NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.2104 【JR海】平成29年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
ほりうち(ccbu8181) 2017-04-29 21:31:20
平成29年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

平成29年4月27日
上場会社名 東海旅客鉄道株式会社          上場取引所 東 名
コード番号 9022 URL http://jr-central.co.jp
代表者     (役職名)代表取締役社長   (氏名)柘植 康英
問合せ先責任者 (役職名)執行役員広報部長  (氏名)丹羽 俊介 TEL 052-564-2549
定時株主総会開催予定日  未定        配当支払開始予定日  未定
有価証券報告書提出予定日 未定
決算補足説明資料作成の有無:有
決算説明会開催の有無   :有


1.平成29年3月期の連結業績(平成28年4月1日〜平成29年3月31日)  (百万円未満切捨て)
(1)連結経営成績(%表示は対前期増減率)
┌─────────┬──────┬──────┐
|         |29年3月期|28年3月期|
├─────────┼──────┼──────┤
|売上高  (百万円)|  1,756,980|  1,738,409|
|       (%)|     1.1|     4.0|
├─────────┼──────┼──────┤
|営業利益 (百万円)|   619,564|   578,677|
|       (%)|     7.1|    14.2|
├─────────┼──────┼──────┤
|経常利益 (百万円)|   563,973|   511,455|
|       (%)|    10.3|    19.5|
├─────────┼──────┼──────┤
|当期   (百万円)|   392,913|   337,440|
|純利益    (%)|    16.4|    27.8|
└─────────┴──────┴──────┘
(注)包括利益
    29年3月期 399,856百万円(28.0%)
    28年3月期 312,322百万円(16.1%)

┌─────────┬──────┬──────┐
|         |29年3月期|28年3月期|
├─────────┼──────┼──────┤
|1株当たり  円銭|      |      |
|当期純利益    |  1,996.52|  1,714.64|
├─────────┼──────┼──────┤
|潜在株式   円銭|      |      |
|調整後1株当たり |      |      |
|当期純利益    |   −   |   −   |
├─────────┼──────┼──────┤
|自己資本    %|      |      |
|当期純利益率   |    15.7|    15.6|
├─────────┼──────┼──────┤
|総資産     %|      |      |
|経常利益率    |     9.2|     9.8|
├─────────┼──────┼──────┤
|売上高     %|      |      |
|営業利益率    |    35.3|    33.3|
└─────────┴──────┴──────┘
(参考)持分法投資損益
     29年3月期 363百万円
     28年3月期 560百万円

(2)連結財政状態
┌─────────┬──────┬──────┐
|         |29年3月期|28年3月期|
├─────────┼──────┼──────┤
|     (百万円)|      |      |
|総資産      |  7,052,675|  5,268,544|
├─────────┼──────┼──────┤
|     (百万円)|      |      |
|純資産      |  2,726,729|  2,352,566|
├─────────┼──────┼──────┤
|        %|      |      |
|自己資本比率   |    38.2|    44.0|
├─────────┼──────┼──────┤
|       円銭|      |      |
|1株当たり純資産 |  13,681.22|  11,770.36|
└─────────┴──────┴──────┘
(参考)自己資本
     29年3月期 2,692,451百万円
     28年3月期 2,316,397百万円

(3)連結キャッシュ・フローの状況
┌────────────┬──────┬──────┐
|            |29年3月期|28年3月期|
├────────────┼──────┼──────┤
|営業活動による (百万円)|      |      |
|キャッシュ・フロー   |   580,565|   601,495|
├────────────┼──────┼──────┤
|投資活動による (百万円)|      |      |
|キャッシュ・フロー   | △1,909,547| △ 170,305|
├────────────┼──────┼──────┤
|財務活動による (百万円)|      |      |
|キャッシュ・フロー   |  1,425,188| △ 242,847|
├────────────┼──────┼──────┤
|現金及び現金同等物 円銭|      |      |
|期末残高        |   414,559|   318,352|
└────────────┴──────┴──────┘


