ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2010-10-30 19:01:18 |
丸善から、新刊の発刊案内をいただきましたので、ここにご紹介致します。なお、内容が技術面ですので、「NEWS RELEASE:全般」「メディアプラザ」とともに、倶楽部鉄道フォーラムの「混合列車」でもご紹介致します。
鉄道フォーラム・マネジャー 伊藤 博康 ★丸善からすべての鉄道ファンへ★ 『物理で広がる鉄道の魅力』 (半田 利弘 著) 物理でスッキリ、Let's テツノロジー!! ★内容紹介★ 鉄道には科学技術のすべてがつまっています。蒸気機関車からはじまった鉄道技術の進歩は、まさに科学の進歩とともにありました。これらの技術の大半は「物理」から生まれたものなのです。 本書は高校レベルの物理の知識を用いて、鉄道の「なぜ」をやさしく解き明かします。VVVFや回生ブレーキといった複雑なシステムも簡単な物理に分解することが出来ます。逆に簡略化できない問題を技術者の工夫が解決していることを本書で知ることができます。動力機関や車両形状などの車両の話題から、レールや橋梁などの鉄道構造物、自動改札や運行ダイヤなど、すべての鉄道ファンが楽しめる内容です。 本書はこのように鉄道という身近な存在から物理を学ぶこともでき、学生や物理を学ぶ人の理解を助け、また物理へのさらなる興味をかきたてます。 となりの“テツ”に差をつける一冊がここにあります。 ★著者紹介★ 東京大学大学院理学系研究科天文学教育研究センター助教。理学博士。 1987年東京大学大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程修了。 おもな研究分野は電波天文学。電波観測によって,天の川銀河やほかの銀河の星間物質の状態と構造の関係を研究。論理的な理解や検証手法など,物理の考え方は現代人には必須の“実学”であり,万人のための物理学を伝えるのも物理学者の責務であると考え,さまざまな場面で物理学(とくに宇宙物理学)を伝える活動を心がけている。著書多数。趣味は鉄道・SF。 好きな列車は青大将(スハ44系客車による特急「つばめ」)と500系新幹線電車。 ★書誌情報★ 書 名: 物理で広がる鉄道の魅力 著 者: 半田 利弘 (国立天文台) 定 価: 1,900円(税別) 出 版 社: 丸善 図書符号: ISBN-13978-4621082898 発 行 日: 2010/10/30 ■目次 第1章 蒸気機関車のしくみ 車輪が滑れば,汽車は動かず――軸重と粘着 黒い煙は癪の種――火室から煙突まで シュッシュッポッポの深い意味――シリンダーと弁装置 転ばぬ先の杖――先輪があるわけ コラム ベルヌーイ効果/ カルノーサイクル 第2章 抵抗制御式電車のしくみ ドイツ生まれでアメリカ育ち――電気鉄道と電車 行きと帰りは別の道――架線からレールへ ゆっくりなほど力もち――ローレンツ力と直流直巻モーターの特性 直列で過大電流に抵抗せよ――直並列制御と抵抗制御と弱め界磁 仲間といっしょにすべらない話――総括制御と再粘着性能 衝撃の質量――吊掛式駆動とカルダン式駆動 第3章 交流電化とVVVF電車 ドイツ生まれでフランス育ち――電気抵抗と交流電化 電磁誘導と電子陽子の非対称――変圧器と整流器の作用 磁場の波に乗れ――VVVF電車とリニアモーター 切っても切れない架線の接続――デッドセクション コラム 3相交流 第4章 気動車のしくみ 内に秘めたる燃えるもの――レシプロ内燃機関の原理 うんとこらえて力を溜めて――レシプロ内燃機関のしくみ 馬力を上げて――エンジンの出力を決める要因 噛み合っていれば問題解決――変速機と電気式気動車 滞りなく燃える――ガスタービン機関 コラム 電車文化と前面展望 第5章 鉄道車両の制動 空気を読んで使え――空気ブレーキ フェイルセーフと音速の限界――自動ブレーキと電気指令式ブレーキ 電気の力で減速せよ――電気ブレーキと電力回生ブレーキ モーターがないサハどうしよう――渦電流ブレーキ コラム パスカルの原理 第6章 鉄道車両の走行抵抗 摩擦の種は内部から――転がり摩擦は変形のため ウケを考えて抵抗を減らせ――平軸受けからコロ軸受けへ 未来へ飛んで行け――究極の抵抗軽減策 かっこよく風を切れ――流線形と新幹線 コラム カルマン渦 第7章 曲線の線路 曲がったことは大嫌い――鉄道線路の曲線 内外格差をなくせ――踏面形状とフランジ 