Mt.Tortoise(nvdh8312) 2010-08-14 22:31:34 |
きょう8月14日の朝日新聞夕刊1ページトップに、「あの夏 赤い花」「失った青春 詩人万感」とのタイトルで、詩人茨木のり子さん作の詩「根府川の海」が載っています。この詩は茨木のり子さんが終戦の日の翌日に列車で根府川駅を通ったとき目にした赤いカンナの花の記憶をその数年後に詩にしたものです。(この記事は東京版だけか?)
この記事の概要はasahi.comに載っています。 これは、明日終戦の日を迎えるに当って載せたのだと思います。 根府川駅の周りにはカンナがたくさん生えていることは気が付いていましたが、これはもともと自然生えらしく、終戦の年にはすでに目立っていたのですね。 ただ、記事によれば当時赤いカンナが多かったのに、最近は黄色の花が増えているそうなので、これを地元の有志が赤い株に戻そうと作業をしているそうです。 根府川駅は大動脈の東海道線には珍しい無人駅ですが、海岸沿いの高台にあって景色が良いことで知られているほか、関東大地震のときに列車が脱線して海岸まで転落したとか、また第二次世界大戦中には米軍からの機銃射撃を受け、その跡が残っているとか、また、駅舎に米国製の鉄骨が使われているとか、いわば数奇な運命をたどってきたのですね。現在は関東の駅百選に選ばれています。 なお、新聞のほうには自立型の駅名標と金網越しに相模湾の海を背景としてカンナの花が写っている写真が載っています。この駅名標はごく最近まで国鉄時代からの、駅名の下に「神奈川県小田原市」と記したものが使われていたはずですが、写っている写真によるとJR東式の新しいものに代わっているようですね。 Mt.Tortoise/T.亀山 |
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ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2010-08-15 18:16:13 |
Mt.Tortoiseさん、朝日新聞夕刊記事についてご教示ありがとうございます。
根府川駅にカンナが咲くこと、それがかつて詩に詠まれたことなど、全く知りませんでした。 カンナに限らず草木に疎い私ですが、終戦の翌日の記憶ということは、カンナの花ってこの真夏に咲くのですね。 赤い花だったのが、オレンジ色が多くなったという理由は分かりませんが、地元の方々の印象として赤色が鮮烈なのであれば、赤い花に戻す活動は原点回帰の意味をもつのでしょうね。 機会があれば、この時期の根府川駅を訪れてみたいものですね。 伊藤 博康 |
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Mt.Tortoise(nvdh8312) 2010-08-21 22:06:22 |
8月14日付けの朝日新聞夕刊の1面トップに掲載された東海道線根府川駅のカンナの花の記事を祝って(?)、現地を見に行ってきました。
この記事は、65年前の終戦の日の翌日、昭和20年8月16日に、詩人茨木のり子さんが、当時学徒動員で出向いていた、多分関東地方のどこかから実家の愛知県に帰る途中に根府川駅に真っ赤なカンナの花を見て感動し、後に「根府川の海」という詩として発表したという話題です。学徒動員という厳しい生活から開放されて、実家に帰ることが許され、ほっとした中でたまたま通りかかった根府川駅で見た赤い花を見て感動したのは自然なことでしょう。 いまもカンナはもう少し多数生えていると思っていたのですが、行ってみると、新聞記事から受けるイメージに反して、カンナの花は3箇所ほどに、ほんのわずかの株が見えるだけで、花も日焼けしたようにみすぼらしい状態でした。目立つのは白い花の「ホソバノテッポウユリ」など、最近野生のものが増えてきた花ばかりでした。 多分駅が無人化されてから敷地とその周辺の手入れがおろそかになってほかの雑草が生い茂り、それに負けてきたのでしょう。さらに、今年は連日の猛暑で株も弱っているのかもしれません。 この記事は数日後の地方版に再び載り、地元の人たちが、この花を「鎮魂花」にしたいと話しているそうです。これは上の話とは別に、関東大地震と世界大戦で周辺住民や転落した列車の乗客が多数の犠牲になったことに対する鎮魂ということでしょう。)今後カンナが目立つように手入れがされるのかもしれませんね。 Mt.Tortoise/T.亀山 |
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