2.配当の状況
┌────────┬───┬───┬───┐
|        |28年|29年|30年|
|        |3月期|3月期|3月期|
|        |   |   |(予想)|
├─┬──────┼───┼───┼───┤
| |第1  円銭| − | − | − |
|年|四半期末  |   |   |   |
| ├──────┼───┼───┼───┤
|間|第2  円銭| 60.00| 65.00| 70.00|
| |四半期末  |   |   |   |
|配├──────┼───┼───┼───┤
| |第3  円銭| − | − | − |
|当|四半期末  |   |   |   |
| ├──────┼───┼───┼───┤
|金|期末  円銭| 65.00| 70.00| 70.00|
| ├──────┼───┼───┼───┤
| |合計  円銭|125.00|135.00|140.00|
├─┴──────┼───┼───┼───┤
|     百万円|24,625|26,595|×××|
|配当金総額(合計)|   |   |×××|
├────────┼───┼───┼───┤
|       %|  7.3|  6.8|  7.9|
|配当性向(連結) |   |   |   |
├────────┼───┼───┼───┤
|純資産    %|  1.1|  1.1|×××|
|配当率(連結)  |   |   |×××|
└────────┴───┴───┴───┘


3.平成30年3月期の連結業績予想(平成29年4月1日〜平成30年3月31日)
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
┌───────────┬─────┬─────┐
|           |第2四半期|  通期  |
|           | (累計) |     |
├───────────┼─────┼─────┤
|売上高    (百万円)│  870,000│ 1,760,000│
|         (%)│    0.4│    0.2|
├───────────┼─────┼─────┤
|営業利益   (百万円)│  329,000│  583,000│
|         (%)│  △ 1.7│  △ 5.9|
├───────────┼─────┼─────┤
|経常利益   (百万円)│  289,000│  499,000│
|         (%)│  △ 5.8│  △11.5|
├───────────┼─────┼─────┤
|親会社株主に (百万円)│  203,000│  348,000│
|帰属する当期純利益(%)|  △ 5.6|  △11.4│
├───────────┼─────┼─────┤
|1株当たり    円銭│ 1,031.51│ 1,768.30|
|当期純利益      |     |     |
└───────────┴─────┴─────┘

※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):無
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
  @会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 :無
  A@以外の会計方針の変更        :無
  B会計上の見積りの変更         :無
  C修正再表示              :無
(3)発行済株式数(普通株式)
         ┌───────┬───────┐
@期末発行済株式数|29年3月期   |28年3月期   |
 (自己株式を含む)| 206,000,000株| 206,000,000株|
         ├───────┼───────┼
A期末自己株式数 |29年3月期   |28年3月期   |
         |  9,200,886株|  9,200,776株|
         ├───────┼───────┼
B期中平均株式数 |29年3月期   |28年3月期   |
         | 196,799,182株| 196,799,236株|
         └───────┴───────┘


(参考)個別業績の概要

1.平成29年3月期の個別業績(平成28年4月1日〜平成29年3月31日)
(1) 個別経営成績(%表示は対前期増減率)
┌─────────┬──────┬──────┐
|         |29年3月期|28年3月期|
├─────────┼──────┼──────┤
|売上高  (百万円)|  1,380,770|  1,357,991|
|       (%)|     1.7|     3.9|
├─────────┼──────┼──────┤
|営業利益 (百万円)|   595,821|   557,689|
|       (%)|     6.8|    17.3|
├─────────┼──────┼──────┤
|経常利益 (百万円)|   541,289|   490,548|
|       (%)|    10.3|    23.3|
├─────────┼──────┼──────┤
|当期   (百万円)|   381,898|   328,658|
|純利益    (%)|    16.2|    26.3|
└─────────┴──────┴──────┘
┌─────────┬──────┬──────┐
|         |29年3月期|28年3月期|
├─────────┼──────┼──────┤
|1株当たり  円銭|      |      |
|当期純利益    |  1,938.56|  1,668.31|
├─────────┼──────┼──────┤
|潜在株式   円銭|      |      |
|調整後1株当たり |      |      |
|当期純利益    |   −   |   −   |
└─────────┴──────┴──────┘

(2)個別財政状態
┌─────────┬──────┬──────┐
|         |29年3月期|28年3月期|
├─────────┼──────┼──────┤
|     (百万円)|      |      |
|総資産      |  6,814,357|  5,059,426|
├─────────┼──────┼──────┤
|     (百万円)|      |      |
|純資産      |  2,582,839|  2,219,910|
├─────────┼──────┼──────┤
|        %|      |      |
|自己資本比率   |    37.9|    43.9|
├─────────┼──────┼──────┤
|       円銭|      |      |
|1株当たり純資産 |  13,110.81|  11,268.53|
└─────────┴──────┴──────┘
(参考)自己資本
     29年3月期 2,582,839百万円
     28年3月期 2,219,910百万円

