ほりうち(ccbu8181) 2015-08-27 18:57:03 |
平成27年8月27日
東海旅客鉄道株式会社 東海道新幹線の無道床橋りょう等における 脱線・逸脱防止対策について 東海道新幹線では、平成21年10月より脱線時の被害拡大のおそれが大きい区間である軌道延長596kmにわたる脱線・逸脱防止対策に取り組んでいます。 この中には、構造が特殊な無道床橋りょう等の区間27.5kmが含まれており、同区間における脱線防止ガードの敷設工法について検討を進めてまいりましたが、このたび技術開発が完了したことから脱線防止ガードの敷設が可能となりました。 これにより、予定通り平成32年3月までに対策を全て完了させることが可能となりましたので、更なる安全性の向上を目指してまいります。 1.技術開発の内容 ・構造が特殊な無道床橋りょう部及び伸縮継目部において、地震時の荷重に耐えられる構造の脱線防止ガードとその敷設工法を開発しました。 (1)無道床橋りょう部 24.4km (詳細は別紙1参照) ・脱線防止ガードを固定できる専用のまくらぎに取り替えます。 ・まくらぎの端部に連結板を設置します。 (2)伸縮継目部 3.1km (詳細は別紙2参照) ・レールを固定する部材を脱線防止ガードが設置可能な専用のタイプに取り替えます。 2.工事費 約130億円 3.工期 平成27年9月〜平成32年3月(予定) |
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ほりうち(ccbu8181) 2015-08-27 18:58:58 |
[別紙1]
○無道床橋りょう部 【無道床橋りょうの構造】 ・バラスト(砕石)がなく、レールやまくらぎを橋けたで支える構造の橋りょう 【技術上の課題】 ・地震時における橋けたとまくらぎ固定部、並びに、まくらぎと脱線防止ガード固定部の強度を確保するために、技術開発を進めてまいりました。 【解決策】 ・まくらぎの端部に連結板を設置し、並びに、脱線防止ガードを固定できる専用のまくらぎに1本おきに取り替えます。 |
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ほりうち(ccbu8181) 2015-08-27 19:00:42 |
[別紙2]
○伸縮継目部 【伸縮継目の構造】 ・レールの温度変化による伸縮を吸収する機能をもつ。 ・2本のレールが重なる構造で、レール下部に設置されているレール固定部材の幅が広い。 【技術上の課題】 ・標準的な脱線防止ガード固定部材を設置するスペースがない中で、現在のまくらぎに設置可能かつ必要な強度を確保するために、技術開発を進めてまいりました。 【解決策】 ・脱線防止ガード固定部材とレール固定部材を一体化したものに取り替えます。 |
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ほりうち(ccbu8181) 2015-08-27 19:01:49 |
[別紙3]
○無道床橋りょう部における可動式タイプレートの導入 ・今回、脱線・逸脱防止対策の施工に合わせ、無道床橋りょう部のレール固定部材(タイプレート)を、技術開発した可動式に取り替えます。 ・従来必要であったねじくぎの打ち替え作業を省略できることで、まくらぎの強度低下を防ぐとともに、メンテナンスを効率的に行うことに寄与します。 ※なお、無道床橋りょう部における今回の技術開発は新幹線初の施工であり、(株)関ヶ原製作所様と特許を取得しております。 【タイプレートの構造】 ・タイプレートは、ねじくぎによりまくらぎと固定されている。 ・無道床橋りょう上のレールの位置を調整する場合には、タイプレートのねじくぎを打ち替える作業が必要。 ※ねじくぎの打ち替え作業とは、ねじくぎの引き抜き、補修剤等による穴埋め、ねじくぎ穴のあけ直し、ねじくぎの打ち込みといった一連の作業のこと。 【技術上の課題】 ・繰り返しの位置調整によりまくらぎの強度が低下する、また、位置の微調整が難しいという課題を解決するために、技術開発を進めてまいりました。 【解決策】 ・タイプレート上のねじくぎ穴を楕円形とし、かつ、上下の部材(ラック)のかみ合わせによる位置の微調整が可能な可動式タイプレートに取り替えます。 |
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ほりうち(ccbu8181) 2015-08-27 19:03:03 |
[参考]
○東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策 <対象箇所> ・東海地震の際、強く長い地震動が想定される地区の全区間 ・その他の地区の高速で通過する分岐器・トンネル・三主桁の手前の区間 <概要> 対策 :脱線防止ガード 概要 :脱線防止ガードをレールの内側に並行して敷設し、地震時の脱線そのものを極力防止 工事費:900億円 対策 :逸脱防止ストッパ 概要 :逸脱防止ストッパを車両の台車中央部に設置し、万一脱線した場合に、車両が線路から大きく逸脱するのを極力防止 工事費:20億円 対策 :土木構造物の対策 概要 :脱線防止ガードを有効に機能させるため、地震時に土木構造物に生じる大きな変位を抑制 工事費:420億円 計1,340億円 ○脱線防止ガードの敷設計画(色塗りが今回の技術開発) 平成21年10月〜平成25年3月 主な対象箇所(本線):高速で通過する分岐器の手前 軌道延長(※)(全1036km中):140km 工事費:220億円 平成24年12月〜平成32年3月 主な対象箇所(本線):東海地震の際、強く長い地震動が想定される地区の全区間 その他の地区の高速で通過するトンネルの手前や三主桁の手前 軌道延長(※)(全1036km中):428.5km 工事費:550億円 平成27年9月〜平成32年3月 主な対象箇所(本線):無道床橋りょう、伸縮継目(今回の技術開発) 軌道延長(※)(全1036km中):27.5km 工事費:130億円 計900億円 ※ 東海道新幹線の東京〜新大阪間は概ね518q。施工は上り線、下り線それぞれで必要なため、その合計距離。 |
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