NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.1063 【JR東海】制震装置による橋りょうの地震対策について
ほりうち(ccbu8181) 2016-06-08 23:40:10
平成28年6月8日
東海旅客鉄道株式会社


          制震装置による橋りょうの地震対策について


 当社は、地震発生時における安全を確保するため、高架橋柱をはじめとする土木構造物等の耐震補強や、地震情報を早期に伝達するシステムの整備を着実に進めています。
 耐震補強が必要な土木構造物等のうち、構造や周辺環境の条件によっては、一般的な工法による対策が困難な箇所があります。こうした課題に対応するため、今回、制震装置による橋りょうの補強を行いましたのでお知らせします。

1.制震装置による橋りょうの耐震補強(別紙)
・橋りょうの一般的な補強工法は、橋脚の周りを鋼板やコンクリート等で巻く工法です。
・東海道本線の堀川橋りょう(金山駅〜尾頭橋駅間)は、明治40年に建設され、橋脚はレンガ造りです。この橋りょうは、周辺環境などの施工条件上、大規模な掘削を伴う施工が難しく、鋼板やコンクリート等で巻く補強が困難であるという課題がありました。
・この課題に対応するため、株式会社大林組が開発した制震装置(ブレーキダンパー(R))を用いる工法を採用し、橋脚の耐震補強を平成28年3月に完了しました。
・鉄道構造物に「ブレーキダンパー」を採用した事例は当社が初となります。
・この工法の採用にあたり、堀川橋りょうの地震時の揺れ方の検証や、設置するブレーキダンパーの強さ等を最適な値に設定するなど、当社の技術開発部での研究開発と東海鉄道事業本部での検討成果を反映しております。

2.今後の予定
・今回採用した制震装置(ブレーキダンパー)を用いた工法については、今後、新幹線の高架橋の揺れを抑える脱線防止対策の一つとして活用することも検討しております。
・今後も、個々の構造物の状況を踏まえ、適切な施工方法を検討することで、着実に耐震補強を進めてまいります。

撮影日:
撮影場所:
キャプション: 一般的な工法(鋼板巻き等)
画像サイズ: 311×331(原寸表示)
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キャプション: 今回採用した工法(制震装置)
画像サイズ: 449×348(71%表示)
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No.1064 (Re:1063) [別紙]
ほりうち(ccbu8181) 2016-06-08 23:42:16
[別紙]

○ブレーキダンパーの仕様(イメージ)

@接合部にステンレス板と摩擦板を一対にして挟み込んだ構造
A地震により構造物に一定の力が作用すると、接合部分が滑り始め、摩擦力で建物の揺れを吸収


○ブレーキダンパーの設置状況 ※添付画像参照


○地震時におけるブレーキダンパーの動作イメージ(堀川橋りょう)

【地震発生】
  ↓
【橋桁が揺れ動く】
  ↓
【レンガ橋脚と橋桁を繋ぐブレーキダンパーの接合部が滑り出す】
  ↓
【接合部で摩擦力が生じることにより、揺れの力を吸収(減衰)】
  ↓
【レンガ橋脚に伝わる橋桁の揺れを減少させ、橋脚の損傷を防ぐ】

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撮影場所:
キャプション: ブレーキダンパーの仕様(イメージ)
画像サイズ: 822×226(39%表示)
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キャプション: ブレーキダンパーの設置状況
画像サイズ: 780×530(41%表示)
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キャプション:
画像サイズ: 749×233(43%表示)
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撮影場所:
キャプション: 地震時におけるブレーキダンパーの動作イメージ(堀川橋りょう)
画像サイズ: 769×539(42%表示)
NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.1065 (Re:1063) [参考]
ほりうち(ccbu8181) 2016-06-08 23:44:36
[参考]


          新幹線及び在来線における地震対策について


 当社は、会社発足よりさまざまな地震対策に取り組んでおり、阪神淡路大震災以降も、その時々の知見に基づいた地震対策を進めてきました。新幹線及び在来線のこれまでの取り組みや、進捗状況は以下の通りです。