2.平成30年3月期の個別業績予想(平成29年4月1日〜平成30年3月31日)
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
┌───────────┬─────┬─────┐
|           |第2四半期|  通期  |
|           | (累計) |     |
├───────────┼─────┼─────┤
|売上高    (百万円)│  688,000│ 1,383,000│
|         (%)│    0.3│    0.2|
├───────────┼─────┼─────┤
|営業利益   (百万円)│  323,000│  561,000│
|         (%)│  △ 1.0│  △ 5.8|
├───────────┼─────┼─────┤
|経常利益   (百万円)│  283,000│  478,000│
|         (%)│  △ 5.0│  △11.7|
├───────────┼─────┼─────┤
|       (百万円)│  198,000│  335,000│
|当期純利益    (%)|  △ 6.1|  △12.3│
├───────────┼─────┼─────┤
|1株当たり    円銭│ 1,005.07│ 1,700.50|
|当期純利益      |     |     |
└───────────┴─────┴─────┘
※決算短信は監査の対象外です

※業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
1.本資料に掲載されている業績予想等の将来に関する記述は、発表日現在において入手可能な情報及び計画に基づき作成したものであり、実際の業績は今後の経済情勢等によって予想数値と異なる場合があります。業績予想に関する事項については、添付資料4ページ、5ページをご覧下さい。
2.決算補足説明資料はTDnetで同日開示するとともに、当社ホームページにも掲載することとしています。また、平成29年4月28日開催予定のアナリスト向け説明会で配布する資料を、開催後速やかにTDnet及び当社ホームページに掲載する予定です

※入力者注:各種機器での表示を考慮し、表の体裁を大きく変更しています。

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No.2105 (Re:2104) 目次 1.経営成績等の概況
ほりうち(ccbu8181) 2017-04-29 21:32:31
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況………………………………………………………… 2
(1)当期の経営成績の概況………………………………………………… 2
(2)当期の財政状態の概況………………………………………………… 5
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当………………… 5
2.経営方針…………………………………………………………………… 6
(1)会社の経営の基本方針………………………………………………… 6
(2)中長期的な会社の経営戦略…………………………………………… 6
(3)会社の対処すべき課題………………………………………………… 7
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方……………………………… 8
4.連結財務諸表及び主な注記……………………………………………… 9
(1)連結貸借対照表………………………………………………………… 9
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書……………………………11
(連結損益計算書)……………………………………………………………11
(連結包括利益計算書)………………………………………………………12
(3)連結株主資本等変動計算書……………………………………………13
(4)連結キャッシュ・フロー計算書………………………………………15
(5)継続企業の前提に関する注記…………………………………………17
(6)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示……………17
(7)連結財務諸表に関する注記事項………………………………………17
(連結貸借対照表関係)………………………………………………………17
(セグメント情報等)…………………………………………………………17
(1株当たり情報)……………………………………………………………20
(重要な後発事象)……………………………………………………………20
5.個別財務諸表………………………………………………………………21
(1)貸借対照表………………………………………………………………21
(2)損益計算書………………………………………………………………23
(3)株主資本等変動計算書…………………………………………………25



