても、列車の逸脱を抑制して対向列車と衝突することを防ぐ踏切用逸脱防止ストッパを設置します。
・自動列車停止装置(ATS−PT)等の主要機器を2重系化し、信頼性を向上します。
・鹿等との衝撃による列車遅延対策として、鹿衝撃緩和装置の設置やエンジン等重要機器の防護強化等を実施します。
・車内防犯カメラを客室、デッキに設置し、セキュリティを強化します。

(2)お客様サービスの向上(別紙2)
@静粛性・乗り心地の向上
・エンジンを車体に取り付けるための防振ゴムを2重化する防振構造を新規開発し、車内に伝わるエンジン振動と騒音を低減します。また、2重床構造の防音床を導入することで、車内騒音を低減します。
・軸ばねの硬さを上下・左右・前後の方向ごとに設定できる台車構造を採用し、上下・左右の振動を低減します。さらに、グリーン車にはセミアクティブダンパを搭載し、地点に応じて制御を最適化することで左右振動を大幅に低減します。
A利便性の向上
・全車両で無料Wi -Fiサービスを提供するとともに、全座席にコンセントを設置します。また、全車両に収納容量を増やした荷物スペースを設置し、利便性を向上します。
・カラーユニバーサルデザインに対応したフルカラー液晶ディスプレイの車内表示器を設置し、案内情報の視認性を向上します。また、ハンドル形電動車椅子に対応した車椅子スペースや多機能トイレを設置する等、バリアフリー設備を充実させます。

3.投入計画
 2022年度から2023年度にかけて64両を新製し、順次投入します。
 ※これに加え、試験走行車(4両)を量産車仕様に改造し営業運転に使用します。

4.工事費
 約310億円(車両製作費、試験走行車改造費、付帯工事費を含む)


別紙1

ハイブリッドシステムの特長

<(1)安全性の向上>
・エンジンで発電した電力と蓄電池に貯めた電力を組み合わせ、電動機で走行することにより、気動車特有の推進軸等の回転部品が不要となり、安全性が向上

<(2)快適性の向上>
・エンジンを1両あたり2台から1台に削減するとともに、駅停車時のアイドリングストップを導入することにより、車内・車外の静粛性や乗り心地が向上
・気動車特有の変速機によるギアチェンジが解消されることにより、乗り心地が向上

<(3)環境負荷の低減>
・ブレーキ時に電動機によって電力を発生させる回生ブレーキを導入し、その回生ブレーキで発生した電力を蓄電池に充電し、加速時や停車時に使用・必要出力に応じて燃費の良いエンジン回転数を使い分ける制御の改善等、試験走行で得られた知見を活用 
⇒約35%の燃費向上
・燃費向上に加え、エンジンの給気圧力・温度等に応じて燃料噴射量等をきめ細かく調整する制御を導入
⇒排出するCO2を約30%、NOXを約40%削減するなど、排出ガスを減少
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