1.東海道新幹線の主な地震対策

○構造物の強化
 構造物の強化として、高架橋柱・橋脚・盛土の耐震補強、落橋防止工の設置、駅舎等の耐震化などの地震対策を進めています。

・実施項目及び進捗状況(平成27年度末)
〔高架橋柱・橋脚・盛土〕
 完了※(高架橋柱:約19,600本、橋脚:約900基、盛土:約9.4km)
〔橋りょう(落橋防止)〕
 実施中(対象約2,225連のうち、約2,045連完了)
〔駅舎〕完了※
〔車両工場等〕浜松工場:建物の建替・補強を実施中(平成30年度までに完了予定)
※一部の協議箇所を除く

○列車を早く止める
 地震時の揺れをとらえ、送電を自動的に停止して列車に緊急停止指令を出す地震防災システムを構築しています。また、車両の地震ブレーキの改良を行い、停止距離の短縮をしています。

○脱線・逸脱防止対策
 地震時に脱線させないことを最優先とし、それでも脱線を回避できない場合に、車両の逸脱を防止するという二重系の対策として、脱線・逸脱防止対策を進めています。
 脱線防止対策については、「東海地震において強く長い地震動を受けると想定される区間」や脱線時の被害拡大のおそれが大きいと考えられる、高速で通過する分岐器、トンネル、三主桁の手前の対策を優先的に進めており、平成31年度までに完了する予定です。逸脱防止対策については、車両への逸脱防止ストッパの設置を平成24年度までに完了しています。

【脱線防止対策】
1)脱線防止ガード:地震時の脱線そのものを極力防止する
2)土木構造物対策:脱線防止ガードを有効に機能させる
┌────┬───────┬────────────────┐
| 対象 |   実績   |       計画        |
|    ├───────┼───────┬────────┤
|    |平成27年度末| 平成28年度 |平成29年度以降|
├────┼───────┼───────┼────────┤
|596km|  360km |  71km  |  165km  |
|    |(60.4%)|(72.3%)|(100.0%)|
└────┴───────┴───────┴────────┘

【参考】図の解説
(地震時の脱線形態の1つである「ロッキング脱線」と脱線防止ガードの作用)
@地震で線路が左右に揺れると、一方の車輪がレールと衝突し、反動で反対側の車輪が浮き上がる。
Aこの状態で線路が逆に動くと脱線が生じる。(ロッキング脱線)
B浮き上がった車輪の反対側の車輪はレール上に載っているため、この車輪の横方向の動きを脱線防止ガードが止めることで脱線を防止。
【逸脱防止対策】(全編成に設置済み)
 逸脱防止ストッパ:万一脱線した場合に、車両が線路から大きく逸脱することを極力防止


2.在来線の主な地震対策

○構造物の強化
 構造物の強化として、高架橋柱・橋脚の耐震補強、落橋防止工の設置、駅舎等の耐震化などの地震対策を進めています。

・実施項目及び進捗状況(平成27年度末)
〔高架橋柱・橋脚〕
 「ピーク時1時間あたり片道列車本数が10本以上の線区」及び「東海地震において強く長い地震動を受けると想定される区間」について耐震補強を実施中
 *高架橋柱:対象約5,075本のうち、4,890本完了
 *橋脚:対象4基のうち、2基完了

〔橋りょう(落橋防止)〕
 「ピーク時1時間あたり片道列車本数が10本以上の線区」及び「東海地震において強く長い地震動を受けると想定される区間」などについて対策完了
 *全約1,975連が対策済み

〔駅舎〕
 お客様のご利用が1日あたり5千人以上の駅舎について、耐震化を実施中
 *対象76駅のうち、68駅完了

〔車両工場等〕
 名古屋工場:建物の建替・補強を実施中
 *平成33年度までに完了予定

○列車を早く止める
地震時の揺れをとらえ(新幹線の地震防災システムの情報も活用)、地震の影響が大きいと判断される区間の列車を停止させるシステムを構築しています。

撮影日:
撮影場所:
キャプション: 構造物の強化
画像サイズ: 786×302(41%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 地震防災システム(テラス)の概要
画像サイズ: 772×378(41%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 脱線防止対策
画像サイズ: 858×344(37%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 逸脱防止対策
画像サイズ: 710×235(45%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 構造物の強化
画像サイズ: 700×312(46%表示)