1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
 当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、サービスの一層の充実を図るとともに、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化、設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化・低コスト化等の取組みを続け、収益力の強化に努めました。
 東海道新幹線については、大規模改修工事や脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を引き続き推進したほか、「のぞみ10本ダイヤ」を活用して、需要にあわせたより弾力的な列車設定を実施するとともに、N700A(2次車)の投入を完了し、続いてN700A(3次車)の投入を開始しました。
 在来線については、高架橋柱の耐震補強等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進しました。
 営業施策については、エクスプレス予約等の会員数・ご利用拡大に向けた取組みを引き続き推進するなど積極的な展開に取り組み、昨年8月には会員数が300万人を超えました。
 超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、品川・名古屋間の工事実施計画(その1)について、路線の中心位置を明らかにするための中心線測量や、地権者等の方々に対する用地に関するご説明を行い用地取得を進めるとともに、品川駅(非開削工区)や名古屋駅(中央東工区・中央西工区)、都市部非常口等(5か所)、山岳トンネル(3か所)について工事契約を締結しました。また、地域にお住まいの方々へ工事概要や安全対策等についてご説明するための工事説明会を開催するなど、契約を締結した工区において今後の工事着手に向けた準備を進めました。さらに、工期が長期間に亘り難易度が高い、南アルプストンネル新設(山梨工区)工事、品川駅新設(北工区・南工区)工事を進めたことに加え、南アルプストンネル新設(長野工区)工事、岐阜県の日吉トンネル新設(南垣外工区)工事、名古屋駅新設(中央東工区・中央西工区)工事、神奈川県の梶ヶ谷非常口及び資材搬入口新設工事等について、本格的な土木工事に着手しました。資金面では、昨年11月に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令に基づき、中央新幹線の建設の推進のため、総額3兆円(予定)の財政投融資を活用した長期借入の申請を独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「鉄道・運輸機構」という。)に対して行い、これまでに鉄道・運輸機構より、平成28年度に予定していた1兆5,000億円の借入を行いました。引き続き、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視して着実に取り組みます。
 一方、山梨リニア実験線においては、営業線仕様の車両及び設備により、2編成を交互に運用して、引き続き長距離走行試験を実施することなどにより、営業運転に対応した保守体系の確立に向けた検証を行うとともに、超電導リニア技術のブラッシュアップ及び営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り組みました。また、2月には国土交通省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会において、超電導リニアの技術開発については、「営業線に必要な技術開発は完了」していると改めて評価されました。さらに、「超電導リニア体験乗車」を引き続き計画的に実施し、多くの方々に速度500km/h走行を体験していただきました。
 海外における高速鉄道プロジェクトへの取組みについては、米国テキサスプロジェクトの開発主体に対し、昨年設立した現地子会社「High-Speed-Railway Technology Consulting Corporation」による技術支援を開始しました。また、引き続き超電導リニアシステムの米国北東回廊プロジェクトへのプロモーション活動を推進しました。加えて、台湾高速鉄道における今後の技術コンサルティング実施に向けて取り組みました。さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを推進しました。
 鉄道以外の事業については、ジェイアール名古屋タカシマヤにおいて商品力・販売力を高めるとともに、駅商業施設のリニューアルを行うなど既存事業の強化に努めました。また、JRゲートタワーについて、昨年11月7日にオフィス入居を開始し、本年4月の全面開業に向けて引き続き営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。
 さらに、経営体力の一層の充実を図るため、安全を確保した上で設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化・低コスト化の徹底に取り組みました。
 上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、ビジネス、観光ともにご利用が堅調に推移したことから、前期比1.3%増の622億6千9百万人キロとなりました。また、営業収益は前期比1.1%増の1兆7,569億円、経常利益は前期比10.3%増の5,639億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比16.4%増の3,929億円となりました。
 これをセグメントごとに示すと次のとおりです。

