ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2019-10-04 23:58:40 |
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省 Press Release Ministry of Land,Infrastructure,Transport and Tourism 令和元年10月4日 鉄道局 安全監理官 『乗客の安全確保を最優先』 〜猛暑時の停電による駅間停車への対応についての取りまとめ〜 国土交通省では、猛暑時の停電による駅間停車への対応を検討するため、首都圏の鉄道事業者を集めた緊急の会議を開催し、この会議における情報共有・意見交換等を踏まえ、その対応の考え方を取りまとめました。 平成30年6月に発生した大阪北部地震では、多数の列車が駅間停車し、乗客の救済に時間を要したことが課題となりました。このため、国土交通省では、三大都市圏の鉄道事業者が参加した連絡会議(※1)を開催し、駅間停車列車における乗客の早期救済等に係る取組みの対応例を昨年11月に取りまとめ、鉄道事業者ではこれを踏まえて各種取り組みが行われているところです。 ※1:大阪北部地震における運転再開等に係る対応に関する連絡会議(平成30年6月29日開催) 一方、本年8月6日に京成電鉄で発生した猛暑時の停電による駅間停車では、空調の停止によって一部の乗客が熱中症となり病院に搬送される事態となりました。 このような事態は、電化区間の路線ではどこでも起こり得るものであり、来年の東京オリンピック・パラリンピックを迎えるにあたり、猛暑時の停電による駅間停車への対応を検討するため、国土交通省では、首都圏の鉄道事業者を集めた緊急の会議(※2)を開催し、この会議における情報共有・意見交換等を踏まえ、その対応の考え方を以下のとおり取りまとめました。 ※2:猛暑時の停電による駅間停車への対応に関する意見交換会(令和元年8月9日開催) 【取りまとめの概要】 1.乗客救済の早期判断 ・復旧に要する時間の見通しや列車内の状況を総合的に勘案した乗客の車外への救済の必要性の判断を、より迅速に行う。 ・復旧見通しがつく以前に乗客の救済を開始する判断を行った場合、乗客の救済作業を優先するために運転再開が遅れること等が想定されるが、乗客の安全を最優先する観点からやむを得ないことである。 2.乗客の早期救済(対応策の例) ・降車用の梯子等を適切に配備する。救済に迅速に向かうための自転車等を駅に配備する。 ・消防や警察等の関係機関との連絡体制を再確認し、早期の降車・誘導への支援が得られる体制を整える。 3.車内の温度上昇の抑制(対応策の例) ・車両の新造等の際、窓の開く構造、ブラインドの設置、赤外線を遮断するガラスの使用等の対応が考えられる。 4.その他 ・特に鉄道の電気設備については、部品点数が多く二重系が困難等の構造的な特性もあり、リスクの極小化にも限界があると考えられるため、乗客による降車の協力、乗客同士の助け合い等、乗客による自助・共助の対応にも期待。 国土交通省としましては、旅客の安全輸送を確保し、利用者に安心感を与えるための取組に引き続き取り組んで参ります。 |
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ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2019-10-04 23:59:15 |
猛暑時の停電による駅間停車への対応についての取りまとめ
令和元年10月4日 国土交通省 列車の走行中に、トラブルや自然災害等によって列車が駅間停車した場合、乗客の安全確保を最優先としなければならない。 平成30年6月に発生した大阪北部地震では、多数の列車が駅間停車し、乗客の救済に時間を要したことが課題となった。このため、国土交通省では、三大都市圏の鉄道事業者が参加した連絡会議(※1)を開催し、駅間停車列車における乗客の早期救済等に係る取組みの対応例を昨年11月に取りまとめた。(別添) *伊藤注:添付画像をご覧ください。 ※1:大阪北部地震における運転再開等に係る対応に関する連絡会議(平成30年6月29日開催) 一方、本年8月6日に京成電鉄で発生した猛暑時の停電による駅間停車では、同社は乗客の早期救済に努めたが、空調の停止によって一部の乗客が熱中症となり病院に搬送される事態となった。 