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No.873 【講談社文庫】新刊:のんびり各駅停車  著:谷崎 竜
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2009-06-29 21:48:28
講談社文庫の著者から、鉄道フォーラム宛に新刊案内をいただきましたので、ここにご紹介します。内容から「NEWS RELEASE:全般」「メディアプラザ」とともに、倶楽部鉄道フォーラム「鉄道歴史談話室」でもご紹介致します。
鉄道フォーラム・マネジャー 伊藤 博康



速く楽にという時代、各駅停車で旅を深く楽しむ。奥羽本線、上越線、北陸本線、関西本線、高徳線、鹿児島本線。車窓から眺めただけでは見ることのできない駅周辺の風景や、街の歴史や人情が、すべての駅に降りることで見えてくる。JR完乗の著者が厳選した路線を、写真と文で綴る賛沢な旅。<文庫オリジナル>

 書 名 : のんびり各駅停車(かくえきていしゃ)
 著 者 : 谷崎 竜(たにざき りゅう)
 定 価 : 本体857円(税別)
 発行日 : 2009年6月12日第1刷発行
 発行所 : 株式会社講談社
 図書符号: ISBN978-4-06-276382-0

【著者】谷崎 竜
 1969年名古屋市に生まれる。千葉大学理学部数学科卒業。卒業後、数年をかけて世界五十数カ国を放浪し、旅専門のライター・カメラマンとして現在に至る。おもな旅行歴は、ユーラシア大陸陸路横断(上海→リスボン)、南米大陸陸路縦断(メキシコ→フエゴ島)。1989年秋田県男鹿駅を最後にJR全線完乗。著書に『上海リスボン街道』(連合出版)、『赤道の万年雪』(亜紀書房)がある。
ホームページ:www.ab.auone-net/jp/~tanizaki/

「まえがき」から
 本書は、鉄道を「線」ではなく、駅という「点」に絞って紹介したものである。
 といっても、いわゆる「駅ガイド」ではない。全国のJR線の中からいくつかの区間(一編につき五〇キロ前後)を選び、そのすべての駅に下車するという、普通の旅行者はまずしないであろう酔狂な行程の旅行記である。
[中略]
 区間内の「全駅訪問」という命題を課すことによって、これまで話題性が乏しく、あまり語られることのなかった「無名」の駅にも、焦点を当てることができた。
 取材を重ねて実感したのは、駅の歴史に最も精通しているのは、観光局でも駅員でもなく、駅前に住む古くからの住人であるということだ。
[中略]
 内容については、ガイド書的な情報は最小限にとどめ、列車に乗り合わせた旅行者や、駅周辺で出会った地元住民の声を、多く記述するよう心がけた。もとより私は、鉄道の知識はさほど豊富ではない。生半可な解説文を加えるより、駅の情景を旅行者目線でとらえ、見聞きしたものをそのまま書き記したいと思った。


もくじ

まえがき 13


奥羽本線(福島−米沢間 9駅) 9
 福島(ふくしま)東北二大路線の分岐駅 11
 笹木野(ささきの)吾妻山の湧水地 13
 庭坂(にわさか)かつての峠越えの基地 16
 赤岩(あかいわ)山間の秘境駅 19
 板谷(いたや)ゼオライト鉱石の搬出場 24
 峠(とうげ)奥羽本線最高地点 27
 大沢(おおさわ)米沢街道の宿場町 32
 関根(せきね)山間から盆地へ 36
 米沢(よねざわ)上杉氏の城下町 40


上越線(沼田−越後湯沢間10駅) 45
 沼田(ぬまた)尾瀬の玄関駅 47
 後閑(ごかん)山岳地帯の入口 49
 上牧(かみもく)谷川岳の展望地 52
 水上(みなかみ)利根川の最上流 54
 湯檜曽(ゆぴそ)ループ線眺望駅 57
 土合(どあい)日本一のモグラ駅 62
 土樽(つちたる)「雪国」の入口 66
 越後中里(えちごなかざと)無人のスキーリゾート 71
 岩原(いわっぱら)スキー場前 超変則的ホーム 73
 越後湯沢(えちごゆざわ)北陸への分岐駅 76