@ 運輸業
 東海道新幹線については、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を着実に進めました。地震対策については、敷設工法を開発したことにより施工が可能となった区間を対象に加えて脱線・逸脱防止対策に取り組むとともに、新幹線車両の全般検査(オーバーホール)を担う浜松工場について耐震性向上等を目的としたリニューアル工事が概ね完了し、新ラインでの全般検査を開始しました。また、「のぞみ10本ダイヤ」を活用して、お客様のご利用の多い時期や時間帯に、需要にあわせたより弾力的な列車設定に努め、多くのお客様にご利用いただきました。さらに、セキュリティの更なる向上を図るため客室内等への防犯カメラ増設工事に取り組むとともに、N700A(2次車)の投入を完了し、続いてN700A(3次車)の投入を開始しました。加えて、平成26年度から取り組んできた新型自動改札機への取替を全駅で完了するとともに、品川駅・新横浜駅での可動柵の追加設置工事を進め、新横浜駅4番線ホームへの設置を完了するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
 在来線については、高架橋柱の耐震補強等に加え、在来線車両の全般検査等を担う名古屋工場の耐震化工事等の地震対策を引き続き進めるとともに、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進しました。また、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせ弾力的に増発や増結を行いました。さらに、橋上駅舎化及び自由通路新設の計画を引き続き進め、高山駅等で供用開始するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
 新幹線・在来線共通の取組みとしては、駅の天井の地震対策に取り組むとともに、自然災害等の異常時に想定される様々な状況に対応すべく実践的な訓練等を実施しました。また、通訳・翻訳機能も備えたお客様ご案内用のタブレット端末を駅等に導入し、サービス向上に取り組みました。
 営業施策については、エクスプレス予約やプラスEXの会員の方を対象に、観光型商品である「IC早特タイプ21」、「EXファミリー早特」、「一緒に☆こだま早特」を拡充してご家族やグループでのご利用も含めた需要喚起を図ったほか、エクスプレス予約のスマートフォンアプリの提供を開始し、利便性の向上に努めました。また、京都、奈良、東京に加えサミット開催で国内外から注目を集めた伊勢志摩等の観光資源を活用した各種キャンペーンやこれと連動した旅行商品を強化しま
した。さらに、本年話題となっている井伊直虎ゆかりの地である浜松市、静岡県と連携したキャンペーン等を行った「Japan Highlights Travel」や、「Shupo」により地域と連携した販売促進に取り組むとともに、訪日外国人旅行者向け「周遊きっぷ」を拡充し、お客様のご利用拡大に努めました。加えて、TOICAについて、電子マネー加盟店舗の拡大等に取り組みました。そのほか、
エクスプレス会員以外のお客様にもご利用いただける新幹線の新しいネット予約・チケットレス乗車サービス「スマートEX」について、本年9月末のサービス開始に向けた準備を着実に進めました。
 当期における輸送実績(輸送人キロ)は、ビジネス、観光ともにご利用が堅調に推移したことから、東海道新幹線は前期比1.4%増の529億9百万人キロ、在来線は前期比0.6%増の93億5千9百万人キロとなりました。
 バス事業においては、安全の確保を最優先として顧客ニーズを踏まえた商品設定を行い、収益の確保に努めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比1.6%増の1兆3,804億円、営業利益は前期比6.5%増の5,931億円となりました。

A 流通業
 流通業においては、ジェイアール名古屋タカシマヤで、魅力ある品揃えや、お客様のニーズを捉えたサービスの提供等により収益力の強化に努めた一方、「タカシマヤ ゲートタワーモール」開業を見据えた開業以来の大規模リニューアルを2月に完了するとともに、本年4月17日の「タカシマヤ ゲートタワーモール」の開業に向けて営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比1.1%減の2,370億円、営業利益は前期比14.2%減の75億円となりました。

B 不動産業
 不動産業においては、JRゲートタワーで昨年11月7日にオフィス入居を開始しました。また、本年4月7日の「ゲートタワープラザ レストラン街」やビックカメラ、ユニクロ、ジーユー等の開業、17日の「タカシマヤ ゲートタワーモール」、「名古屋JRゲートタワーホテル」の開業に向けて営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。さらに、駅の商業施設においては「東京駅一番街」でリニューアルを行い「にっぽん、グルメ街道」をオープンするなど競争力、販売力の強化に取り組みました。加えて、愛知県岡崎市内の社宅跡地を開発した分譲マンション「セントラルガーデン・レジデンス岡崎」の販売を進めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比3.9%増の686億円、営業利益は前期比16.0%増の181億円となりました。

C その他
 ホテル業においては、魅力ある商品の設定及び販売力強化に取り組むとともに、海外からのお客様のニーズも踏まえたより高品質なサービスの提供に努めました。また、本年4月17日の「名古屋JRゲートタワーホテル」の開業に向けて、営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。
 旅行業においては、京都、奈良、東京に加え伊勢志摩等の各方面へ向けた観光キャンペーン等と連動した魅力ある旅行商品を積極的に販売しました。
 鉄道車両等製造業においては、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比4.5%増の2,539億円、営業利益は16億円となりました。

 次期については、引き続き鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、対象を全線に拡大した東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策、土木構造物の大規模改修工事、N700A(3次車)の投入等を着実に進めるほか、N700S確認試験車を新製します。また、本年9月末にサービスを開始する新幹線の新しいネット予約・チケットレス乗車サービス「スマートEX」のご利用促進に取り組みます。超電導リニアによる中央新幹線計画については、安全、環境、地域との連携を重視して着実に進めます。資金面については、中央新幹線の建設の推進のため、財政投融資を活用した長期借入について、残りの1兆5,000億円の借入を進めます。さらに、海外における高速鉄道及び超電導リニアプロジェクトへの取組みについても着実に推進します。加えて、本年4月に全面開業したJRゲートタワーについては、JRセントラルタワーズと一体的に運営を行い、魅力あるサービスを提供し、収益拡大を図ります。こうした各種課題を着実に進めるため、引き続き、収益力の強化と技術レベルの不断の向上に取り組むとともに、設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化と低コスト化を徹底し、経営体力の充実を図ります。
 次期の業績予想については、以下のとおりとします。