このような事態は、電化区間の路線ではどこでも起こり得るものであり、来年の東京オリンピック・パラリンピックを迎えるにあたり、猛暑時の停電による駅間停車への対応を検討するため、国土交通省では、首都圏の鉄道事業者を集めた緊急の会議(※2)を開催し、この会議における情報共有・意見交換等を踏まえ、その対応の考え方を以下のとおり取りまとめた。 ※2:猛暑時の停電による駅間停車への対応に関する意見交換会(令和元年8月9日開催) 1.昨年の取りまとめにおける駅間停車発生時の対応例 昨年の大阪北部地震では、通勤時間帯の7時58分に発生したことから、関西地区で合計245列車が駅間停車し、約21万人が救済されることとなった。救済人数が多かったこともあり、救済に時間を要したことが課題となったことから、昨年11月の取りまとめでは、降車・誘導の迅速化のための対応例として以下を示し、各鉄道事業者によりそれぞれの運行形態や車両・設備の状況等を踏まえて各種取り組みが行われているところである。 ○乗客の協力を得ながら迅速に降車誘導を実施するとともに、降車・誘導に必要な設備を車両や駅等に配備する。 ・当該列車に乗り合わせた関連会社や他事業者社員などの鉄道関係者等の乗客に降車誘導の応援を要請する。また、必要に応じて一般の乗客の協力も得る。 ・駅や踏切が近くにあるなど避難経路の安全が乗務員だけで確保できる場合には、応援係員を待たずに降車誘導を開始する。 ・車両の編成両数に応じて乗客の降車に必要な梯子や照明等の設備を車両や駅などに配備する。 ○非常時に円滑かつ迅速な対応ができるよう、一般の乗客の協力を得ながら降車・誘導する場合も含め、実践的な訓練を関係者とともに定期的に実施する。 2.猛暑時の対応 猛暑時の停電により列車が駅間停車した場合には、空調の停止によって車内の温度が急激に上昇することから、より迅速な乗客の救済が必要となる。そのため、上記1.に加えて、以下の対応が必要になると考える。 なお、以下の(2)、(3)は対応策の例であり、各鉄道事業者がそれぞれの路線の運行形態や車両・設備の状況等を踏まえて必要な取り組みを行うものである。 (1)乗客救済の早期判断 ・列車が駅間停車した場合、各鉄道事業者は、復旧に要する時間の見通しや列車内の状況等を総合的に勘案して乗客の車外への救済の必要性を判断しているが、猛暑時には、より迅速にこの判断を行うことが必要である。 ・また、復旧に要する時間の見通しがつく以前に乗客の救済を開始する判断を行った場合、乗客の救済作業を優先するために運転再開が遅れ、また運転再開の見込みを示すことも困難になることが想定されるが、乗客の安全を最優先する観点からやむを得ないことである。 (2)乗客の早期救済 ・乗客の早期救済のため、車内や駅等に降車用の梯子等を適切に配備する(※)。 (※)梯子の代わりにロングシートの座席をスロープとして使用したり、高齢者等の救済用のシューターを配備している事業者もある。 (※)緊急時には、あらかじめ乗客へ案内を行った上で、降車用の梯子等を使用せず、直接軌道へ降車する方法もある。 ・駅間停車した列車に迅速に向かうための自転車等を駅に配備する。 ・降車した乗客は近隣の駅や踏切等へ誘導することとなるが、駅間距離の長い高架橋区間など線路外に脱出する施設がない箇所については、非常用階段などを整備する方法もある。 ・消防や警察等の関係機関との連絡体制を再確認し、早期の降車・誘導への支援が得られる体制を整える。 (3)車内の温度上昇の抑制 ・車両の新造等の際には、窓の開く構造、ブラインドの設置、赤外線を遮断するガラスの使用など、路線や既存の車両の状況に応じた対応が考えられる。 (4)その他 ・以上を進めるにあたり、当然のことながら鉄道事業者においては、停電を発生させないよう、引き続き電気設備や車両等の点検や維持更新作業を入念に行う等の取組が必要である。 ・一方、昨年7月の「鉄道の輸送トラブルに関する対策のあり方検討会」のとりまとめの中で示したように、特に鉄道の電気設備については、部品点数が多く二重系が困難等の構造的な特性もあり、リスクを極小化するにも限界があると考えられる。このため、猛暑時の停電のような非常時においては、上記(2)や(3)の鉄道事業者の対応に加え、以下のような乗客による自助・共助の対応にも期待したい。 ▲1.に記載した乗客による降車の協力の他、高齢者、障がい者、妊婦の方々への配慮など乗客同士が助け合うことも重要である。 ▲車内では乗客の混雑緩和が温度対策にもなることを踏まえ、時差通勤など混雑時の利用を避ける取組が望まれる。 |
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