曲線を感じさせるな――カントと振り子 横車は押すな――ボギー車と操舵台車 コラム 駅と郵便局 第8章 登りと下り――勾配を克服する 斜面でも滑らず――勾配で加わる力 急がば回れ――ループとスイッチバック 歯を食いしばってよじ登る――ラックレールと登山鉄道 綱が頼りの登山家たち――鋼索鉄道と索道 第9章 列車運行と信号 いるかいないか――閉塞と軌道回路 間違いなく詰めて――通票閉塞と色灯式信号機 そこがポイント――分岐器と進路を示す信号 来た,見た,しまった――そのときのためのATSとATC コラム 東京駅とアムステルダム中央駅 第10章 橋梁とトンネル 線路は続くよ,どこまでも――軌道の構造とレール 枕を並べて先へ行け――枕木と道床 長いトンネルを抜けると――土構造とトンネル 天かける線路――橋梁とその構造 第11章 切符と自動改札のしくみ 切符のいい奴――乗車券システムと自動改札 触らぬ紙に摩滅なし――非接触式ICカード いま,新幹線の中――走行中の列車との通信方法 座って遠くへ行きたい――みどりの窓口をつなぐコンピューター通信網 コラム チンも電車から――ビュフェと電子レンジ 付録 車両称号 |
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平岡良一(mwhh3903) 2010-10-31 20:22:26 |
我が二十数年来の友人、半田利弘さんは、電波天文を専門とする天文学者です。そして難しい理論であっても、その正確さを失うことなく、平易な言葉で一般の方に解説することが出来る、日本でも数少ない科学者の一人です。
東京の科学技術館で行なわれている科学ライブショー「ユニバース」の講師でもあり、その話を聞かれた方も多いのではないでしょうか。 またその専門に閉じこもることなく、物理を始めとする科学全般に造詣が深く、更には今回の著書の題材である鉄道や、SF・アニメ・マンガなどまで話題豊富な方です。 そんな半田さんが、このたび鉄道書を出版されました。私も実は一昨日にそれを知ったばかりで、今日買って来て読んでいる途中なのですが、鉄道という半田さんにとっては趣味の世界を扱いながらも、関連する物理学の諸法則をうまくちりばめ、それらを一般の鉄道趣味者にも分かりやすい言葉で解説してくれています。 前書きには『理解の前提となる物理学は、基本的に高校で習う物理学を基準とした。ただし、空気や液体の流れを扱う流体力学と、熱と仕事の関係を扱う熱力学も、ある程度は知っているものとして記述した。』とありますが、いくつか数式やグラフは出て来るものの、それらを読みとばしても理解できるような解説になっています。 内容的には車両、線路などの施設からIC乗車券まで広く取り扱われていますので、本書は「鉄道趣味者のための物理学入門書」であると同時に「物理学者のための鉄道入門書」でもあるようです。 物理の好きな方はもちろん、私は物理はちょっとという方にもお勧めできる一冊です。 平岡良一 |
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ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2010-11-02 02:03:29 |
平岡さんの長年のお友達でいられましたか、この著者。
一般的な鉄道趣味書とは違う、面白い切り口で攻めた一冊のようですね。 鉄道は、産業革命の中でも注目の先端技術だったわけですが、日本においては戦後の経済成長期にめざましく発展した技術でもありました。その技術の理論は物理ですから、なるほどここから解説すると、いろんな分野が関わっていることでしょうねぇ。実際、タイトルを見ただけで、ふむふむと思わせるものがあります。 伊藤 博康 |
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ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2010-11-03 18:05:06 |
先にご案内した新刊について、出版社から著者の所属について訂正の連絡がありましたので、ここに報告致します。
【誤】著 者: 半田 利弘 (国立天文台) ↓ 【正】著 者: 半田利弘 (東京大学) 以上です。 鉄道フォーラム・マネジャー 伊藤 博康 |
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