 売上高            1兆7,600億円(当期比 0.2%増)
 営業利益            5,830億円(当期比 5.9%減)
 経常利益            4,990億円(当期比 11.5%減)
 親会社株主に帰属する当期純利益 3,480億円(当期比 11.4%減)


(2)当期の財政状態の概況
 期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末と比べ962億円増の4,145億円となりました。また、長期債務残高は、中央新幹線建設長期借入金1兆5,000億円の借入を実施したことなどから3兆3,954億円となりました。そのうち中央新幹線建設長期借入金を除いた長期債務は1兆8,954億円となり、前期末と比べ495億円減少しました。

@ 営業活動によるキャッシュ・フロー
 ビジネス、観光ともにご利用が堅調に推移し、当社の運輸収入は増加したものの、法人税等の支払額が増加したことなどから、営業活動の結果得られた資金は前期比209億円減の5,805億円となりました。

A 投資活動によるキャッシュ・フロー
 中央新幹線建設長期借入金を信託したことに加え、設備投資に伴う固定資産の取得等による支出が増加したことなどから、投資活動の結果支出した資金は前期比1兆7,392億円増の1兆9,095億円となりました。

B 財務活動によるキャッシュ・フロー
 中央新幹線建設長期借入金の借入を実施したことなどから、財務活動の結果得られた資金は前期比1兆6,680億円増の1兆4,251億円となりました。

 営業活動の結果得られた資金から有形・無形固定資産の取得等の結果支出した資金を引いた実質的なフリー・キャッシュ・フローは前期比987億円減の2,504億円となりました。


(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
 当社は、社会的使命の強い鉄道事業を経営の柱としていることから、長期にわたる安定的な経営基盤の確保・強化に取り組むとともに中央新幹線計画等の各種プロジェクトを着実に推進するため内部留保を確保し、配当については安定配当を継続することを基本方針としております。
 この方針に基づき、当期の期末配当については、ビジネス、観光ともに輸送量が堅調に推移したことなどを踏まえ、本年1月に公表した配当予想1株当たり65円を5円増額し、70円とさせていただく
予定です。
 また、次期の配当については、上記の基本方針に則って実施していく予定です。配当支払いについては、従来どおり毎年3月31日及び9月30日を基準日とする年2回の配当を継続0することとし、変更は予定しておりません。

NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.2106 (Re:2104) 2.経営方針 3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
ほりうち(ccbu8181) 2017-04-29 21:33:13
2.経営方針
(1)会社の経営の基本方針
 当社は、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念のもと、鉄道事業において、安全・安定輸送の確保を最優先に、お客様に選択されるサービスの提供、業務効率化等について不断の取組みを行うことにより、日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在来線網を一体的に維持・発展させることに加え、大動脈輸送を二重系化する中央新幹線の建設により、「三世代の鉄道」を運営するということを使命としており、これを長期にわたり安定的に果たし続けていくことを基本方針としています。
 当社グループとしても、名古屋駅におけるJRセントラルタワーズ・JRゲートタワーの各事業展開に代表されるように、鉄道事業と相乗効果を期待できる事業分野を中心に事業の拡大を推進し、グループ全体の収益力強化を図ります。