北陸本線(魚津−糸魚川間11駅) 79
 魚津(うおづ)ホタルイカと蜃気楼 81
 黒部(くろべ)かつての市場町 84
 生地(いくじ)北アルプスの伏流水 87
 西入善(にしにゅうぜん)ソメイヨシノの名所 89
 入善(にゅうぜん)湧水とチューリップの町 91
 泊(とまり)平野から断崖へ 93
 越中宮崎(えっちゅうみやざき)ヒスイ海岸 96
 市振(いちぶり)海べりの県境駅 99
 親不知(おやしらず)旧北陸道最大の難所 103
 青海(おうみ)黒姫山の展望地 107
 糸魚川(いといがわ)フォッサマグナの要衝駅 109


関西本線(亀山−木津間13駅) 113
 亀山(かめやま)JR境界駅 115
 関(せき)江戸時代の町並 118
 加太(かぶと)六〇〇年前の山城跡 120
 柘植(つげ)草津線の分岐駅 123
 新堂(しんどう)名阪の中間地点 126
 佐那具(さなぐ)大和街道の宿場町 127
 伊賀上野(いがうえの)芭蕉の故郷 130
 島ヶ原(しまがはら)築八〇年の木造駅舎 132
 月ヶ瀬口(つきがせぐち)梅の名所 135
 大河原(おおかわら)木津川渓流の駅 138
 笠置(かさぎ)笠置合戦の舞台 140
 加茂(かも)ディーゼルから電車へ 142
 木津(きづ)鉄道の十字路 144


高徳線(三本松−徳島間13駅) 147
 三本松(さんぼんまつ)高徳線の中間地点 149
 讃岐白鳥(さぬきしろとり)白鳥神社の門前町 151
 引田(ひけた)かつての塩田地帯 153
 讃岐相生(さぬきあいおい)瀬戸内海沿岸の県境駅 157
 阿波大宮(あわおおみや)僻村の秘境駅 159
 板野(いたの)お遍路の拠点 161
 阿波川端(あわかわばた)旧吉野川河岸 1644
 板東(ばんどう)四国霊場第1番札所 166
 池谷(いけのたに)鳴門線の分岐駅 170
 勝瑞(しょうずい)徳島のベッドタウン 172
 吉成(よしなり)吉野川河口の町 174
 佐古(さこ)徳島線の分岐駅 176
 徳島(とくしま)蜂須賀氏二十五万石の城下町 178


鹿児島本線(川内−鹿児島間12駅) 181
 川内(せんだい)山間部の新幹線駅 183
 隈之城(くまのじょう)田園に建つ和風駅舎 186
 木場茶屋(こばんちゃや)薩摩街道の茶屋跡 188
 串木野(くしきの)金山とマグロの町 190
 市来(いちき)旧市来町の中心地 192
 湯之元(ゆのもと)開湯三六〇年の湯治場 194
 東市来(ひがしいちき)ザビエルゆかりの地 196
 伊集院(いじゅういん)小松帯刀ゆかりの地 199
 薩摩松元(さつままつもと)戦後生まれの請願駅 202
 上伊集院(かみいじゅういん)鹿児島本線最高地点 204
 鹿児島中央(かごしまちゅうおう)南九州の要衝駅 207
 鹿児島(かごしま)桜島の展望地 211

あとがき 216

解説 安部譲二 222


初出一覧
 奥羽本線 「旅と鉄道」二〇〇九年 一月号
 上越線  「旅と鉄道」二〇〇七年一二月号
 北陸本線 「旅と鉄道」二〇〇八年 七月号
 関西本線 「旅と鉄道」二〇〇八年 五月号
 高徳線  「旅と鉄道」二〇〇八年一〇月号
 鹿児島本線「旅と鉄道」二〇〇八年九月号

本書は鉄道ジャーナル社の「旅と鉄道」に連載されたものをもとに写真等を入れ替え、再構成して書き直したものです。
撮影日:
撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 243×345(原寸表示)