(2)中長期的な会社の経営戦略
 当社グループの中核をなす鉄道事業においては、長期的展望を持って事業運営を行うことが極めて重要であり、経営基盤の強化を図りながら、主要プロジェクトを計画的に推進しています。
 東海道新幹線については、これまで世界に比類の無い安全で正確な輸送を提供するとともに、不断に輸送サービスの充実に向けた取組みを進めてきました。今後についても、安全・安定輸送の確保を最優先に、引き続き対象を東海道新幹線全線に拡大した脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を推進するとともに、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、大規模改修工事を着実に推進します。また、「のぞみ10本ダイヤ」による弾力的な列車設定、N700A(3次車)の投入、N700S確認試験車の新製など、東海道新幹線の輸送サービスの一層の充実に向けて取り組みます。
 超電導リニアによる中央新幹線については、当社の使命であり経営の生命線である首都圏〜中京圏〜近畿圏を結ぶ高速鉄道の運営を持続するとともに、企業としての存立基盤を将来にわたり確保していくため計画しているものです。現在この役割を担う東海道新幹線は開業から50年以上が経過し、鉄道路線の建設・実現に長い期間を要することを踏まえれば、将来の経年劣化や大規模災害に対する抜本的な備えを考えなければならない時期にきています。また、東日本大震災を踏まえ、大動脈輸送の二重系化により災害リスクに備える重要性がさらに高まっています。このため、その役割を代替する中央新幹線について、自己負担を前提として、当社が開発してきた超電導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経営していくこととしています。このプロジェクトの完遂に向けて、鉄道事業における安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに、健全経営と安定配当を堅持し、柔軟性を発揮しながら着実に取り組みます。その上で、まずは中京圏まで、さらには近畿圏までの実現に向けた様々な取組みを進めます。
 また、このプロジェクトは自己負担により進めるものであり、建設・運営・保守など全ての場面におけるコストについて、社内に設置した「中央新幹線工事費削減委員会」で検証し、安全を確保した上で徹底的に圧縮して進めるとともに、経営状況に応じた資源配分の最適化を図るなど柔軟に対応していく考えです。
 なお、昨年11月に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令に基づき、中央新幹線の建設の推進のため、総額3兆円(予定)の財政投融資を活用した長期借入の申請を鉄道・運輸機構に対して行い、これまでに同機構より、平成28年度に予定していた1兆5,000億円の借入を行い、平成29年度は残りの1兆5,000億円の借入を進めます。
 当社としては、経営の自由、投資の自主性を確保し、健全経営と安定配当を堅持しつつ、長期、固定かつ低利の貸付けを受けることにより、経営のリスクが低減され、品川・名古屋間開業後連続して、名古屋・大阪間の工事に速やかに着手し、全線開業までの期間を最大8年間前倒すことを目指して、建設を推進します。
 さらに、鉄道以外の事業においても、「会社の経営の基本方針」に則り、諸施策を着実に推進することにより、グループ全体の収益力の強化に取り組みます。


(3)会社の対処すべき課題
 当社グループは、「会社の経営の基本方針」に基づき諸施策を推進しています。重点的に取り組む施策は、以下のとおりです。
 鉄道事業においては、安全・安定輸送の確保を最優先に、対象を全線に拡大した東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策、在来線の高架橋柱等の耐震化、名古屋工場や駅舎等の建替・耐震補強工事、新幹線や在来線駅の天井の脱落対策等の地震対策に取り組みます。また、引き続き東海道新幹線の大規模改修工事、在来線の落石対策、踏切保安設備改良等の構造物等の設備の改修・更新を進めるほか、自然災害等へより適切に対処するため、実践的な訓練を繰り返し実施するなど取り組みます。
 東海道新幹線については、「のぞみ10本ダイヤ」を活用して、お客様のご利用の多い時期や時間帯に、需要にあわせたより弾力的な列車設定に引き続き取り組みます。また、N700A(3次車)の投入を引き続き進めるとともに、既存車両に地震ブレーキ停止距離の短縮等の3次車の特長を反映させる改造工事に着手します。また、更なるセキュリティ向上を図るため実施してきた、N700Aの客室内等への防犯カメラ増設工事を完了します。
 在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせ弾力的に増発や増結を行います。また、東海道本線(岡崎駅〜豊橋駅間)において、お客様の利便性のさらなる向上を図るとともに、ご利用状況にあわせた効率的な体制を構築するため、本年10月に集中旅客サービスシステムを導入します。
 営業施策については、エクスプレス会員以外のお客様や海外からのお客様にもご利用いただける新しいネット予約・チケットレス乗車サービス「スマートEX」について、本年9月末にサービスを開始し、ご利用の促進を図ります。エクスプレス予約、プラスEXについては、「EXファミリー早特」など観光型商品の販売促進に継続的に取り組むとともに、「50+」とあわせて観光需要の喚起を図ります。また、京都、奈良、東京、飛騨、伊勢志摩等を対象とした魅力ある商品設定や観光キャンペーンの展開、沿線イベント等を活用した商品の設定、海外からのお客様を対象とした商品販売の促進やご案内強化など、積極的に営業施策に取り組みます。
 旅客関連設備については、ホーム上の可動柵について、東海道新幹線の品川駅、新横浜駅において、追加設置する可動柵の使用を開始するとともに、在来線については、車種や両数が様々であるという当社の実情に適合した可動柵の開発を進め、金山駅での実証試験に向けて取り組みます。また、在来線のホームにおける内方線付き点状ブロックへの取替について、乗降5千人以上の駅での取替計画を3年前倒して完了します。在来線駅におけるエレベーターや多機能トイレの設置等バリアフリー設備の整備についても引き続き推進します。
 超電導リニアによる中央新幹線計画については、健全経営と安定配当を堅持し、柔軟性を発揮しながらプロジェクトの完遂に向けて着実に取り組みます。引き続き、地域との連携を密にしながら、測量、設計、用地取得等を計画的に遂行するとともに、工事については、工期が長期間に亘り難易度が高い、南アルプストンネル、品川駅、名古屋駅をはじめ、必要な準備が整ったところについて、工事の安全と環境の保全を重視し、トンネル掘削、地中連続壁工等の各種工事を着実に進めます。また、中央新幹線の高度かつ効率的な運営・保守体制の構築に向けて取り組みます。さらに、資金面では、中央新幹線の建設の推進のため、財政投融資を活用した長期借入について、平成28年度から2年間で予定していた3兆円のうち、平成29年度は残りの1兆5,000億円の借入を進めます。
 一方、山梨リニア実験線において、営業線仕様の車両及び設備により、2編成を交互に運用して、引き続き長距離走行試験を実施することなどにより、営業運転に対応した保守体系の確立に向けた実証等を進めるとともに、さらなる超電導リニア技術のブラッシュアップ及び営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り組みます。また、「超電導リニア体験乗車」を引き続き計画的に実施するとともに、会社発足30周年の取組みとして、体験乗車付き子供学習教室を実施します。
 海外におけるプロジェクトについては、米国テキサスプロジェクトの事業開発主体に対し、現地子会社(High-Speed-Railway Technology Consulting Corporation)による技術支援を進めるとともに、超電導リニアシステムの米国北東回廊プロジェクトへのプロモーション活動、台湾高速鉄道における技術コンサルティングの取組みを引き続き進めます。また、「Crash Avoidance(衝突回避)」の原則に基づく日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めます。
 技術開発及び技術力の強化については、N700S確認試験車を新製し、次期営業車両に反映する新技術の最終確認を行うための走行試験の準備を行います。また、状態監視技術等を活用した検査や保守の高度化・省力化や、大規模改修工事、地震対策、設備の維持更新等におけるコストダウンにつながる技術開発をさらに進めるほか、土砂災害等の各種災害により的確に対応するための技術開発を実施します。
 鉄道以外の事業については、本年4月に全面開業したJRゲートタワーの各事業を軌道に乗せるとともに、JRセントラルタワーズと一体的に運営を行い、既存事業も含め魅力あるサービスを提供し、収益の拡大を図ります。また、駅ビル事業や流通事業の活性化、当社所有地の有効活用等の事業推進に取り組むなど、当社グループとして一層の収益力向上、競争力強化に取り組みます。
 地球環境問題については、鉄道本来の地球環境への優位性をアピールするとともに、引き続き大幅な省エネルギーの実現を可能とするN700Aの投入等の地球環境保全に資する諸施策を進め、日常の業務遂行にあたっても省資源・省エネルギーに取り組みます。
平成29年度は会社発足30年の節目を迎える年であることから、お客様をはじめこれまで当社を支えていただいた方々に感謝するとともに、これからも日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献するという決意を新たに、収益力の強化と技術レベルの不断の向上に取り組むとともに、設備投資を含めた業務執行全般にわたり、知恵を絞り効率化と低コスト化を徹底し、経営体力の充実を図ります。


3.会計基準の選択に関する基本的な考え方

 当社グループは、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(日本基準)を適用しております。将来の国際会計基準(IFRS)の適用につきましては、我が国における制度適用の状況を踏まえながら検討を進めていく考えです。


※入力者注:財務諸表については掲載を省略させていただきます。